この章では、vmstat、iostat、df、または sar コマンドを使用してシステムパフォーマンスを監視する手順について説明します。この章で説明する手順は次のとおりです。
vmstat コマンドには、faults-in 列によるすべてのシステム割り込みが追加されています。
従来の Solaris リリースでは、この列でクロックデバイスの割り込みが報告されませんでした。
詳細については、vmstat(1M) のマニュアルページを参照してください。
vmstat コマンドを使用すると、仮想メモリーの統計情報と、CPU の負荷、ページング、コンテキスト切替え数、デバイス割り込み、システムコールなどのシステムイベントに関する情報を表示できます。また、vmstat コマンドを使用すると、スワップ、キャッシュフラッシュ、および割り込みに関する統計情報も表示できます。
表 24-1 vmstat コマンドからの出力
項目 |
フィールド名 |
説明 |
---|---|---|
procs |
|
次の状態を報告する |
|
r |
ディスパッチ待ち行列内のカーネルスレッド数 |
|
b |
資源を待機中のブロックされたカーネルスレッド数 |
|
w |
資源処理の完了を待機中のスワップアウトされた軽量プロセス数 |
memory |
|
実メモリーと仮想メモリーの使用状況を表示する |
|
swap |
使用可能なスワップ空間 |
|
free |
空きリストのサイズ |
page |
|
ページフォルトとページング動作を 1 秒当りの単位数として表示する |
|
re |
回収されたページ数 |
|
mf |
軽度のフォルトと重大なフォルト |
|
pi |
ページインされたキロバイト数 |
|
po |
ページアウトされたキロバイト数 |
|
fr |
解放されたキロバイト数 |
|
de |
最後にスワップインされたプロセスに必要だと予想されるメモリー |
|
sr |
ページデーモンによって走査されたページ数 (現在は使用されていない)。sr が 0 以外の値であれば、ページデーモンは実行されている |
disk |
|
最高 4 台のディスク上のデータを示す、1 秒当りのディスク処理数を表示する |
faults |
|
トラップ/割り込み率 (1 秒当り) を表示する |
|
in |
1 秒当りの割り込み数 |
|
sy |
1 秒当りのシステムコール数 |
|
cs |
CPU のコンテキスト切替え率 |
cpu |
|
CPU 時間の使用状況を表示する |
|
us |
ユーザー時間 |
|
sy |
システム時間 |
|
id |
このコマンドの詳細については、vmstat(1M) のマニュアルページを参照してください。
秒単位で時間間隔を指定して vmstat コマンドを使用すると、仮想メモリーの統計情報が収集されます。
$ vmstat n |
n は、報告間隔を秒単位で表した時間間隔です。
次の例に、5 秒間隔で収集された統計情報に関する vmstat の表示を示します。
$ vmstat 5 procs memory page disk faults cpu r b w swap free re mf pi po fr de sr f0 s3 -- -- in sy cs us sy id 0 0 8 28312 668 0 9 2 0 1 0 0 0 1 0 0 10 61 82 1 2 97 0 0 3 31940 248 0 10 20 0 26 0 27 0 4 0 0 53 189 191 6 6 88 0 0 3 32080 288 3 19 49 6 26 0 15 0 9 0 0 75 415 277 6 15 79 0 0 3 32080 256 0 26 20 6 21 0 12 1 6 0 0 163 110 138 1 3 96 0 1 3 32060 256 3 45 52 28 61 0 27 5 12 0 0 195 191 223 7 11 82 0 0 3 32056 260 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 4 52 84 0 1 99 |
vmstat -s コマンドを実行すると、システムを前回ブートした後に発生した各種システムイベントの合計が表示されます。
$ vmstat -s 0 swap ins 0 swap outs 0 pages swapped in 0 pages swapped out 392182 total address trans. faults taken 20419 page ins 923 page outs 30072 pages paged in 9194 pages paged out 65167 total reclaims 65157 reclaims from free list 0 micro (hat) faults 392182 minor (as) faults 19383 major faults 85775 copy-on-write faults 66637 zero fill page faults 46309 pages examined by the clock daemon 6 revolutions of the clock hand 15578 pages freed by the clock daemon 4398 forks 352 vforks 4267 execs 12926285 cpu context switches 109029866 device interrupts 499296 traps 22461261 system calls 778068 total name lookups (cache hits 97%) 18739 user cpu 34662 system cpu 52051435 idle cpu 25252 wait cpu |
vmstat -S を実行すると、スワップの統計情報が表示されます。
$ vmstat -S procs memory page disk faults cpu r b w swap free si so pi po fr de sr f0 s0 s6 -- in sy cs us sy id 0 0 0 200968 17936 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 109 43 24 0 0 100 |
