Sun Java System Application Server Enterprise Edition 8.1 2005Q2 高可用性 (HA) 管理ガイド

ロードバランサプラグイン

ロードバランサプラグインは、HTTP および HTTPS 要求を受け付け、それをクラスタ内のアプリケーションサーバーインスタンスに転送します。ネットワーク障害のためにインスタンスが失敗して使用不可になるか、または応答しなくなると、ロードバランサは要求を既存の使用可能なマシンにリダイレクトします。ロードバランサはまた、失敗したインスタンスが復旧したことを認識し、それに応じて負荷を再配分することもできます。Application Server Enterprise Edition には、Sun Java System Web Server と Apache Web Server 用のロードバランサプラグイン、および Microsoft Internet Information Server が含まれています。

ロードバランサによって、ワークロードが複数の物理マシンに分散されるため、全体的なシステムスループットが向上します。HTTP 要求のフェイルオーバーを通して、より高い可用性も提供されます。HTTP セッションの情報を持続させるには、HTTP セッションの持続性を設定する必要があります。

状態を持たない単純なアプリケーションであれば、負荷分散されたクラスタで十分なこともあります。しかし、セッション状態を持ったミッションクリティカルなアプリケーションの場合は、負荷分散されたクラスタを HADB とともに使用します。

負荷分散に関わるサーバーインスタンスとクラスタは、同種の環境を確保しています。これは、通常、サーバーインスタンスが同じサーバー設定を参照し、同じ物理リソースにアクセスでき、さらに配備された同じアプリケーションを持っていることを意味します。この均質性によって、障害の前後に、ロードバランサが常に負荷を均等にクラスタ内のアクティブなインスタンスに分散することが保証されます。

負荷分散とフェイルオーバーの設定については、第 4 章「負荷分散とフェイルオーバーの設定」を参照してください。