Solaris のシステム管理 (基本編)

第 17 章 リムーバブルメディアの管理 (概要)

この章では、Solaris 環境でリムーバブルメディアを管理するための一般的なガイドラインについて説明します。

この章の内容は以下のとおりです。

リムーバブルメディアの管理における新機能

ボリューム管理の機能が拡張されて、リムーバブルメディアが完全にサポートされるようになりました。この拡張により、DVD-ROM、Iomega と USB (Universal Serial Bus) の Zip ドライブと Jaz ドライブ、CD-ROM、およびフロッピーディスクは挿入時にマウントされ、読み取ることができるようになりました。

共通デスクトップ環境 (CDE) のボリューム管理と Solaris のコマンド行の両方を使用すると、リムーバブルメディアを完全に管理することができます。

ボリューム管理の機能の向上によって、次のことが可能になりました。

リムーバブルメディアを使用する場合、次のガイドラインがあります。

リムーバブルメディアの管理についての参照先

リムーバブルメディアを管理する手順については、次を参照してください。

リムーバブルメディアの管理作業 

参照先 

リムーバブルメディアへのアクセス 

第 18 章「リムーバブルメディアへのアクセス (手順)」

リムーバブルメディアのフォーマット 

第 19 章「リムーバブルメディアのフォーマット (手順)」

データ CD と音楽 CD の作成 

第 20 章「CD への書き込み (手順)」

共通デスクトップ環境のファイルマネージャでリムーバブルメディアを使用する方法については、『Solaris 共通デスクトップ環境 ユーザーズ・ガイド』を参照してください。

リムーバブルメディアの機能と利点

Solaris 環境には、ユーザーとソフトウェア開発者用に、リムーバブルメディアを扱うための標準インタフェースが用意されています。ボリューム管理と呼ばれるこのインタフェースには、主に次の 3 つの利点があります。

自動マウントと手動によるマウントの比較

次の表は、リムーバブルメディアの手動によるマウント (ボリューム管理を使用しない場合) と自動マウント (ボリューム管理を使用する場合) に関する手順を比較したものです。

表 17-1 手動によるマウントと自動マウントの比較

手順 

手動によるマウント 

自動マウント 

メディアを挿入する 

メディアを挿入する 

スーパーユーザーになる 

フロッピーディスクの場合は、volcheck コマンドを使用する

メディアデバイスの位置を確認する 

ボリュームマネージャ (vold) は、リムーバブルメディアを手動でマウントするのに必要な作業のほとんどを自動的に実行する

マウントポイントを作成する 

 

マウントポイントが現在のディレクトリではないことを確認する 

 

mount に適切なオプションを付けて、デバイスをマウントする

 

スーパーユーザーを終了する 

 

メディア上のファイルを操作する 

メディア上のファイルを操作する 

スーパーユーザーになる 

 

10 

メディアデバイスのマウントを解除する 

 

11 

メディアを取り出す 

メディアを取り出す 

12 

スーパーユーザーを終了する 

 

ボリューム管理を使って行える操作

ボリューム管理を使用すると、手動によるマウントの場合と同様にリムーバブルメディアにアクセスできますが、その操作ははるかに容易になり、スーパーユーザーになる必要もありません。リムーバブルメディアは、操作しやすいように、覚えやすい位置にマウントされます。

表 17-2 ボリュームマネージャによって管理されたリムーバブルメディア上のデータにアクセスする方法

アクセスするデータ 

操作 

ファイルを検索する場所 

最初のフロッピーディスク上のファイル 

フロッピーディスクを挿入して、volcheck と入力する

/floppy

最初のリムーバブルハードディスク上のファイル 

リムーバブルハードディスクを挿入して、volcheck と入力する

/rmdisk/jaz0 または /rmdisk/zip0

最初の CD 上のファイル 

CD を挿入して、数秒間待つ 

/cdrom/volume-name

最初の DVD 上のファイル 

DVD を挿入して、数秒間待つ 

/dvd/volume-name

最初の PCMCIA 上のファイル 

PCMCIA を挿入して、数秒間待つ 

/pcmem/pcmem0

システムに複数の種類のリムーバブルメディアデバイスがある場合は、そのアクセスポイントについて、次の表を参照してください。

表 17-3 リムーバブルメディアにアクセスする場所

リムーバブルメディアデバイス 

ファイルシステムにアクセスするためのパス  

raw データにアクセスするための場所 

最初のフロッピーディスクドライブ 

/floppy/floppy0

/vol/dev/aliases/floppy0

2 番目のフロッピーディスクドライブ 

/floppy/floppy1

/vol/dev/aliases/floppy1

最初の CD-ROM ドライブ 

/cdrom/cdrom0

/vol/dev/aliases/cdrom0

2 番目の CD-ROM ドライブ 

/cdrom/cdrom1

/vol/dev/aliases/cdrom1

最初のリムーバブルハードディスク 

/rmdisk/jaz0/rmdisk/jaz1

/rmdisk/zip0/rmdisk/zip1

/vol/dev/aliases/jaz0

/vol/dev/aliases/zip0

最初の PCMCIA ドライブ 

/pcmem/pcmem0

/vol/dev/aliases/pcmem0