Solaris のシステム管理 (基本編)

リムーバブルメディアのハードウェア面での考慮事項

この節では、リムーバブルメディアのハードウェアの面で考慮すべき事項について説明します。

フロッピーディスクのハードウェア面での考慮事項

フロッピーディスクをフォーマットするときは、次のことに注意してください。

Solaris システムは、Solaris システム用と DOS システム用にフロッピーディスクをフォーマットできます。ただし、ハードウェアプラットフォームによっていくつかの制限があります。次の表に、これらの制限がまとめてあります。

プラットフォームの種類 

フロッピーディスクのフォーマット仕様 

SPARC システム 

UFS 用 

 

MS-DOS または NEC-DOS (PCFS) 用 

 

UDFS 用 

IA システム 

UFS 用 

 

MS-DOS または NEC-DOS (PCFS) 用 

 

UDFS 用 

UFS 用にフォーマットされたフロッピーディスクは、それらがフォーマットされたハードウェアプラットフォームに制限されます。つまり、SPARC システムでフォーマットされた UFS フロッピーディスクは、IA システム上の UFS には使用できません。IA システム上でフォーマットされたフロッピーディスクの場合も同様です。これは、SPARC と IA とでは UFS フォーマットが異なるためです。SPARC はリトルエンディアンによるビットコーディング、IA はビッグエンディアンによるビットコーディングを採用しています。

SunOS ファイルシステム用の完全な形式は、基本的な「ビット」形式と、SunOS ファイルシステムをサポートするための構造からなります。DOS ファイルシステム用の完全な形式は、基本的な「ビット」形式と、MS-DOS または NEC-DOS のどちらかのファイルシステムをサポートする構造からなります。フロッピーディスクを準備するために必要な手順は、ファイルシステムによって異なります。したがって、フロッピーディスクをフォーマットする前には、どの作業が必要かを決めてください。詳細については、「リムーバブルメディアのフォーマット (作業マップ)」を参照してください。

Solaris システム (SPARC または IA のどちらか) では、次の密度でフロッピーディスクをフォーマットできます。

フロッピーディスクのサイズ 

フロッピーディスクの密度 

容量 

3.5" 

高密度 (HD) 

1.44M バイト 

3.5" 

倍密度 (DD) 

720K バイト 

デフォルトで、フロッピーディスクドライブは、それに近い密度にフロッピーディスクをフォーマットします。つまり、デフォルトでは、1.44M バイトのドライブは、フロッピーディスクが実際に 1.44M バイトのフロッピーディスクかどうかに関係なく、特に指示しないかぎり、そのフロッピーディスクを 1.44M バイト用にフォーマットしようとします。言い換えれば、フロッピーディスクもドライブも、その容量以下にフォーマットすることは可能です。

PCMCIA メモリーカードのハードウェア面での考慮事項

Solaris システムは、Solaris システム用と DOS システム用に PCMCIA メモリーカードをフォーマットできます。ただし、ハードウェアプラットフォームによっていくつかの制限があります。次の表に、これらの制限がまとめてあります。

プラットフォームの種類 

PCMCIA メモリーカードのフォーマット仕様  

SPARC システム 

UFS 用 

 

MS-DOS または NEC-DOS (PCFS) 用 

IA システム 

UFS 用 

 

MS-DOS または NEC-DOS (PCFS) 用 

UFS 用にフォーマットされた PCMCIA メモリーカードは、それらがフォーマットされたハードウェアプラットフォームに制限されます。つまり、SPARC システムでフォーマットされた UFS PCMCIA メモリーカードは、IA システム上の UFS には使用できません。同様に、IA システムでフォーマットされた PCMCIA メモリーカードは SPARC システムでは使用できません。これは、SPARC と IA とでは UFS フォーマットが異なるためです。

UFS ファイルシステム用の完全な形式は、基本的な「ビット」形式と、UFS ファイルシステムをサポートする構造からなります。DOS ファイルシステム用の完全な形式は、基本的な「ビット」形式と、MS-DOS または NEC-DOS のどちらかのファイルシステムをサポートする構造からなります。PCMCIA メモリーカードを準備するために必要な手順はファイルシステムによって異なります。したがって、PCMCIA メモリーカードをフォーマットする前には、どの作業が必要かを決めてください。