「今すぐ設定」設定オプションを使用する場合、Java ES のインストーラは、インストール時に設定可能な、選択されたコンポーネントの設定ページを表示します。デフォルトの情報をそのまま使用することも、別の情報を入力することもできます。
次のコンポーネントは、Java ES インストーラでは設定できません。Calendar Server、Communications Express、Delegated Administrator、Directory Server Preparation Tool、Instant Messaging、Messaging Server、Service Registry、および Sun Cluster ソフトウェア。
「あとで設定」設定オプションを使用する場合、インストール中は、一般的なサーバー設定と、ポート設定がどのように機能するかを認識する以外の作業はほとんど必要ありません。インストールディレクトリおよびポートの割り当ての詳細は、第 3 章「デフォルトのインストールディレクトリとポート」を参照してください。
この章で示すコンポーネント別の表は、グラフィカルインストーラでの設定ページと同様にグループ分けされています。最初にコンポーネント別に、次に情報のタイプ別にグループ分けされています。設定情報の表には、「ラベルと状態ファイルのパラメータ」および「説明」という 2 つの列があります。「ラベルと状態ファイルのパラメータ」列には、次の情報が含まれます。
ラベル:グラフィカルインストーラで情報を識別するためのテキスト。これは、通常は入力フィールドに付けられたラベルです。
状態ファイルのパラメータ:サイレントインストール用の状態ファイルで情報を識別するためのキー。状態ファイルのパラメータは、大文字のモノスペースフォントで表示されます。
パラメータの使用方法を理解するには、『Sun Java Enterprise System 2005Q4 インストールガイド(UNIX 版)』の付録 C「状態ファイルの例」で示されている状態ファイルの例を検討するのがよい方法です。
インストールセッションの最後に、インストール中に設定された設定値がサマリーファイルに記録されます。このファイルをインストーラで表示したり、このファイルが保存されている次のディレクトリから表示することができます。
Solaris OS の場合: /var/sadm/install/logs
Linux の場合: /var/opt/sun/install/logs
デフォルト値は、インストーラのすべてのモードに適用されます。 ただし、サイレントモードで使用される状態ファイルの説明では別の値が示されます。
状態ファイルの値は、特に明記されていないかぎり大文字と小文字が区別されます。
インストールおよび設定時に、さまざまなタイプのドメイン、組織、および関連する設定情報の値を指定するように求められます。
DNS (Domain Name System)。DNS (Domain Name System) は、分散インターネットディレクトリサービスです。大抵の場合、DNS は、ドメイン名と IP アドレス間の変換および電子メールの配信を制御するために使用されます。
DNS ドメイン名。DNS ドメイン名は、ネットワーク上のサーバーのグループを識別します。ドメイン名の例: example.com、red.example.com
完全修飾ドメイン名 (FQDN: Fully Qualified Domain Name)。FQDN は、サーバー、ルーターなどのネットワークデバイス上に存在するネットワークインタフェースの TCP/IP アドレスに対応する、人間に解読可能な名前です。サーバーの FQDN には、ホスト名とドメイン名の両方が含まれます。サーバーの FQDN の例: myComputer.example.com
ホスト名。ホスト名は、ネットワーク上でサーバーを識別する一意の名前です。ホスト名は、サーバーのローカル名と組織のドメイン名の組み合わせで表現できます。これは、サーバーの FQDN でもあります。ドメインのコンテキスト内では、ホスト名をローカル名だけで表せます。これは、ローカル名がドメイン内部で一意でなければならないためです。ホスト名の例:
FQDN 表現: myComputer.red.example.com
ローカル名表現 (red.example.com ドメイン内で一意): myComputer
設定ディレクトリ。さまざまな管理ドメインの設定情報を格納する Directory Server のインスタンス。管理サーバーは、これらのドメインを管理する際に、設定ディレクトリにアクセスします。設定情報を保持するサブツリーのベースサフィックスは、常に o=NetscapeRoot になります。
ユーザー / グループディレクトリ。LDAP 階層内の組織情報を格納する Directory Server のインスタンス。通常、組織は、LDAP 階層内の DNS ドメイン名で表現されます。階層内の各組織には、人、組織単位、プリンタ、ドキュメントなどを表すエントリを含めることができます。
管理ドメイン。Directory Server 設定ディレクトリサーバー内で表現され、Sun Java System サーバーコンソールで管理されるサーバーのセット。通常、管理ドメインは、LDAP 階層内で DNS ドメイン名を使用して表現されますが、任意の名前を使用して、管理ドメインを構成するサーバーグループを表現できます。
電子メールドメイン。電子メールのルーティングに使用される DNS 内の一意のドメイン。組織の電子メールドメインには DNS ドメイン名を使用できますが、別のドメインを使用して電子メールをルーティングすることも可能です。例: DNS ドメイン: example.com 電子メールドメイン: sfbay.example.com (Sun の LDAP スキーマ 2 を使用する場合。電子メールドメインは、ユーザー / グループディレクトリ内で組織の属性として表現される)
認証ドメイン。Access Manager では、トラストサークルは認証ドメインとして実装されます。認証ドメインは DNS ドメインではありません。Access Manager では、認証ドメインは、アイデンティティーを連携する目的でグループ化されるエンティティーを表します。
組織 DN。ユーザー / グループディレクトリの LDAP 階層内の組織の一意名。通常、組織は、o、ou、または dc LDAP 属性を使用して、LDAP 階層内の DNS ドメイン名で表現されます。組織には、サブ組織を含めることができます。
ディレクトリマネージャー。UNIX のスーパーユーザーに相当する、権限のある Directory Server 管理者。デフォルトのディレクトリマネージャー DN は cn=Directory Manager ですが、これは変更可能です。インストールおよび設定時に、ディレクトリマネージャー DN およびパスワードを指定して、LDAP 設定を変更する必要があります。
この章の情報を参考にして、インストーラで要求される設定情報を入力するには、次のようにします。