Solaris のシステム管理 (基本編)

IA: ディスクスライス

IA システム上では、ディスクは fdisk パーティションに分割されます。fdisk パーティションは、Solaris など、特定のオペレーティングシステムで使用するように確保されたディスクの一部です。

次の表に示すように、Solaris は Solaris fdisk パーティション上に、0 から 9 までの番号が付いた 10 個のスライスを配置します。

表 31-3 IA: ディスクスライス

スライス 

ファイルシステム 

通常クライアントまたはサーバーのどちらにあるか  

種類 

ルート (/) 

両方 

オペレーティングシステムを構成するファイルとディレクトリを含む。 

スワップ 

両方 

仮想メモリー、つまり「スワップ空間」を提供する。スワップ空間は、実行中のプログラムが大きすぎてコンピュータのメモリーに入りきらないときに使用される。その場合、Solaris 環境では、プログラムがメモリーからディスクに「スワップ」され、必要に応じて戻される。 

両方 

慣例的に、このスライスは Solaris fdisk パーティション全体を表す。このスライスは、Sun の format ユーティリティと Solaris インストールプログラムによって自動的に定義される。このスライスのサイズは変更しないこと。

/export

サーバーのみ 

オペレーティングシステムの代替バージョンを含む。これらの代替バージョンは、サーバーとはアーキテクチャが異なるクライアントシステムに必要である。 

 

 

サイトの必要に応じて定義可能なスライス (任意)。 

 

両方 

サイトの必要に応じて定義可能なスライス (任意)。 

システムに追加されるアプリケーションソフトウェアを格納する。インストール時に、/opt ファイルシステムにスライスが割り当てられていなければ、スライス 0 に /opt ディレクトリが作成される。

/usr

両方 

オペレーティングシステムのコマンド (「実行可能」コマンドとも呼ぶ) を含む。また、このスライスには、マニュアル、システムプログラム (initsyslogd など)、ライブラリルーチンも含まれる。

/home または /export/home

両方 

ユーザーによって作成されるファイルを含む。 

両方 

Solaris がハードディスクからブートするために必要な情報を含む。このスライスのスライス番号は 8 であるが、Solaris fdisk パーティションの先頭に存在するため、ブートスライスと呼ばれる。

両方 

代替ディスクブロック用に予約された領域であり、代替セクタースライスと呼ばれる。