Solaris のシステム管理 (IP サービス)

トンネル機構

移行時の依存状態を最小限に抑える目的から、2 つの IPv6 ノード間にあるすべてのルーターで IPv6 をサポートする必要がありません。この機構をトンネルといいます。基本的に IPv6 パケットは IPv4 パケット内部に組み込まれ、IPv4 ルーター間を転送されます。図 17–2 は、IPv4 を使用したルーター (R) 間のトンネル機構を示します。

図 17–2 トンネル機構

IPv4 を使用してルーター間をトンネルした IPv4 パケット内にどのように IPv6 パケットを置くかを示しています。

その他、移行時には次のようなトンネル機構の使用方法があります。

設定トンネルは、MBONE (IPv4 マルチキャストバックボーン) など現在はインターネットで他の目的に使用します。設定トンネルの作成手順からいうと、2 つのルー ターを設定して、その間に IPv4 ネットワーク経由の仮想ポイントツーポイントリンクを作成します。 近い将来インターネットのさまざまな局面にこの種のトンネルが利用されるでしょう。

自動トンネル

初期の実験的配置では、自動トンネルの使用可能範囲は限定されています。IPv6 ルーターがない場合、自動トンネルには IPv4 互換アドレスが必要であり、IPv6 ノードと接続できることが条件です。 自動トンネルネットワークインタフェースを設定すれば、トンネルの発信元はデュアルホストとデュアルルーターのどちらが発信元でも使用できます。終点は必ずデュアルホストになります。トンネルのはたらきにより、宛先 IPv4 アドレス (トンネルの終点) が IPv4 互換宛先アドレスから抽出されて動的に指定されます。