『Solaris のシステム管理 (IP サービス)』は、SolarisTM システム管理に関する重要な情報を提供する、7 巻構成のマニュアルの中の 1 巻です。このマニュアルでは、SunOSTM 5.9 オペレーティングシステムをすでにインストールし、使用するネットワークソフトウェアの設定が済んでいるものと想定しています。SunOS 5.9 オペレーティングシステムは Solaris 製品ファミリの一部であり、Solaris 共通デスクトップ環境 (CDE) などが含まれます。また、SunOS 5.9 は、AT&T System V リリース 4 オペレーティングシステムに準拠しています。
Solaris オペレーティング環境は、SPARCTM と x86 の 2 種類のハードウェア (プラットフォーム) 上で動作します。また、Solaris オペレーティング環境は、64 ビットと 32 ビットの両方のアドレス空間で動作します。このマニュアルで説明する情報は、章、節、注、箇条書き、図、表、例、またはコード例において特に明記しないかぎり、両方のプラットフォームおよびアドレス空間に該当します。
このマニュアルは、Solaris 9 リリースを実行するシステムの管理者を対象にしています。このマニュアルを使いこなすには、UNIX® のシステム管理について 1 〜 2 年の経験が必要です。UNIX システム管理のトレーニングコースに参加することも役に立ちます。
第 2 章「TCP/IP (概要)」では、TCP/IP とそのコンポーネントの概要について説明します。また、インターネットプロトコル群について紹介します。
第 3 章「TCP/IP ネットワークの計画 (手順)」では、TCP/IP ネットワークの計画方法について説明します。
第 4 章「TCP/IP の管理 (手順)」では、ネットワーク上の Solaris オペレーティング環境で TCP/IP を管理する方法について説明します。
第 5 章「TCP/IP (リファレンス)」では、ネットワークへの TCP/IP の実装に関するリファレンス情報を記載しています。
第 7 章「Solaris DHCP (概要)」では、DHCP とそのコンポーネントの概要について説明します。また、ネットワーク上の Solaris オペレーティング環境での DHCP の動作について説明します。
第 8 章「DHCP サービスの使用計画 (手順)」では、ネットワークに DHCP サービスを設定する前に必要な作業について説明します。
第 9 章「DHCP サービスの構成 (手順)」では、ネットワークで DHCP サービスを構成する方法について説明します。また、DHCP マネージャの使用手順について説明します。
第 10 章「DHCP の管理 (手順)」では、ネットワークで Solaris DHCP サービスを管理するために必要な作業について説明します。
第 11 章「DHCP の障害追跡 (リファレンス)」では、DHCP サーバーまたは DHCP クライアントを構成する際に発生する可能性がある問題点の解決に役立つ情報を提供します。
第 12 章「DHCP のファイルおよびコマンド (リファレンス)」では、ネットワーク上の DHCP サービスが使用するコマンドとファイルのリファレンス情報を記載しています。
第 14 章「IPv6 (概要)」では、IPv6 として知られる新しいインターネットプロトコルの概要について説明します。
第 15 章「IPv6 の管理 (手順)」では、IPv6 や IPv6 ルーターを有効にする方法、IPv6 アドレスを DNS、NIS、NIS+ 用に設定する方法、ルーター間のトンネルの作成方法、IPv6 対応したコマンドを使って診断する方法、IPv6 ネームサービス情報の表示方法について説明します。
第 16 章「IPv6 のファイルおよびコマンド (リファレンス)」では、IPv6 の Solaris 実装に伴う概念について説明します。
第 17 章「IPv4 から IPv6 への移行 (リファレンス)」では、IPv4 から IPv6 への移行方法と、標準的な解決法の概要について説明します。
第 19 章「IPsec (概要)」では、IP データグラムを保護する新しい IP セキュリティアーキテクチャーの概要について説明します。
第 20 章「IPsec の管理 (手順)」では、ネットワークに IPsec (IP セキュリティ) を実装する手順について説明します。
第 21 章「インターネットキー交換」では、IPsec で使用する IKE (インターネットキー交換) の実装について、その概要と手順を説明します。
第 23 章「モバイル IP (概要)」では、新しいモバイル IP サービスの概要について説明します。モバイル IP サービスは、ラップトップやワイヤレス通信など、モバイルコンピュータとの情報の送受信を有効にします。
第 24 章「モバイル IP の管理 (手順)」では、モバイル IP 構成ファイルのパラメータの変更、追加、削除、および表示の方法について説明します。また、モビリティエージェント状態の表示方法についても説明します。
第 25 章「モバイル IP のファイルおよびコマンド (リファレンス)」では、モバイル IP の Solaris 実装に付属しているコンポーネントについて説明します。
第 27 章「IP ネットワークマルチパス (概要)」では、新しい IP ネットワークマルチパスサービスの概要について説明します。IP ネットワークマルチパスサービスを使うと、同じ IP リンク (たとえば Ethernet) に接続された複数のネットワークインタフェースカードがある場合に負荷分散とフェイルオーバーの両機能を実現できます。
第 28 章「ネットワークマルチパスの管理 (手順)」では、インタフェースグループを作成および使用するための手順や、検査用 IP アドレス、hostname ファイル、マルチパス構成ファイルを構成するための手順について説明します。
用語集では、主要な IP サービス用語の定義を提供します。
『Solaris のシステム管理』全 7 巻の残りの 6 巻で解説される各トピックを以下に示します。
『Solaris のシステム管理 (資源管理とネットワークサービス)』の「システム資源の管理とネットワークサービス (概要)」
