Solaris のシステム管理 (基本編)

format のメニューとコマンドの説明

format のメインメニューは次のようになっています。


FORMAT MENU:
        disk       - select a disk
        type       - select (define) a disk type
        partition  - select (define) a partition table
        current    - describe the current disk
        format     - format and analyze the disk
        repair     - repair a defective sector
        label      - write label to the disk
        analyze    - surface analysis
        defect     - defect list management
        backup     - search for backup labels
        verify     - read and display labels
        save       - save new disk/partition definitions
        inquiry    - show vendor, product and revision
        volname    - set 8-character volume name
        quit
format> 

表 35-1 に、format のメインメニュー項目を示します。

表 35-1 format のメインメニュー項目の説明

項目 

コマンド / メニュー 

説明 

disk

コマンド 

システムのドライブをすべて表示する。後の操作で使用するディスクを選択することもできる。このディスクは、「現在のディスク」と呼ばれる。 

type

コマンド 

現在のディスクのメーカーとモデルを表示する。認識されているドライブタイプのリストも表示する。SCSI-2 対応ディスクドライブの場合は Auto configure オプションを選択する。

partition

メニュー 

スライスの作成および変更を行う。詳細は、partition メニュー」を参照。

current

コマンド 

現在のディスクに関する次の情報を表示する。 

  • デバイス名とデバイスタイプ

  • シリンダ数、代替シリンダ数、ヘッド数、セクター数

  • 物理デバイス名

format

コマンド 

次のいずれかの情報源をこの順番に使用して、現在のディスクをフォーマットする。 

  1. format.dat ファイル内の情報

  2. 自動構成プロセスからの情報

  3. format.dat エントリが見つからない場合、プロンプトに入力した情報

fdisk

メニュー 

IA プラットフォームのみ。fdisk プログラムを実行し、Solaris fdisk パーティションを作成する。

repair

コマンド 

現在のディスク上で特定のブロックを修復する。 

label

コマンド 

現在のディスクに新しいラベルを書き込む。 

analyze

メニュー 

読み取り、書き込み、比較テストを実行する。詳細は、analyze メニュー」を参照。

defect

メニュー 

欠陥リストを検索して出力する。詳細は、defect メニュー」 を参照。

backup

コマンド 

バックアップラベルを検索する。 

verify

コマンド 

現在のディスクに関する次の情報を出力する。 

  • デバイス名とデバイスタイプ

  • シリンダ数、代替シリンダ数、ヘッド数、セクター数

  • パーティションテーブル

save

コマンド 

新しいディスクとパーティションの情報を保存する。 

inquiry

コマンド 

現在のドライブのベンダ、製品名、リビジョンレベルが出力される (SCSI ディスクのみ)。 

volname

コマンド 

新しい 8 文字のボリューム名を使用してディスクラベルを作成する。 

quit

コマンド 

format メニューを終了する。

partition メニュー

partition メニューは次のようになっています。


format> partition
PARTITION MENU:
        0      - change `0' partition
        1      - change `1' partition
        2      - change `2' partition
        3      - change `3' partition
        4      - change `4' partition
        5      - change `5' partition
        6      - change `6' partition
        7      - change `7' partition
        select - select a predefined table
        modify - modify a predefined partition table
        name   - name the current table
        print  - display the current table
        label  - write partition map and label to the disk
        quit
partition> 

次の表に、partition メニューの項目を示します。

表 35-2 partition メニュー項目の説明

サブコマンド 

説明 

change ` n' partition

新しいスライスに次の情報を設定する。 

  • 識別タグ

  • アクセス権フラグ

  • 開始シリンダ

  • サイズ

select

事前定義されたスライステーブルを選択する。 

modify

スライステーブル内のすべてのスライスを変更可能にする。個々のスライスに対して change `x' partition コマンドを実行するよりも、このコマンドが使用されることが多い。

name

現在のスライステーブルの名前を指定する。 

print

現在のスライステーブルを表示する。 

label

スライスマップとラベルを現在のディスクに書き込む。 

quit

partition メニューを終了する。

IA: fdisk メニュー

IA システム上でのみ、次のような fdisk メニューが表示されます。


format> fdisk
             Total disk size is 1855 cylinders
             Cylinder size is 553 (512 byte) blocks
                                           Cylinders
      Partition   Status    Type      Start   End   Length    %
      =========   ======    ========  =====   ===   ======   ===
          1                 DOS-BIG       0   370     371     20
          2       Active    SOLARIS     370  1851    1482     80

SELECT ONE OF THE FOLLOWING:

