猶予期間は、メッセージを差出人にバウンスするまでメールボックスが制限容量 (ディスク容量やメッセージの数) を超えた状態でいられる期間を指定するものです。MTA がメッセージを受け取っても、メッセージは MTA キューに残り、次のいずれかの状況が発生するまでメッセージストアには配信されません。
メールボックスが制限容量を超えない状態になったとき。この時点でメールボックスにメッセージが配信されます。
ユーザーが指定された猶予期間を過ぎても制限容量を上回ったままでいるとき。この時点でサーバーが、キュー内に含まれているすべてのメッセージをバウンスします。この時間制限は、quotagraceperiod configutil パラメータによって制御されます。
メッセージがメッセージキューの最大時間を過ぎてもメッセージキューに残っているとき。これは、notices MTA チャネルキーワードによって制御されます (「通知メッセージの配信間隔を設定するには」を参照)。
たとえば、猶予期間が 2 日間に設定されているときに 1 日分の制限容量を超えた場合、新しいメッセージは引き続き受信され、メッセージキュー内に保持され、配信試行は続行します。2 日目を過ぎると、メッセージは差出人に戻されます。
猶予期間とは、メッセージがメッセージキュー内に保持される期間ではなく、メッセージキュー内に含まれているすべての着信メッセージがバウンスされるまでに、メールボックスが制限容量を超えた状態でいられる期間です。猶予期間は、ユーザーが制限容量のしきい値に達し、警告を受けたときに開始します。「制限容量のしきい値を指定するには」を参照し、注意してください。