Solaris のシステム管理 (基本編)

CacheFS ファイルシステムのマウント方法 (mount)

  1. クライアントシステムでスーパーユーザーになります。

  2. 必要に応じて、マウントポイントを作成します。


    # mkdir /mount-point
    

    マウントポイントはどこからでも作成できますが、UFS ファイルシステムでなければなりません。次の手順のように、mount コマンドで CacheFS オプションを使用すると、作成するマウントポイントが指定したキャッシュディレクトリ内のキャッシュに書き込まれるように指定できます。

  3. ファイルシステムをキャッシュにマウントします。


    # mount -F cachefs -o backfstype=fstype,cachedir=/cache-directory[,options]
    /back-filesystem /mount-point
    

    fstype

    バックファイルシステムのファイルシステムタイプ (NFS または HSFS)

    /cache-directory

    キャッシュがある UFS ディレクトリの名前。これは、「キャッシュを作成する方法」でキャッシュを作成するときの指定と同じ

    options

    ファイルシステムをキャッシュにマウントするときに追加できる他のマウントオプション。CacheFS mount オプションの詳細は、mount_cachefs(1M) のマニュアルページを参照

    /back-filesystem

    キャッシュにマウントするバックファイルシステムのマウントポイント。バックファイルシステムが NFS ファイルシステムである場合は、ファイルシステムのマウント元となるサーバーのホスト名と、キャッシュにマウントするファイルシステム名 (コロンで区切る) を指定する必要がある (たとえば、merlin: data/abc)

    /mount-point

    ファイルシステムのマウント先となるディレクトリ 

  4. 作成したキャッシュが実際にマウントされたかどうかを確認します。


    # cachefsstat /mount-point 
    

    /mount-point は作成した CacheFS ファイルシステムです。

    たとえば、次のようになります。


    # cachefsstat /docs
    /docs
    	         cache hit rate:   100% (0 hits, 0 misses)
    	     consistency checks:      1 (1 pass, 0 fail)
    	               modifies:      0
    	     garbage collection:      0

    ファイルシステムがキャッシュにマウントされなかった場合は、次のようなエラーメッセージが表示されます。


    # cachefsstat /mount-point
    cachefsstat: mount-point: not a cachefs mountpoint

    cachefsstat コマンドの詳細は、「CacheFS の統計情報の収集」を参照してください。

例 - CacheFS ファイルシステムをマウントする (mount)

次の例は、NFS ファイルシステム merlin:/docs/docs という CacheFS ファイルシステムとして、/local/mycache というキャッシュにマウントする方法を示しています。


# mkdir /docs
# mount -F cachefs -o backfstype=nfs,cachedir=/local/mycache merlin:/docs /docs

次の例は、Solaris 9 SPARC CD (HSFS ファイルシステム) を /cfssrc という CacheFS ファイルシステムとして使用できるようにする方法を示しています。CD には書き込めないので、引数 ro を指定して CacheFS ファイルシステムを読み取り専用にします。この例では、vold を実行していないものとします。


# mount -F hsfs -o ro /dev/dsk/c0t6d0s0 /sol9
# mount -F cachefs -o backfstype=hsfs,cachedir=/cfs/cache,ro,noconst,
backpath=/sol9 /dev/dsk/c0t6d0s0 /cfssrc
# ls /cfssrc
Copyright  Solaris_9

次の例は、vold を実行しながら、Solaris 9 SPARC CD を CacheFS ファイルシステムとしてマウントする方法を示しています。


# mount -F cachefs -o backfstype=hsfs,cachedir=/cfs/cache,ro,noconst,
backpath=/cdrom/sol_9_sparc/s0 /vol/dev/dsk/c0t2d0/sol_9_sparc/s0 /cfssrc

次の例は、vold を実行しながら、CD を CacheFS ファイルシステムとしてマウントする方法を示しています。


# mount -F cachefs -o backfstype=hsfs,cachedir=/cfs/cache,ro,noconst,
backpath=/cdrom/epson /vol/dev/dsk/c0t2d0/epson /drvrs

次の例では、demandconst オプションを使用して、NFS CacheFS ファイルシステム /docs の整合性チェックを指定します。/docs のバックファイルシステムは merlin:/docs です。詳細は、「CacheFS ファイルシステムの整合性チェック」を参照してください。


# mount -F cachefs -o backfstype=nfs,cachedir=/local/mycache,demandconst merlin:/docs /docs