スワッピング統計情報を次の表に示します。その他のフィールドの説明については、表 24-1 を参照してください。
表 24-2 vmstat -S コマンドからの出力
フィールド名 |
説明 |
---|---|
si |
1 秒当りにスワップされた平均軽量プロセス数 |
so |
スワップアウトされた全プロセス数 |
vmstat コマンドは、これらの両フィールドを出力しません。スワップ統計情報の詳細情報を表示するには、sar コマンドを使用してください。
vmstat -c を実行すると、仮想キャッシュのキャッシュフラッシュ統計情報が表示されます。
$ vmstat -c usr ctx rgn seg pag par 0 60714 5 134584 4486560 4718054 |
出力には、今回のブート後に発生したキャッシュフラッシュの合計数が表示されます。キャッシュタイプを次の表に示します。
表 24-3 vmstat -c コマンドからの出力
キャッシュ名 |
キャッシュタイプ |
---|---|
usr |
ユーザー |
ctx |
コンテキスト |
rgn |
領域 |
seg |
セグメント |
pag |
ページ |
par |
ページの一部 |
vmstat -i コマンドを実行すると、デバイス当りの割り込み数が表示されます。
$ vmstat -i |
次の例は、vmstat -i コマンドからの出力を示します。
$ vmstat -i interrupt total rate -------------------------------- clock 52163269 100 esp0 2600077 4 zsc0 25341 0 zsc1 48917 0 cgsixc0 459 0 lec0 400882 0 fdc0 14 0 bppc0 0 0 audiocs0 0 0 -------------------------------- Total 55238959 105 |
iostat コマンドを使用すると、ディスクの入出力に関する統計情報を表示し、スループット、使用率、待ち行列の長さ、トランザクション率、サービス時間の計測結果を表示できます。このコマンドの詳細は、iostat(1M) のマニュアルページを参照してください。
秒単位で時間間隔を指定して iostat コマンドを使用すると、ディスクの使用状況が表示されます。
$ iostat 5 tty fd0 sd3 nfs1 nfs31 cpu tin tout kps tps serv kps tps serv kps tps serv kps tps serv us sy wt id 0 1 0 0 410 3 0 29 0 0 9 3 0 47 4 2 0 94 |
出力の 1 行目は、今回のブート以降の統計情報を示します。2 行目以降は、時間間隔ごとの統計情報を示します。デフォルトでは、端末 (tty)、ディスク (fd と sd)、CPU (cpu) の統計情報が表示されます。
次の表に iostat コマンド出力内のフィールドを示します。
表 24-4 iostat n コマンドからの出力
デバイスの種類 |
フィールド名 |
説明 |
---|---|---|
端末 |
|
|
|
tin |
端末の入力待ち行列内の文字数 |
|
tout |
端末の出力待ち行列内の文字数 |
ディスク |
|
|
|
bps |
1 秒当りのブロック数 |
|
tps |
1 秒当りのトランザクション数 |
|
serv |
ミリ秒単位で表した平均サービス時間 |
CPU |
|
|
|
us |
ユーザーモード |
|
sy |
システムモード |
|
wt |
入出力待機中 |
|
id |
アイドル状態 |
次の例は、5 秒間隔で収集されるディスク統計情報を示します。
$ iostat 5 tty sd0 sd6 nfs1 nfs49 cpu tin tout kps tps serv kps tps serv kps tps serv kps tps serv us sy wt id 0 0 1 0 49 0 0 0 0 0 0 0 0 15 0 0 0 100 0 47 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 100 0 16 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 100 0 16 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 100 0 16 44 6 132 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 99 0 16 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 100 0 16 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 100 0 16 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 100 0 16 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 100 0 16 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 100 0 16 3 1 23 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 99 0 16 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 100 0 16 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 100 0 16 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 100 |
iostat -xtc コマンドを実行すると、拡張ディスク統計情報が表示されます。
