Solaris のシステム管理 (上級編)

第 15 章 システム情報の表示と変更 (手順)

この章では、最も一般的なシステム情報を表示および変更するために必要な手順を示します。この章で説明する手順は次のとおりです。

システム情報の表示

表 15-1 に、一般的なシステム情報を表示するためのコマンドを示します。

表 15-1 システム情報を表示するためのコマンド

コマンド 

マニュアルページ 

表示されるシステム情報 

psrinfo

psrinfo(1M)

プロセッサタイプ 

isainfo

isainfo(1)

サポートされるアプリケーション、および動作しているシステムのネイティブアプリケーションによってサポートされるビット数。ビット数は、トークンとしてスクリプトに渡すことができる 

showrev

showrev(1M)

ホスト名、ホスト ID、リリース、カーネルアーキテクチャ、アプリケーションアーキテクチャ、ハードウェアプロバイダ、ドメイン、およびカーネルのバージョン  

uname

uname(1)

オペレーティングシステム名、リリース、バージョン、 ノード名、ハードウェア名、プロセッサタイプ 

hostid

hostid(1)

ホスト ID 

prtconf

prtconf(1M)

インストールされているメモリー量 

date

date(1)

日付と時刻 

システムが 64 ビット Solaris オペレーティング環境を実行できるか調べる方法

現在、64 ビット Solaris オペレーティング環境をサポートするプラットフォームは UltraSPARC システムだけです。システムが UltraSPARC システムかどうかを確認するには、次のコマンドを使用します。


$ uname -m
sun4u

uname -m コマンドの出力が sun4u の場合、そのマシンは UltraSPARC システムです。

Solaris 9 リリースを実行している場合は、psrinfo コマンドを使用することによって、そのマシンが UltraSPARC システムであることを確認できます。


# psrinfo -v 		
Status of processor 0 as of: 05/30/01 13:48:46
  Processor has been on-line since 05/18/01 10:02:40.
  The sparcv9 processor operates at 333 MHz,
        and has a sparcv9 floating point processor.

プロセッサタイプが sparcv9 であれば、そのプラットフォームで 64 ビット Solaris オペレーティング環境が実行できます。以前のバージョンの psrinfo コマンドでは、すべてのプラットフォームがプロセッサタイプ sparc として報告されるため、この検査は機能しません。

64 ビット Solaris 機能が有効になっているか調べる方法

システムで 64 ビット Solaris 機能が有効になっているか調べるには isainfo コマンドが使用できます。有効になっていれば、システムは 64 ビットカーネルでブートされています。

例- 64 ビット Solaris 機能が有効になっているか調べる

32 ビットカーネルを実行している UltraSPARC システムの出力は、次のようになります。


$ isainfo -v
32-bit sparc applications

この出力は、システムが 32 ビットアプリケーションだけをサポートすることを示します。

64 ビットカーネルを実行している UltraSPARC システムの出力は、次のようになります。


 $ isainfo -v
64-bit sparcv9 applications 
32-bit sparc applications

この出力は、システムが 32 ビットと 64 ビットのアプリケーションを両方サポートすることを示しています。

動作しているシステムのネイティブアプリケーションによってサポートされるビット数を表示するには、isainfo -b コマンドを使用します。

32 ビット Solaris オペレーティング環境が動作する SPARC、IA、UltraSPARC システムは、次のように表示されます。


$ isainfo -b
32  

64 ビット Solaris オペレーティング環境が動作する 64 ビット UltraSPARC システムは、次のように表示されます。


$ isainfo -b
64

コマンドは 64 だけを返します。64 ビット UltraSPARC システムでは 32 ビットと 64 ビットのアプリケーションが両方動作しますが、64 ビットシステムで実行するには 64 ビットアプリケーションが最適です。

システムとソフトウェアのリリース情報を表示する方法

システム情報とソフトウェアリリース情報を表示するには、showrev コマンドを使用します。


$ showrev [-a]

-a オプションは、提供可能なあらゆるシステム情報を表示します。

例 - システムとソフトウェアのリリース情報を表示する

次の例は、showrev コマンドの出力を示します。


$ showrev -a
Hostname: starbug
Hostid: nnnnnnnn
Release: 5.9
Kernel architecture: sun4u
Application architecture: sparc
Hardware provider: Sun_Microsystems
Domain: solar.com
Kernel version: SunOS 5.9 May 2002

OpenWindows version: 
X11 Version 6.4.2 11 April 2001

No patches are installed
$ 

一般的なシステム情報を表示する方法

システム情報を表示するには、uname コマンドを使用します。


$ uname[-a] 

