バックアップグループは、正規表現で定義されたユーザーメールボックスの任意の集まりです。ユーザーメールボックスをバックアップグループに組織化することで、より柔軟なバックアップ管理を定義することができます。
たとえば、3 つのバックアップグループを作成し、第 1 のグループには A 〜 L で始まるユーザー ID を、第 2 のグループには M 〜 Z で始まるユーザー ID のユーザーを、第 3 のグループには ID が数字で始まるユーザーを含めます。管理者はこれらのバックアップグループを使用してメールボックスを同時にバックアップできます。または、ある日に一部のグループのみバックアップし、別の日にほかのグループをバックアップすることもできます。
バックアップグループについて注意すべき事項がいくつかあります。
バックアップグループはメールユーザーの任意の「仮想」グループです。これらは見かけとは異なり、メッセージストアディレクトリに正確にはマッピングされません (図 18–1)。
バックアップグループは、UNIX 正規表現を使用して管理者によって定義されます。
正規表現は、設定ファイル msg_svr_base/config/backup-groups.conf で定義されています。
バックアップグループが imsbackup および imsrestore で参照された場合、次のパス形式が使用されます。/partition_name/backup_group
backup-groups.conf の形式は次のとおりです。
group_name=definition group_name=definition . . . |
上記の例を使用して、次の 3 つの定義によるバックアップグループを作成するとします。
groupA=[a-l].* groupB=[m,-z].* groupC=[0-9].* |
これで imsbackup および imsrestore をいくつかのレベルでスコープすることができます。次のバックアップコマンドを使用してメッセージストア全体をバックアップおよび復元することができます。
imsbackup -f device /
groupA の全ユーザー全メールボックスをバックアップするには、次のコマンドを使用します。
imsbackup -f device /partition/groupA
デフォルトのパーティションは primary です。
Messaging Server には backup-groups 設定ファイルを作成しなくても使用することができる、事前定義のバックアップグループが含まれています。これは user という名前のグループで、ここにはすべてのユーザーが含まれています。たとえば、次のコマンドで primary パーティションのすべてのユーザーがバックアップされます。
imsbackup -f backupfile /primary/user