$ iostat -xtc extended device statistics tty cpu device r/s w/s kr/s kw/s wait actv svc_t %w %b tin tout us sy wt id fd0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0 0 0 0 0 100 sd0 0.0 0.0 0.4 0.4 0.0 0.0 49.5 0 0 sd6 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 nfs1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 nfs49 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 15.1 0 0 nfs53 0.0 0.0 0.4 0.0 0.0 0.0 24.5 0 0 nfs54 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 6.3 0 0 nfs55 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 4.9 0 0 |
iostat -xtc コマンドを使用すると、ディスクごとに 1 行ずつ出力が表示されます。出力フィールドを次の表に示します。
表 24-5 iostat -xtc コマンドからの出力
フィールド名 |
説明 |
---|---|
r/s |
1 秒当りの読み取り数 |
w/s |
1 秒当りの書き込み数 |
kr/s |
1 秒当りの読み取りキロバイト数 |
kw/s |
1 秒当りの書き込みキロバイト数 |
wait |
サービス (待ち行列の長さ) を待機中の平均トランザクション数 |
actv |
サービス中の平均トランザクション数 |
svc_t |
ミリ秒単位で表した平均サービス時間 |
%w |
待ち行列が空でない時間の割合 |
%b |
ディスクがビジーである時間の割合 |
df コマンドを使用すると、マウントされている各ディスク上の空きディスク容量が表示されます。レポート用の統計情報では使用可能容量の合計の内先頭に 10% の空き容量を残しておくので、df から報告される「使用可能」ディスク容量は全容量の 90% のみに相当します。この先頭の空き容量は、パフォーマンスを高めるために常に空になっています。
実際に df コマンドからレポートされるディスク容量の割合は、使用済み容量を使用可能容量で割った値です。
ファイルシステムの容量が 90% を超える場合は、cp コマンドを使用して空いているディスクにファイルを転送するか、tar または cpio コマンドを使用してテープに転送できます。または、ファイルを削除できます。
このコマンドの詳細については、df(1M) のマニュアルページを参照してください。
df -k コマンドを使用すると、ディスク容量情報がキロバイト単位で表示されます。
$ df -k Filesystem kbytes used avail capacity Mounted on /dev/dsk/c0t3d0s0 192807 40231 133296 24% / |
フィールド名 |
説明 |
---|---|
kbytes |
ファイルシステム内の使用可能容量の合計 |
used |
使用されている容量 |
avail |
使用可能容量 |
capacity |
使用されている容量が全容量に占める割合 |
mounted on |
マウントポイント |
$ df -k Filesystem kbytes used avail capacity Mounted on /dev/dsk/c0t0d0s0 384120 131596 214112 39% / /dev/dsk/c0t0d0s6 1388419 1050390 282493 79% /usr /proc 0 0 0 0% /proc mnttab 0 0 0 0% /etc/mnttab fd 0 0 0 0% /dev/fd swap 467152 40 467112 1% /var/run swap 467160 48 467112 1% /tmp /dev/dsk/c0t0d0s4 1784644 1525360 205745 89% /export venus:/usr/dist 20612581 13237316 6963015 66% /usr/dist |
システム動作についてのデータを編成し表示する
特殊な要求に基づいて、システム動作データにアクセスする
システムパフォーマンスを測定および監視するレポートを自動的に生成する。また、特定のパフォーマンス障害を正確に突き止めるための、特殊な要求レポートも生成する。これらのツールについては、「システム動作データの自動収集 (sar)」を参照
このコマンドの詳細は、sar(1) のマニュアルページを参照してください。
sar -a コマンドを使用すると、ファイルアクセス操作の統計情報が表示されます。
$ sar -a SunOS venus 5.9 Generic sun4u 06/24/2001 00:00:00 iget/s namei/s dirbk/s 01:00:00 0 0 0 02:00:02 0 0 0 03:00:00 0 1 0 04:00:00 0 0 0 05:00:01 0 0 0 06:00:00 0 0 0 Average 0 1 0 |
次の表に、sar -a コマンドによってレポートされるオペレーティングシステムのルーチンを示します。
表 24-7 sar -a コマンドからの出力
フィールド名 |
説明 |
---|---|
iget/s |
ディレクトリ名検索キャッシュ (DNLC) 内に入っていない i ノードに対して出された要求数 |
namei/s |
1 秒当りのファイルシステムパスの検索数。namei で DNLC 内にディレクトリ名が見つからない場合は、iget が呼び出され、ファイルまたはディレクトリの i ノードが取得される。したがって、ほとんどの igets は DNLC が欠落した結果である |
dirbk/s |