     1.   Create a partition
     2.   Change Active (Boot from) partition
     3.   Delete a partition
     4.   Exit (Update disk configuration and exit)
     5.   Cancel (Exit without updating disk configuration)
Enter Selection: 

次の表に、fdisk メニューの項目を示します。

表 35-3 IA: fdisk メニュー項目の説明

メニュー項目 

説明 

Create a partition

fdisk パーティションを作成する。Solaris や DOS など、オペレーティングシステムごとに別々のパーティションを作成しなければならない。1 台のディスクの最大パーティション数は 4 である。fdisk のパーティションのサイズをパーセンテージで入力するように促すプロンプトが表示される。

Change Active partition

ブートに使用するパーティションを指定する。このメニュー項目により、第 1 段階のブートプログラムが第 2 段階のブートプログラムを検索する場所を指定する。 

Delete a partition

以前に作成したパーティションを削除する。このコマンドを実行すると、パーティション内のすべてのデータが失われる。 

Exit

新しいパーティションテーブルを書き込んで fdisk メニューを終了する。

Cancel

パーティションテーブルを変更せずに fdisk メニューを終了する。

analyze メニュー

analyze メニューは次のようになっています。


format> analyze

ANALYZE MENU:
    read     - read only test   (doesn't harm SunOS)
    refresh  - read then write  (doesn't harm data)
    test     - pattern testing  (doesn't harm data)
    write    - write then read      (corrupts data)
    compare  - write, read, compare (corrupts data)
    purge    - write, read, write   (corrupts data)
    verify   - write entire disk, then verify (corrupts data)
    print    - display data buffer
    setup    - set analysis parameters
    config   - show analysis parameters
    quit
analyze> 

次の表に、analyze メニューの項目を示します。

表 35-4 analyze メニュー項目の説明

サブコマンド 

説明 

read

現在のディスクの各セクターを読み込む。デフォルトで欠陥ブロックを修復する。 

refresh

データを損なわずに、現在のディスク上で読み込みおよび書き込みを実行する。デフォルトで欠陥ブロックを修復する。 

test

データを損なわずに一連のパターンをディスクに書き込む。デフォルトで欠陥ブロックを修復する。 

write

一連のパターンをディスクに書き込んでから、そのデータをディスクから読み込む。ディスク上の既存のデータは破壊される。デフォルトで欠陥ブロックを修復する。 

compare

ディスクに一連のパターンを書き込み、そのデータを読み込み、書き込みバッファー内のデータと比較する。ディスク上の既存のデータは破壊される。デフォルトで欠陥ブロックを修復する。 

purge

ディスク上のデータをすべて削除し、いかなる手段でも取り出せないようにする。ディスク全体 (またはディスクのセクション) に 3 種類のパターンを書き込むことにより、データを削除する。検査に合格すると16 進のビットパターンがディスク全体 (またはディスクのセクション) に上書きされる。 

デフォルトで欠陥ブロックを修復する。 

verify

1 度目にディスク全体の各ブロックに固有のデータを書き込む。2 度目にそのデータを読み込んで検査する。ディスク上の既存のデータは破壊される。デフォルトで欠陥ブロックを修復する。 

print

読み込み/書き込みバッファー内のデータを表示する。 

setup

次の解析パラメータを指定する。 

Analyze entire disk? yes
Starting block number: ドライブによって異なる
Ending block number: ドライブによって異なる
Loop continuously? no
Number of passes: 2
	Repair defective blocks? yes
Stop after first error? no
Use random bit patterns? no
Number of blocks per transfer: 126 (0/n/nn)
Verify media after formatting? yes
Enable extended messages? no
Restore defect list? yes
Restore disk label? yes

太字はデフォルトを示す。 

config

現在の解析パラメータを表示する。 

quit

analyze メニューを終了する。

defect メニュー

defect メニューは次のようになっています。


format> defect

DEFECT MENU:
        primary  - extract manufacturer's defect list
        grown    - extract manufacturer's and repaired defects lists
        both     - extract both primary and grown defects lists
        print    - display working list
        dump     - dump working list to file
        quit
defect> 

次の表に、defect メニューの項目を示します。

表 35-5 defect メニュー項目の説明

サブコマンド 

説明 

primary

メーカーの欠陥リストをディスクドライブから読み込み、メモリー内の欠陥リストを更新する。 

grown

増分の欠陥リスト(分析により検出された欠陥)を読み込んで、メモリー内の欠陥リストを更新する。 

both

メーカーの欠陥リストと増分の欠陥リストを読み込んで、メモリー内の欠陥リストを更新する。 

print

メモリー内の欠陥リストを表示する。 

dump

メモリー内の欠陥リストをファイルに保存する。 

quit

defect メニューを終了する。