『Solaris のシステム管理 (資源管理とネットワークサービス)』の「リモートファイルシステムへのアクセス (トピック)」
『Solaris のシステム管理 (資源管理とネットワークサービス)』の「モデム関連ネットワークサービス (トピック)」
『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)』の「ネームサービスとディレクトリサービス (概要)」
『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)』の「ネームサービススイッチ (概要)」
『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)』の「ドメインネームシステム (概要)」
『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)』の「ネットワーク情報サービス (NIS) (概要)」
『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)』の「LDAP ネームサービスの紹介 (概要/リファレンス)」
『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)』の「NIS+ から LDAP への移行」
『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : FNS、NIS+ 編)』の「ネームサービススイッチ」
『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : FNS、NIS+ 編)』の「NIS+ の紹介」
『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : FNS、NIS+ 編)』の「フェデレーテッド・ネーミング・サービス (FNS)」
『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : FNS、NIS+ 編)』の「NIS から NIS+ への移行」
『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : FNS、NIS+ 編)』の「エラーメッセージ」
以下に、本書で参照している関連マニュアルおよび関連書籍を示します。
『The Whole Internet User's Guide and Catalog』、Krol, Ed. 著、 O' Reilly & Associates, Inc 発行.、1993 年
『TCP/IP Illustrated, Volume 1, The Protocols』、Stevens、W. Richard 著、Addison Wesley 発行、1994 年
『Mobile IP Design Principles and Practices』Perkins, Charles E. 著、Massachusetts、Addison-Wesley Publishing Company 発行、1998 年
『RFC 2002』、Internet Engineering Task Force (IETF) より。オンライン版は http://ietf.org/rfc.html
『Mobile IP: The Internet Unplugged』、Solomon、James D. 著、New Jersey、Prentice-Hall, Inc. 発行、1998 年
docs.sun.com では、Sun が提供しているオンラインマニュアルを参照することができます。マニュアルのタイトルや特定の主題などをキーワードとして、検索を行うこともできます。URL は、http://docs.sun.com です。
このマニュアルでは、次のような字体や記号を特別な意味を持つものとして使用します。
表 P–1 表記上の規則
字体または記号 |
意味 |
例 |
---|---|---|
AaBbCc123 |
コマンド名、ファイル名、ディレクトリ名、画面上のコンピュータ出力、コード例を示します。 |
.login ファイルを編集します。 ls -a を使用してすべてのファイルを表示します。 system% |
AaBbCc123 |
ユーザーが入力する文字を、画面上のコンピュータ出力と区別して示します。 |
system% su password: |
AaBbCc123 |
変数を示します。実際に使用する特定の名前または値で置き換えます。 |
ファイルを削除するには、rm filename と入力します。 |
『 』 |
参照する書名を示します。 |
『コードマネージャ・ユーザーズガイド』を参照してください。 |
「 」 |
参照する章、節、ボタンやメニュー名、強調する単語を示します。 |
第 5 章「衝突の回避」を参照してください。 この操作ができるのは、「スーパーユーザー」だけです。 |
\ |
枠で囲まれたコード例で、テキストがページ行幅を超える場合に、継続を示します。 |
sun% grep `^#define \ XV_VERSION_STRING' |
コード例は次のように表示されます。
[ ] は省略可能な項目を示します。上記の例は、filename は省略してもよいことを示しています。
| は区切り文字 (セパレータ) です。この文字で分割されている引数のうち 1 つだけを指定します。
キーボードのキー名は英文で、頭文字を大文字で示します (例: Shift キーを押します)。ただし、キーボードによっては Enter キーが Return キーの動作をします。
ダッシュ (-) は 2 つのキーを同時に押すことを示します。たとえば、Ctrl-D は Control キーを押したまま D キーを押すことを意味します。
このマニュアルでは、英語環境での画面イメージを使っています。このため、実際に日本語環境で表示される画面イメージとこのマニュアルで使っている画面イメージが異なる場合があります。本文中で画面イメージを説明する場合には、日本語のメニュー、ボタン名などの項目名と英語の項目名が、適宜併記されています。
このマニュアルでは、「x86」という用語は、Intel 32 ビット系列のマイクロプロセッサチップ、および AMD が提供する互換マイクロプロセッサチップを意味します。