1 秒間に実行されたディレクトリブロックの読み取り回数 |
表示される値が大きいほど、カーネルはユーザーファイルへのアクセスに長い時間を費やしています。この時間には、プログラムとアプリケーションによるファイルシステムの使用量が反映されます。-a オプションを使用すると、アプリケーションのディスク依存度を表示できるので便利です。
sar -b コマンドを使用すると、バッファー動作の統計情報が表示されます。
バッファーは、i ノード、シリンダグループブロック、間接ブロックなどのメタデータをキャッシュするために使用されます。
$ sar -b 00:00:00 bread/s lread/s %rcache bwrit/s lwrit/s %wcache pread/s pwrit/s 01:00:00 0 0 100 0 0 55 0 0 |
次の表は、-b オプションを指定したときに表示されるバッファー動作を示します。
表 24-8 sar -b コマンドからの出力
フィールド名 |
説明 |
---|---|
bread/s |
ディスクからバッファーキャッシュに投入された 1 秒当りの平均読み取り数 |
lread/s |
バッファーキャッシュからの 1 秒当りの平均論理読み取り数 |
%rcache |
バッファーキャッシュ内で見つかった論理読み込み数の小数部 (lread/s に対する bread/s の比を 100% から差し引いた値) |
bwrit/s |
バッファーキャッシュからディスクに書き込まれた 1 秒当りの平均物理ブロック数 (512 ブロック) |
lwrit/s |
バッファーキャッシュへの 1 秒当りの平均論理書き込み数 |
%wcache |
バッファーキャッシュ内で見つかった論理書き込み数の小数部 (lwrit/s に対する bwrit/s の比を 100% から差し引いた値) |
pread/s |
キャラクタ型デバイスインタフェースを使用する 1 秒当りの平均物理読み取り数 |
pwrit/s |
キャラクタ型デバイスインタフェースを使用する 1 秒当りの平均物理書き込み要求数 |
最も重要なエントリは、キャッシュヒット率 %rcache と %wcache です。この 2 つのエントリは、システムバッファーリングの効率を測定します。%rcache が 90% 未満の場合や、%wcache が 65% 未満の場合は、バッファー領域を大きくすればパフォーマンスを改善できる可能性があります。
次のsar -b 出力の例は、すべてのデータは許容範囲に収まっているので、%rcache バッファーと %wcache バッファーが処理速度低下の原因ではないことを示します。すべてのデータは許容範囲に収まっています。
$ sar -b SunOS venus 5.9 Generic sun4u 06/24/2001 00:00:00 bread/s lread/s %rcache bwrit/s lwrit/s %wcache pread/s pwrit/s 01:00:00 0 0 100 0 0 55 0 0 02:00:02 0 0 100 0 0 55 0 0 03:00:00 0 0 100 0 0 72 0 0 04:00:00 0 0 100 0 0 56 0 0 05:00:01 0 0 100 0 0 55 0 0 06:00:00 0 0 100 0 0 55 0 0 Average 0 0 94 0 0 64 0 0 |
sar -c コマンドを使用すると、システムコールの統計情報が表示されます。
$ sar -c 00:00:00 scall/s sread/s swrit/s fork/s exec/s rchar/s wchar/s 01:00:00 38 2 2 0.00 0.00 149 120 |
次の表は、-c オプションを指定したときに報告されるシステムコールのカテゴリを示します。一般に、読み取りと書き込みはシステムコール合計の約半分を占めますが、割合はシステムで実行中の動作によって大幅に変動します。
表 24-9 sar -c コマンドからの出力
フィールド名 |
説明 |
---|---|
scall/s |
1 秒当りのすべてのタイプのシステムコール数 (通常は、4 ないし 6 ユーザーのシステム上で 1 秒当り約 30) |
sread/s |
1 秒当りの read システムコール数 |
swrit/s |
1 秒当りの write システムコール数 |
fork/s |
1 秒当りの fork システムコール数 (4 ないし6 ユーザーのシステム上で毎秒約0.5)。 この数値は、シェルスクリプトの実行中は大きくなる |
exec/s |
1 秒当りの exec システムコール数。exec/s を fork/s で割った値が 3 より大きい場合は、効率の悪い PATH 変数を調べる |
rchar/s |
read システムコールによって転送される 1 秒当りの文字 (バイト) 数 |
wchar/s |
write システムコールによって転送される 1 秒当りの文字 (バイト) 数 |
次の例に、sar -c コマンドからの出力を示します。
$ sar -c SunOS venus 5.9 Generic sun4u 06/24/2001 00:00:00 scall/s sread/s swrit/s fork/s exec/s rchar/s wchar/s 01:00:00 38 2 2 0.00 0.00 149 120 02:00:02 38 2 2 0.00 0.00 149 120 03:00:00 42 2 2 0.05 0.05 218 147 04:00:00 39 2 2 0.01 0.00 155 123 05:00:01 38 2 2 0.00 0.00 150 120 06:00:00 38 2 2 0.01 0.00 149 120 Average 50 4 3 0.02 0.02 532 238 |
sar -d コマンドを使用すると、ディスク動作の統計情報が表示されます。
$ sar -d 00:00:00 device %busy avque r+w/s blks/s avwait avserv 01:00:00 fd0 0 0.0 0 0 0.0 0.0 |
次の表は、-d オプションを指定したときに報告されるディスクデバイスの動作を示します。
