Solaris ユーザーズガイド (上級編)

第 5 章 プロセスとディスク利用の管理

この章の内容は次のとおりです。

プロセスと PID

各コマンドを解釈したあと、システムは一意のプロセス識別番号 (PID) を持つ独立したプロセスを生成してコマンドを実行します。システムは PID を使って各プロセスの現在の状態を追跡します。

現在実行されているコマンドの表示 (ps)

現在実行されているプロセスを調べるには、ps コマンドを使います。ps コマンドでは、コマンドの入力後生成される、ユーザが所有する各プロセスのプロセス識別番号 (PID の下に表示される) が表示されます。また、プロセスが起動された 端末 (TTY)、現在までにプロセスが使った CPU 時間 (TIME)、プロセスが実行しているコマンド (COMMAND) などが表示されます。

ps コマンドに -l オプションを指定すると、実行中の各プロセスの情報 (S の下に示される各プロセスの状態など) が表示されます。プロセスの状態を示すコードは次のとおりです。

ps の実行中でも、個々のプロセスの状態は変化します。ps コマンドで取得できる情報はこのコマンドの実行時におけるスナップショットのため、その出力結果は、ps を入力した直後のほんのわずかの時間にしか適用できません。

ps(1) コマンドにはこの節で説明している以外に多数のオプションがあります。詳細については、『man pages section 1: User Commands』を参照してください。

プロセスの終了方法 (pkill)

ほとんどのウィンドウ環境には、プロセスを管理するツールが付属しています。ツールの使用方法については、それらのオンラインツールを参照してください。

不要になったコマンドプロセスの特定と終了には、pgrep コマンドと pkill コマンドを使用できます。これらのコマンドは、実行に時間のかかるプロセスを誤って開始した場合に便利です。

プロセスを終了するには、次の手順を実行します。

  1. pgrep コマンドを入力して終了したいプロセスの PID を検索します。

  2. PID を指定して pkill コマンドを入力します。

次に、特定の名前 (xterm) のプロセスをすべて見つけ、最後に開始された xterm プロセスを停止する方法を示します。


$ pgrep xterm

17818

17828

17758

18210

$ pkill -n 18210

$

あるプロセスを強制的に終了する必要がある場合は、pkill コマンドに -9 オプションを指定してください。


$ pkill -9 -n xterm

ディスク記憶容量の管理

ディスク領域は限られたリソースであるため、現在使用されている容量を認識しておくことが必要です。

ディスクの使用状況を表示する (df -k)

df -k コマンドを入力すると、システムにマウントされている (直接アクセスできる) 各ディスクの現在の使用容量が表示されます。システムにマウントされている各ディスクの全容量、未使用領域の容量、および使用中の領域の割合を調べる場合は、df -k コマンドを使用してください。


$ df -k

df -k コマンドの出力でファイルシステムの全容量の 90% 以上が使用中であることが判明した場合は、不要なファイルを削除してください。このためには、不要なファイルをディスクやテープに移動したり (cp でコピーしてから rm で削除する)、あるいはそれらのファイルを単に rm コマンドで削除したりします。この種のハウスキーピング処理は、自分が所有するファイルに対してだけ実行してください。

ディレクトリの使用状況を表示する (du)

du コマンドを使用すると、ディレクトリとそのサブディレクトリの使用状況を 512 バイト単位のブロック数で表示できます。

du コマンドは、各サブディレクトリ内でのディスク使用状況を表示します。ファイルシステム内のサブディレクトリの一覧を表示するには、そのファイルシステムに対応するパスに移動し、次のパイプラインを実行します。


$ du | sort -r -n

sort コマンドの reverse (-r) オプションと numeric (-n) オプションを使用したこのパイプラインにより、サイズの大きなディレクトリを見つけることができます。各ディレクトリにあるファイルの大きさ (バイト単位) と更新日付を調べるには、ls -l を実行します。古いファイルや 100 キロバイト以上のテキストファイルは、ディスク容量不足の原因となることがよくあります。