この節では、Sun Directory Server Enterprise Edition 7.0 で加えられた動作変更について説明します。
Directory Server Enterprise Edition 製品の配置は次のように変更されました。
すべてのコマンドは、install-path/dsee7/bin に配置されました。
プラグインは、install-path/dsee7/lib に配置されました。
ファイルの場所の完全なリストについては、『Oracle Fusion Middleware Reference for Oracle Directory Server Enterprise Edition』の「Software Layout for Directory Server Enterprise Edition」を参照してください。
Directory Server 7.0 から、エクスポート処理 (dsadm export コマンド) は常に、エクスポートした LDIF ファイル内の最後のエントリとしてレプリカ更新ベクトル (RUV) を配置します。
Directory Server は Sun Microsystems プラグインのライブラリをソフトウェアがインストールされているパスからロードします。ライブラリは、LDIF に記載されているパスからはロードされなくなります。
新しいスレッドモデルにより、マルチコアマシンに対するインポートのパフォーマンスが向上しました。
インポートがマルチパスである場合、インデックスと一時ファイルを保持するのに十分なメモリーがあればインデックスのマージは並行して行われます。インデックスの並列マージによって、パフォーマンスが向上します。
検索操作によって、バイナリ転送を必要とする構文を持つ属性が返された場合、;binary 修飾子を属性名に付加します。RFC 4522 への準拠を無効にするには、compat-flag プロパティーを no-rfc4522 に設定します。
Oracle Directory Server Enterprise Edition 11g Release 1 (11.1.1) の新機能
LDAP の RFC 4511 では、「and」フィルタ選択は、そのすべての構成要素フィルタが TRUE と評価される場合に TRUE と評価されると述べられています。実際には、「and」フィルタ選択の結果は、単独で適用された個々の構成要素フィルタすべてに一致する一連のエントリです。
Directory Server の以前のバージョンでは、(&(attr>=v1)(attr<=v2)) という形式のフィルタは、v1...v2 の範囲の値を持つエントリとして解釈されていました。複数値属性の場合、エントリの値が両方の構成要素フィルタに一致しても、値自体は v1 より小さい場合や v2 より大きい場合もあるため、この解釈は限定的すぎます。
Directory Server では、compat-flag が no-rfc4511 に設定された場合を除き、デフォルトで RFC 4511 の動作が実装されるようになりました。
この節では、管理コマンドの動作変更について説明します。
dsadm および dpadm コマンドは、ローカルで実行しているサーバーを一覧表示および停止するために、新しい list-running-instances および stop-running-instances オプションを提供します。
dsadm および dpadm コマンドは、証明書を管理するための新しいオプションを提供します。--validity および --keysize オプションはdsadm(1M)およびdpadm(1M)で説明されています。
dsadm コマンドは、証明書を管理するための追加のオプションも提供しています。--sigalg、--phone、--email、および --dns オプションはdsadm(1M)で説明されています。
dpadm set-flags コマンドは 2 つの新しいフラグ jvm-path および server-umask をサポートします。これらについてはdpadm(1M)で説明されています。
Directory Server Enterprise Edition の以前のバージョンではいくつかのコマンドが利用できましたが、それらの機能はほかのコマンドによって提供されるようになりました。『Oracle Fusion Middleware Upgrade and Migration Guide for Oracle Directory Server Enterprise Edition』の「Command Line Changes」で説明しています。
いくつかのコマンドが Directory Server Enterprise Edition から削除されました。『Oracle Fusion Middleware Upgrade and Migration Guide for Oracle Directory Server Enterprise Edition』の「Command Line Changes」で説明しています。
バイナリバックアップでは、データベースの復旧を実行するバックアップファイルが変更され、バックアップトランザクションログがバックアップデータベースにフラッシュされます。バックアップをそのまま残すには、--flags no-recovery オプションを使用します。
インデックスの再生成はより効率的に実行されるようになり、最新のインポート手法や速度の向上を繰り返し使えるようになりました。
dsconf info コマンドは、設定変更のあとなどに、どの属性のインデックスを再生成する必要があるかを示します。
ルート DSE には、セキュリティーライブラリでサポートされている暗号の一覧が含まれています。リリース 7.0 では、ルート DSE には enabledSSLCiphers 属性での SSL ネゴシエーションに利用できる暗号も含まれていて、デフォルトでサポートされているすべての暗号のサブセットになっています。