表 24-10 sar -d コマンドからの出力
フィールド名 |
説明 |
---|---|
device |
監視中のディスクデバイス名 |
%busy |
デバイスが転送要求のサービスに費やす時間の割合 |
avque |
平均待ち時間と平均サービス時間の合計 |
r+w/s |
デバイスへの 1 秒当りの読み取り転送数と書き込み転送数 |
blks/s |
デバイスに転送される 1 秒当りの 512 バイトブロック数 |
avwait |
待ち行列内でアイドル状態で待機中の要求を転送する平均ミリ秒数 (待ち行列に要求が入っているときのみ計測) |
avserv |
デバイスが転送要求を完了するまでの平均ミリ秒数 (ディスクの場合は、この値にシークタイム、回転待ち時間、データ転送時間が含まれる) |
待ち行列内に何かがあるときは、待ち行列の長さと待ち時間が計測されるので注意してください。%busy の値が小さい場合に、待ち行列とサービス時間が大きければ、変更されたブロックをディスクに随時書き込むために、システムが定期的に処理していることを示す場合があります。
次の例は、sar -d コマンドからの一部省略した出力を示します。
$ sar -d SunOS venus 5.9 Generic sun4u 06/24/2001 00:00:00 device %busy avque r+w/s blks/s avwait avserv 01:00:00 fd0 0 0.0 0 0 0.0 0.0 nfs1 0 0.0 0 0 0.0 0.0 sd0 0 0.0 0 0 0.0 39.6 sd0,a 0 0.0 0 0 0.0 39.6 sd0,b 0 0.0 0 0 0.0 0.0 sd0,c 0 0.0 0 0 0.0 0.0 sd0,f 0 0.0 0 0 0.0 0.0 sd0,g 0 0.0 0 0 0.0 0.0 sd0,h 0 0.0 0 0 0.0 0.0 sd6 0 0.0 0 0 0.0 0.0 |
sar -g コマンドを使用すると、ページアウトとメモリー解放動作が (平均値として) 表示されます。
$ sar -g 00:00:00 pgout/s ppgout/s pgfree/s pgscan/s %ufs_ipf 01:00:00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 |
sar -g コマンドで表示される出力は、より多くのメモリーが必要かどうかを判断するのに役立ちます。ps -elf コマンドを使用すると、ページデーモンに使用される CPU サイクル数が表示されます。サイクル数が大きく、pgfree/s と pgscan/s の値が大きければ、メモリー不足を示します。
また、sar -g を使用すると、i ノードの再利用間隔が短すぎるために、再利用可能なページが失われているかどうかも表示されます。
次の表に -g オプションからの出力について説明します。
表 24-11 sar -g コマンドからの出力
次の例に、sar -g コマンドからの出力を示します。
$ sar -g SunOS venus 5.9 Generic sun4u 06/24/2001 00:00:00 pgout/s ppgout/s pgfree/s pgscan/s %ufs_ipf 01:00:00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 02:00:02 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 03:00:00 0.00 0.01 0.01 0.00 0.00 04:00:00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 05:00:01 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 06:00:00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 Average 0.01 0.12 0.21 0.66 0.00 |
sar -k コマンドを使用すると、KMA (Kernel Memory Allocator) に関して次の動作が表示されます。
KMA を使用すると、カーネルサブシステムは必要に応じてメモリーを割り当て、解放できます。最大量のメモリーを静的に割り当てるのではなく、ピークを下回る負荷を要求するのが予想されるため、 KMA はメモリー要求を「小」 (256 バイト未満)、「大」 (512 バイト〜 4K バイト)、「サイズ超過」 (4K バイト超) という 3 つのカテゴリに分けます。また、2 つのメモリープールを管理して、「小」要求と「大」要求を満たします。「サイズ超過」要求は、システムページアロケータからメモリーを割り当てることで満たされます。
KMA 資源を使用するドライブや STREAMS の作成に使用中のシステムを調査する場合は、sar -k コマンドを使用すると便利です。それ以外の場合は、このコマンドで提供される情報は不要です。KMA 資源を使用するが、終了前には特に資源を返さないドライバやモジュールがあると、メモリーのリークが生じることがあります。メモリーリークが発生すると、KMA によって割り当てられるメモリーは時間が経つにつれて増大します。したがって、sar -k コマンドの alloc フィールドの値が時間が経つにつれ増える場合は、メモリーリークの可能性があります。メモリーリークのもう 1 つの兆候は、要求が失敗することです。この問題が発生した場合は、メモリーリークのために KMA がメモリーを予約したり割り当てたりできなくなっている可能性があります。
メモリーリークが発生した場合は、KMA からメモリーを要求したが返していないドライバや STREAMS がないかどうかをチェックする必要があります。
$ sar -k 00:00:00 sml_mem alloc fail lg_mem alloc fail ovsz_alloc fail 01:00:00 2523136 1866512 0 18939904 14762364 0 360448 0 02:00:02 2523136 1861724 0 18939904 14778748 0 360448 0 |
