MTA SMS チャネルは SMPP V3.4 と互換性のある SMPP サーバーで使用できます。この節では、設定例をわかりやすく示すために、MobileWay SMPP サーバーで使用する場合の SMS チャネルの設定方法を説明します。MobileWay (http://www.mobileway.com/) は、グローバルデータおよび SMS 接続の大手供給元です。MobileWay を介して SMS トラフィックをルーティングすることによって、世界中の主要な SMS ネットワーク上の SMS 加入者にアクセスできます。
MobileWay で SMPP アカウントを取得する際、次の質問に答えるように求められます。
SMPP クライアントの IP アドレス: インターネット上のほかのドメインから見えるとおりに Messaging Server システムの IP アドレスを入力します。
デフォルトの有効期間: これは、送信した SMS メッセージに有効期間が指定されていない場合に MobileWay で使用される SMS 有効期間です。この有効期間内に配信できない SMS メッセージは破棄されます。妥当な値を指定してください (2 日間、7 日間など)。
ウィンドウサイズ: これは、追加の SMS メッセージを送信する前に、SMPP クライアントが停止して SMPP サーバーからの応答を待つまでに送信する最大 SMS メッセージ数です。値として 1 メッセージを指定する必要があります。
タイムゾーン: Messaging Server システムが動作するタイムゾーンを指定します。タイムゾーンは、GMT からのオフセットで指定してください。
タイムアウト: 片方向 SMS メッセージングの場合は無関係です。
外部バインド要求用の IP アドレスおよび TCP ポート: 片方向 SMS メッセージングの場合は無関係です。
MobileWay に上記の質問に対する答えを指定すると、SMPP アカウントと SMPP サーバーとの通信に必要な情報が提供されます。次の情報が含まれます。
Account Address: a.b.c.d:p Account Login: system-id Account Passwd: secret |
Account Address フィールドは、IP アドレス a.b.c.d および接続先の MobileWay SMPP サーバーの TCP ポート番号 p です。「SMPP_SERVER」および 「SMPP_PORT」の各チャネルオプションにこれらの値を使用します。Account Login および Account Passwd は、それぞれ、「ESME_SYSTEM_ID」および 「ESME_PASSWORD」の各チャネルオプションに使用される値です。この情報を使用して、チャネルオプションファイルには次の内容を含めます。
SMPP_SERVER=a.b.c.d SMPP_PORT=p ESME_SYSTEM_ID=system-id ESME_PASSWORD=secret |
MobileWay と相互運用するには、さらに 2 つのオプションを設定する必要があります。
ESME_ADDRESS_TON=0x01 DEFAULT_DESTINATION_TON=0x01 |
imta.cnf ファイルで書き換えルールは次のように示されます。
sms.your-domain $u@sms.your-domain
imta.cnf ファイルでチャネル定義は次のように示されます。
sms_mobileway sms.your-domain |
チャネルオプションファイル、書き換えルール、およびチャネル定義の設定が完了すると、テストメッセージを送信できます。MobileWay では、次の形式の国際的なアドレス指定が必要です。
+<country-code><subscriber-number>
たとえば、テストメッセージを北アメリカの加入者 (加入者番号 (800) 555-1212) に送信するには、電子メールメッセージの宛先を次のように指定します。
+18005551212@sms.your-domain
チャネルをデバッグするには、チャネル定義で master_debug チャネルキーワードを指定します。たとえば、次のように指定します。
sms_mway port 55555 threaddepth 20 \ backoff pt2m pt5m pt10m pt30m notices 1 master_debug |
master_debug チャネルキーワードを指定すると、チャネルの動作についての基本的な診断情報がチャネルのログファイルに出力されます。チャネルによって実行された SMPP トランザクションの詳細な診断情報が必要な場合は、さらに次のことを指定します。
DEBUG=-1
この指定はチャネルのオプションファイルに行います。