Solaris のシステム管理 (上級編)

第 14 章 システム資源の管理 (概要)

この章では、Solaris 9 の新しい機能とシステム資源の管理に役立つ機能について概説します。

これらの機能を使用して、一般的なシステム情報を表示し、ディスク容量を監視し、ディスク割り当てを設定し、アカウンティングプログラムを使用し、crontabat コマンドをスケジュールして、日常的に使用するコマンドを自動的に実行することができます。

この節では、柔軟な方法でシステム資源の割り当て、監視、制御を可能にする Solaris の資源管理機能については言及しません。

Solaris 資源管理機能を使用しないでシステム資源を管理する手順については、「システム資源管理の概要 (作業マップ)」を参照してください。

Solaris 資源管理機能を使用したシステム資源の管理については、『Solaris のシステム管理 (資源管理とネットワークサービス)』の「Solaris 9 リソースマネージャの紹介」を参照してください。

システム資源管理の新機能

dfduls の新オプション

dfduls コマンドに、新しい -h オプションが加わり、ディスクの使用状況とファイルやファイルシステムのサイズを 1024 の累乗で表示します。このオプションは、ファイルやディレクトリのサイズが 1024 バイトを上回る場合に、ディスクの空き容量をキロバイト、メガバイト、ギガバイト、テラバイトで示すことによって、dfduls -l コマンドの出力の解釈をより簡単にします。

詳細については、df(1B)du(1)、および ls(1) を参照してください。

このガイドの詳細は、「ファイルとディスク容量の情報を表示する方法」を参照してください。

システムパラメータの変更

このマニュアルの前バージョンには、ユーザー 1 人あたりのプロセス数と共有メモリーのセグメントを増やすといった、システムパラメータの変更ついて記述されている節がありました。その節は削除されました。調整可能なシステムパラメータの変更については、『Solaris カーネルのチューンアップ・リファレンスマニュアル』を参照してください。

また、ネットワーク時間サーバーの設定については、『Solaris のシステム管理 (資源管理とネットワークサービス)』の「システムの時刻関連サービス」に移動しました。

Solaris 資源管理

Solaris 資源管理を使用すると、アプリケーションがシステム資源を利用する状況を制御できます。

また、拡張アカウンティング機能を設定して、タスクやプロセスごとのリソースの消費状況を監視したり記録することができます。

拡張アカウンティングでは、アカウンティングデータの一般グループをあらわす、新しい可変長の汎用アカウンティングファイル形式を導入しています。これによって、カーネルによってさまざまなアカウンティングファイルに記録される資源の利用率を設定することができます。

Solaris 資源管理機能には、次のものがあります。

デフォルトの新しいアカウンティング構成は管理を必要としません。ただし、拡張アカウンティング機能を使用しなくても、/etc/project ファイルを削除しないでください。 このファイルが存在しないと、ユーザーはシステムにログインできません。

このリリースで拡張されたアカウンティング機能についての詳細な情報は、次の表を参照してください。

Solaris 資源管理機能 

参照箇所 

拡張アカウンティングのオンとオフ 

『Solaris のシステム管理 (資源管理とネットワークサービス)』 の「拡張アカウンティング」および acctadm(1M) のマニュアルページ

プロジェクトデータベースの記述について

『Solaris のシステム管理 (資源管理とネットワークサービス)』の「プロジェクトとタスク」 および project(4) のマニュアルページ

拡張されたアカウンティング機能のデータの処理について 

libexacct(3LIB)getacct(2)putacct(2)、および wracct(2) のマニュアルページ

システム資源管理の概要 (作業マップ)

手順 

説明 

参照先 

システム情報の表示と変更 

さまざまなコマンドを使用して、一般的なシステム情報、日付と時間、システムのホスト名の変更など、システム情報を表示したり変更することができます。 

第 15 章「システム情報の表示と変更 (手順)」

ディスク使用状況の管理 

ディスク容量の使用状況を識別し、古い使用されていないファイルを削除します。 

第 16 章「ディスク使用の管理 (手順)」

割り当ての管理 

UFS ファイルシステム割り当てを使用して、どのくらいのディスク容量がユーザーによって使用されるのかを管理します。 

第 17 章「ディスク割り当て制限の管理 (手順)」

システムイベントのスケジュール 

cron および at ジョブを使用して、古い使用されていないファイルの整理などのスケジュールシステムの日常的な定型作業に役立てます。 

第 18 章「システムタスクのスケジュール設定 (手順)」

システムアカウンティングの管理 

システムアカウンティングを使用して、ユーザーとアプリケーションが使用するシステム資源を識別します。 

第 19 章「システムアカウンティングの設定と管理 (手順)」