次の表に -k オプションからの出力について説明します。
表 24-12 sar -k コマンドからの出力
フィールド名 |
説明 |
---|---|
sml_mem |
KMA が小メモリー要求プール内で使用できるメモリーのバイト数 (小要求は 256 バイト未満) |
alloc |
KMA が小メモリー要求プールから小メモリー要求に割り当てたメモリーのバイト数 |
fail |
小量のメモリーで失敗した要求数 |
lg_mem |
KMA が大メモリー要求プール内で使用できるメモリーのバイト数 (大要求は 512 バイトから 4K バイトまで) |
alloc |
KMA が大メモリー要求プールから大メモリー要求に割り当てたメモリーのバイト数 |
fail |
大メモリーで失敗した要求数 |
ovsz_alloc |
サイズ超過要求 (4K バイトを超える要求)に割り当てられたメモリーの 容量。これらの要求はページアロケータによって満たされる。このため、プールはない |
fail |
サイズ超過メモリーで失敗した要求数 |
$ sar -k SunOS venus 5.9 Generic sun4u 06/24/2001 00:00:00 sml_mem alloc fail lg_mem alloc fail ovsz_alloc fail 01:00:00 2523136 1866512 0 18939904 14762364 0 360448 0 02:00:02 2523136 1861724 0 18939904 14778748 0 360448 0 03:00:00 2523136 1865664 0 18939904 14745884 0 360448 0 04:00:00 2523136 1867692 0 18939904 14746616 0 360448 0 05:00:01 2523136 1867208 0 18939904 14763700 0 360448 0 06:00:00 2523136 1867772 0 18939904 14779444 0 360448 0 Average 2724096 1791806 0 20089344 15434591 0 360448 0 |
sar -m コマンドを使用すると、プロセス間通信の動作が表示されます。
$ sar -m 00:00:00 msg/s sema/s 01:00:00 0.00 0.00 |
通常、これらの数字は、メッセージやセマフォを使用するアプリケーションを実行していない限りゼロ (0.00) です。
次の表に -m オプションからの出力について説明します。
表 24-13 sar -m コマンドからの出力
フィールド名 |
説明 |
---|---|
msg/s |
1 秒当りのメッセージ処理 (送受信) 数 |
sema/s |
1 秒当りのセマフォ処理数 |
次の例は、sar -m コマンドからの一部省略した出力を示します。
$ sar -m SunOS venus 5.9 Generic sun4u 06/24/2001 00:00:00 msg/s sema/s 01:00:00 0.00 0.00 02:00:02 0.00 0.00 03:00:00 0.00 0.00 04:00:00 0.00 0.00 05:00:01 0.00 0.00 06:00:00 0.00 0.00 Average 0.00 0.00 |
sar -p コマンドを使用すると、保護フォルトや変換フォルトを含むページイン動作が表示されます。
$ sar -p 00:00:00 atch/s pgin/s ppgin/s pflt/s vflt/s slock/s 01:00:00 0.07 0.00 0.00 0.21 0.39 0.00 |
次の表に - p オプションから報告される統計情報を示します。
表 24-14 sar -p コマンドからの出力
フィールド名 |
説明 |
---|---|
atch/s |
現在メモリーに入っているページを回収して満たされる 1 秒当りのページフォルト数 (1 秒当りの付加数)。この例には、空きリストから無効なページを回収し、別のプロセスに現在使用中のテキストページを共有する処理が含まれる (たとえば、複数のプロセスが同じプログラムテキストにアクセスしている場合など) |
pgin/s |
ファイルシステムがページイン要求を受信する 1 秒当りの回数 |
ppgin/s |
ページインされる 1 秒当りのページ数。ソフトロック要求 (slock/s を参照) などの 1 つのページイン要求や、大型ブロックサイズでは、複数のページがページインされることがある |
pflt/s |
保護エラーによるページフォルト数。保護フォルトの例には、ページへの不正なアクセスや、「書き込み時コピー」などがある。通常、この数値は主に「書き込み時コピー」からなっている |
vflt/s |
1 秒当りのアドレス変換ページフォルト数。これは、有効性フォルトと呼ばれ、所定の仮想アドレスに有効なプロセステーブルエントリが存在しないときに発生する |
slock/s |
物理入出力を要求するソフトウェアロック要求によって発生する 1 秒当りのフォルト数。ソフトロック要求の発生例には、ディスクからメモリーへのデータ転送などがある。システムはデータを受信しないページをロックするので、別のプロセスはそれを回収して使用できない |
次の例に、sar -g コマンドからの出力を示します。
$ sar -p SunOS venus 5.9 Generic sun4u 06/24/2001 00:00:00 atch/s pgin/s ppgin/s pflt/s vflt/s slock/s 01:00:00 0.07 0.00 0.00 0.21 0.39 0.00 02:00:02 0.07 0.00 0.00 0.21 0.39 0.00 03:00:00 0.32 0.00 0.00 1.10 2.48 0.00 04:00:00 0.09 0.00 0.00 0.32 0.57 0.00 05:00:01 0.07 0.00 0.00 0.21 0.39 0.00 06:00:00 0.07 0.00 0.00 0.21 0.39 0.00 Average 0.26 0.20 0.30 0.92 1.78 0.00 |