-a オプションは、オペレーティングシステム名とともに、システムノード名、オペレーティングシステムのリリース、オペレーティングシステムのバージョン、ハードウェア名、プロセッサタイプを表示する

例 - 一般的なシステム情報を表示する

次の例は、uname コマンドの出力を示します。


$ uname
SunOS
$ uname -a
SunOS starbug 5.9 Generic sun4u sparc SUNW,Ultra-5_10
$

システムのホスト ID を表示する方法

ホスト ID を 16 進形式で表示するには、hostid コマンドを使用します。


$ hostid

例 - システムのホスト ID を表示する

次の例は、hostid コマンドの出力を示します。


$ hostid
80a5d34c

システムにインストールされているメモリーを表示する方法

システムにインストールされているメモリー量を表示するには、prtconf コマンドを使用します。


$ prtconf [| grep Memory]

grep Memory コマンドは prtconf コマンドの出力内容を選別して、メモリー情報だけを表示します。

例 - システムにインストールされているメモリーを表示する

次の例は、prtconf コマンドの出力例を示します。


# prtconf | grep Memory
Memory size: 128 Megabytes

日付と時刻を表示する方法

システムクロックに従った現在の日付と時刻を表示するには、date コマンドを使用します。


$ date

例 - 日付と時刻を表示する

次の例は、date コマンドの出力例を示します。


$ date
Thu May 31 17:44:58 MDT 2001
$

システム情報の変更

この節では、一般的なシステム情報を変更するコマンドを説明します。

システムの日付と時刻を手作業で設定する方法

  1. スーパーユーザーになります。

  2. 次のように新しい日付と時刻を入力します。


    # date mmddHHMM[[cc]yy]
    

    mm

    月。2 桁を使用 

    dd

    日。2 桁を使用 

    HH

    時。2 桁で 24 時間制を使用 

    MM

    分。2 桁を使用 

    cc

    世紀。2 桁を使用 

    yy

    年。2 桁を使用 

    詳細は、date(1) のマニュアルページを参照してください。

  3. オプションを付けないで date コマンドを使用し、システム日付が正しく設定されたことを確認します。

例 - システムの日付と時刻を手作業で設定する

次の例は、date コマンドを使用して手作業でシステムの日付と時刻を設定する方法を示します。


# date
Thu Jun 21 13:59:15 MDT 2001
# date 0621141001
Thu Jun 21 14:10:00 MDT 2001

その日のメッセージを設定する方法

その日のメッセージファイル /etc/motd を編集して、システムの全ユーザーに対して、ログイン時に通知または問い合わせる内容を書き込みます。ただし、この機能を使用するときは、必要なメッセージだけを送るようにします。メッセージファイルは定期的に編集して、不用になったメッセージを削除することをお勧めします。

  1. スーパーユーザーになります。

  2. エディタを使って /etc/motd ファイルを開き、必要なメッセージを追加します。

    テキストを編集して、ユーザーのログイン時に表示されるメッセージを記述します。スペース、タブ、リターンも入れてください。

  3. /etc/motd ファイルの内容を表示して、変更内容を確認します。


    $ cat /etc/motd
    Welcome to the UNIX Universe. Have a nice day.

例 - その日のメッセージを設定する

Solaris ソフトウェアのインストール時に、デフォルトのその日のメッセージが設定されます。メッセージの内容は次のような SunOS バージョン情報です。


$ cat /etc/motd
Sun Microsystems Inc.   SunOS 5.9       Generic  May 2002

次の例は、編集後の /etc/motd ファイルの内容を示します。このファイルは、ログインする各ユーザーに対してシステムの利用度に関する情報を提供します。


$ cat /etc/motd
The system will be down from 7:00 a.m to 2:00 p.m. on
Saturday, July 7, for upgrades and maintenance.
Do not try to access the system during those hours.
Thank you.

システムのホスト名の変更方法

システムのホスト名は、複数の異なる場所に指定します。

ネームサービスデータベースを更新して、新しいホスト名を反映させる必要があることを覚えておいてください。

  1. スーパーユーザーになります。

  2. 次のファイルでシステムのホスト名を変更します。

    • /etc/nodename

    • /etc/hostname.xxy

    • /etc/inet/hosts

    • /etc/net/ticlts/hosts

    • /etc/net/ticots/hosts

    • /etc/net/ticotsord/hosts

  3. (省略可能) ネームサービスを使用している場合は、host ファイルでシステムのホスト名を変更します。

  4. システムをリブートして、新しいホスト名を起動します。


    # init 6