in.iked デーモンを実行するシステムでは、そのデーモンを呼び出した後に ipsecinit.conf ファイルに追加したインタフェースに対する事前共有鍵を追加できます。この手順では、両方のシステムの /etc/hosts ファイルと /etc/inet/ipsecinit.conf ファイルに新しいインタフェースをすでに追加し、各システムに ipsecinit.conf ファイルをまだ読み込んでいないものとします。
リモートログインすると、セキュリティ上重要なトラフィックが盗聴される恐れがあります。何らかの方法でリモートログインを保護していても、システム全体のセキュリティがリモートログインセッションレベルに低下します。
in.iked デーモンがキー情報の変更を許可するかどうか確認します。
# /usr/sbin/ikeadm get priv Current privilege level is 0x2, access to keying material enabled |
コマンドから 0x1 または 0x2 の権限レベルが戻された場合には、キー情報を変更できます。レベル 0x0 の場合には、キー情報を操作できません。デフォルトでは、in.iked デーモンは 0x0 の権限レベルで実行されます。
in.iked デーモンを実行してキー情報を変更できないようにするには、そのデーモンを消去してから正確な権限レベルで開始します。
たとえば、次のように指定します。
# pkill in.iked # /usr/lib/inet/in.iked -p 2 Setting priv/usr/lib/inet/in.iked -pilege level to 2! |
ランダム鍵を生成してそれらのいずれか 1 つを選択します。
Solaris システムでは、od コマンドを使用できます。
# od -x </dev/random | head -2 0000000 2d86 b6f6 eb7a e8a9 3d83 58b2 cd17 4164 0000020 8be4 fea4 b456 933a 46dd 149a 0a10 b2e4 |
各システムで ikeadm コマンドを入力して、新しいキー情報を追加します。
たとえば、enigma システムではホスト nemesis 192.163.55.8 のキーを次のように追加します。
# ikeadm ikeadm> add preshared { localidtype ip localid 192.168.66.1 remoteidtype ip remoteid 192.163.55.8 ike_mode main key 2d86b6f6eb7ae8a93d8358b2cd174164 } ikeadm: Successfully created new preshared key. |
ホスト nemesis では、管理者は次のように同一の鍵を追加します。
# ikeadm ikeadm> add preshared { localidtype ip localid 192.163.55.8 remoteidtype ip remoteid 192.168.66.1 ike_mode main key 2d86b6f6eb7ae8a93d8358b2cd174164 } ikeadm: Successfully created new preshared key. |
Error: invalid preshared key definition というメッセージは、add preshared コマンドに入力ミスがあったか、パラメータが省略されたことを示しています。コマンドを正確に再入力して鍵を追加してください。
ikeadm コマンドモードを終了します。
ikeadm> exit # |
システムごとに、in.iked デーモンの権限レベルを低くします。
# ikeadm set priv base |
システムごとに、ipsecinit.conf ファイルを有効にして、追加したインタフェースを保護します。
# ipsecconf -a /etc/inet/ipsecinit.conf |
このコマンドの実行時には警告を読んでください。ソケットがすでに使用中 (ラッチされた) の場合には、システムへの背面ドアが保護されません。