sar -q コマンドを使用すると、待ち行列に要求が入っている平均待ち行列の長さと、その間の時間の割合が表示されます。
$ sar -q 00:00:00 runq-sz %runocc swpq-sz %swpocc |
システムに空きメモリーが十分ない場合でも、スワップアウトされた軽量プロセス数が 0 より大きい場合があります。この状態は、休眠中の軽量プロセスがスワップアウトされ処理されない場合 (プロセスや軽量プロセスが休眠中であり、キーボードやマウスの入力を待機中の場合など) に発生します。
次の表に -q オプションからの出力について説明します。
表 24-15 sar -q コマンドの出力
フィールド名 |
説明 |
---|---|
runq-sz |
CPU を実行するためにメモリー内で待機中のカーネルスレッド数。通常、この値は 2 未満になる。値が常に 2 より大きい場合は、システムが CPU の限界に到達している可能性がある |
%runocc |
ディスパッチ待ち行列が使用されている時間の割合 |
swpq-sz |
スワップアウトされた平均軽量プロセス数 |
%swpocc |
軽量プロセスがスワップアウトされた時間の割合 |
次の例は、sar -q コマンドからの一部省略した出力を示します。%runocc の値が大きく (90 パーセント超)、runq-sz が 2 より大きい場合は、CPU の負荷が大きく、応答速度が低下しています。この場合は、CPU の容量を増やしてシステムの応答速度を適正化する必要があります。
$ sar -q SunOS venus 5.9 Generic sun4u 06/24/2001 08:45:18 runq-sz %runocc swpq-sz %swpocc 08:45:18 unix restarts 09:00:00 1.0 0 0.0 0 09:20:00 0.0 0 0.0 0 09:40:00 0.0 0 0.0 0 Average 1.0 0 0.0 0 |
sar -r コマンドを使用すると、現在使用されていないメモリーページ数とスワップファイルのディスクブロック数が表示されます。
$ sar -r 00:00:00 freemem freeswap 01:00:00 2135 401922 |
次の表に -r オプションからの出力について説明します。
表 24-16 sar -r コマンドからの出力
フィールド名 |
説明 |
---|---|
freemem |
コマンドによるサンプル収集間隔の間にユーザープロセスに利用できる平均メモリーページ数。ページサイズはマシンに応じて異なる |
freeswap |
ページスワップに使用可能な 512 バイトのディスクブロック数 |
$ sar -r SunOS venus 5.9 Generic sun4u 06/24/2001 00:00:00 freemem freeswap 01:00:00 2135 401922 02:00:02 2137 401949 03:00:00 2137 402006 04:00:00 2139 401923 05:00:01 2138 402033 06:00:00 2137 401919 Average 2500 399914 |
Use the sar -u command to display CPU utilization statistics.
$ sar -u 00:00:00 %usr %sys %wio %idle 01:00:00 0 0 0 100 |
オプションを指定しない sar コマンドは、sar -u と同じです。 特定の瞬間では、プロセッサはビジー状態またはアイドル状態になっています。ビジー状態のときは、プロセッサはユーザーモードまたはシステムモードになっています。アイドル状態のときは、プロセッサは入出力の完了を待っているか、何も処理することがないので「待機」している状態です。
次の表に -u オプションからの出力について説明します。
表 24-17 sar -u コマンドからの出力
フィールド名 |
説明 |
---|---|
%usr |
プロセッサがユーザーモードになっている時間の割合が表示される |
%sys |
プロセッサがシステムモードになっている時間の割合が表示される |
%wio |
プロセッサがアイドル状態で入出力の完了を待っている時間の割合が表示される |
%idle |
プロセッサがアイドル状態で入出力を待っていない時間の割合が表示される |
一般に、%wio の値が大きい場合は、ディスクの処理速度が低下していることを意味します。
次の例は、sar -u コマンドからの出力を示します。
$ sar -u SunOS venus 5.9 Generic sun4u 06/24/2001 00:00:00 %usr %sys %wio %idle 01:00:00 0 0 0 100 02:00:02 0 0 0 100 03:00:00 0 0 0 100 04:00:00 0 0 0 100 05:00:01 0 0 0 100 06:00:00 0 0 0 100 07:00:00 0 0 0 100 08:00:01 0 0 0 100 08:20:00 0 0 0 100 08:40:00 0 0 0 100 09:00:00 0 0 0 100 09:20:00 0 0 0 100 09:40:00 0 0 0 100 10:00:00 0 0 0 100 10:20:00 0 0 0 100 10:40:01 0 0 0 100 11:00:00 5 2 10 82 Average 0 0 0 100 |
sar -v コマンドを使用すると、プロセステーブル、i ノードテーブル、ファイルテーブル、および共有メモリーレコードテーブルの状態が表示されます。
$ sar -v 00:00:00 proc-sz ov inod-sz ov file-sz ov lock-sz 01:00:00 43/922 0 2984/4236 0 322/322 0 0/0 |
次の表に -v オプションからの出力について説明します。
表 24-18 sar -v コマンドからの出力
フィールド名 |
