dhcptags と inittab の違い
inittab ファイルには dhcptags ファイルよりも多くの情報が含まれ、その構文も異なります。
dhcptags のエントリの例は次の通りです。
33 StaticRt - IPList Static_Routes
33 は DHCP パケットで渡される数値コードです。StaticRt はオプション名であり、IPList は期待されるデータが IP アドレスのリストであることを示しています。Static_Routes はこのオプションを説明する名前です。
inittab ファイルは、これらのオプションを 1 行で表した複数のレコードから構成されています。形式は、dhcptab のシンボルを定義する形式と似ています。 次の表に、inittab の構文について説明します。
表 12–3 DHCP
inittab ファイルの構文
オプション
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説明
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option-name
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オプションの名前。オプション名は、そのオプションのカテゴリ内部で一意である必要がある。また、Standard、Site、Vendor のカテゴリにある、他のオプション名と重複できない。たとえば、同じ名前を持つ Site オプションを 2 つ持つことはできず、Standard のオプションと同じ名前の Site のオプションは作成できない
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category
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オプションが所属する名前空間を特定する。Standard、Site、Vendor、Field、または Internal の 1 つにする必要がある
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code
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オプションがネットワーク経由で送信されたときにそのオプションを特定する。多くの場合、カテゴリがなくてもコードはオプションを一意に特定する。ただし、Field や Internal のような内部カテゴリの場合は、コードが他の目的のために使用されていることがあるため、広域的に一意ではないことがある。コードは、オプションのカテゴリ内部では一意であることが必要で、Standard
と Site のフィールドにあるコードと重複することはできない
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type
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このオプションと関連するデータを記述する。有効なタイプには、IP, Ascii, Octet, Boolean, Unumber8, Unumber16, Unumber32, Unumber64, Snumber8, Snumber16, Snumber32, Snumber64 がある。 数値の場合、最初の U または S はその数値が符号付きか符合なしかを表し、終わりの数字はその数値のビット数を表す。タイプには、大文字小文字の区別はない
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granularity
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このオプションの値を構成するデータ単位数を記述する
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maximum
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このオプションに指定可能な値の個数を記述する。0 は、無限大の数を表す
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consumers
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この情報を使用できるプログラムを記述する。これには次の sdmi を指定する。
s – snoop
d – in.dhcpd
m – dhcpmgr
i – dhcpinfo
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inittab のエントリの例は、次の通りです。
StaticRt Standard, 33, IP, 2, 0, sdmi
このエントリは、StaticRt という名前のオプションを記述しています。このオプションは、Standard カテゴリにあり、オプションコード 33 です。データ型が IP、データ単位数が 2 個、指定可能な値の数が無限大 (0) であるため、無限個の IP アドレスの組を指定できることになります。このオプションを利用するのは sdmi: snoop、in.dhcpd、 dhcpmgr、dhcpinfo です。