説明 |
---|---|
proc-sz |
現在カーネル内で使用されているか、割り当てられているプロセスエントリ (proc 構造体) の数 |
inod-sz |
メモリー内の合計 i ノード数とカーネル内で割り当て済みの最大 i ノード数の比。これは厳密な上限ではなく、超えることもできる |
file-sz |
開いているシステムファイルテーブルのサイズ。ファイルテーブルには領域が動的に割り当てられるので、sz は 0 として表示される |
ov |
現在カーネル内で使用されているか割り当てられている共有メモリーレコードテーブルのエントリ数。共有メモリーレコードテーブルには領域が動的に割り当てられるので、sz は 0 として表示される |
lock-sz |
現在カーネル内で使用されているか割り当てられている共有メモリーレコードテーブルのエントリ数。共有メモリーレコードテーブルには領域が動的に割り当てられるので、sz は 0 として表示される |
次の例は、sar -v コマンドからの一部省略した出力を示します。この例は、すべてのテーブルに十分なサイズがあり、オーバーフローは発生しないことを示します。これらのテーブルには、いずれも物理メモリーの容量に基づいて領域が動的に割り当てられます。
$ sar -v SunOS venus 5.9 Generic sun4u 06/24/2001 00:00:00 proc-sz ov inod-sz ov file-sz ov lock-sz 01:00:00 43/922 0 2984/4236 0 322/322 0 0/0 02:00:02 43/922 0 2984/4236 0 322/322 0 0/0 03:00:00 43/922 0 2986/4236 0 323/323 0 0/0 04:00:00 43/922 0 2987/4236 0 322/322 0 0/0 05:00:01 43/922 0 2987/4236 0 322/322 0 0/0 06:00:00 43/922 0 2987/4236 0 322/322 0 0/0 |
sar -w コマンドを使用すると、スワッピングと切り替え動作が表示されます。
$ sar -w 00:00:00 swpin/s bswin/s swpot/s bswot/s pswch/s 01:00:00 0.00 0.0 0.00 0.0 22 |
次の表に、対象となる値と説明を示します。
表 24-19 sar -w コマンドからの出力
フィールド名 |
説明 |
---|---|
swpin/s |
メモリーに転送される 1 秒当りの軽量プロセス数 |
bswin/s |
メモリーからスワップアウトされる 1 秒当りの平均プロセス数。この数値が 1 より大きい場合は、メモリーを増やす必要がある |
swpot/s |
メモリーからスワップアウトされる 1 秒当りの平均プロセス数。この数値が 1 より大きい場合は、メモリーを増やす必要がある |
bswot/s |
スワップアウト用に転送される 1 秒当りのブロック数 |
pswch/s |
1 秒当りのカーネルスレッド切り替え数 |
すべてのプロセスのスワップインには、プロセスの初期化が含まれます。
$ sar -w SunOS venus 5.9 Generic sun4u 06/24/2001 00:00:00 swpin/s bswin/s swpot/s bswot/s pswch/s 01:00:00 0.00 0.0 0.00 0.0 22 02:00:02 0.00 0.0 0.00 0.0 22 03:00:00 0.00 0.0 0.00 0.0 22 04:00:00 0.00 0.0 0.00 0.0 22 05:00:01 0.00 0.0 0.00 0.0 22 06:00:00 0.00 0.0 0.00 0.0 22 07:00:00 0.00 0.0 0.00 0.0 22 08:00:01 0.00 0.0 0.00 0.0 22 08:20:00 0.00 0.0 0.00 0.0 22 08:40:00 0.00 0.0 0.00 0.0 22 09:00:00 0.00 0.0 0.00 0.0 22 09:20:00 0.00 0.0 0.00 0.0 22 09:40:00 0.00 0.0 0.00 0.0 22 10:00:00 0.00 0.0 0.00 0.0 22 10:20:00 0.00 0.0 0.00 0.0 22 10:40:01 0.00 0.0 0.00 0.0 23 11:00:00 0.00 0.0 0.00 0.0 144 Average 0.00 0.0 0.00 0.0 24 |
sar -y コマンドを使用すると、端末デバイスの動作を監視できます。
$ sar -y 00:00:00 rawch/s canch/s outch/s rcvin/s xmtin/s mdmin/s 01:00:00 0 0 0 0 0 0 |
大量の端末入出力がある場合は、このレポートを使用して不良な行がないかどうかを判別できます。次の表に、記録される動作を示します。
表 24-20 sar -y コマンドからの出力
フィールド名 |
説明 |
---|---|
rawch/s |
1 秒当りの入力文字数 (raw 待ち行列) |
canch/s |
標準待ち行列で処理される 1 秒当りの文字数 |
outch/s |
1 秒当りの出力文字数 (出力待ち行列) |
rcvin/s |
1 秒当りの受信側ハードウェア割り込み数 |
xmtin/s |
1 秒当りの送信側ハードウェア割り込み数 |
mdmin/s |
1 秒当りのモデム割り込み数 |
1 秒当りのモデム割り込み数 (mdmin/s) は、0 に近い値になります。また、1 秒当りの送受信側ハードウェア割り込み数 ( xmtin/s と rcvin/s) は、それぞれ着信または発信文字数以下になります。そうでない場合は、不良回線がないかどうかをチェックしてください。
次の例は、sar -y コマンドからの一部省略した出力を示します。
$ sar -y SunOS venus 5.9 Generic sun4u 06/24/2001 00:00:00 rawch/s canch/s outch/s rcvin/s xmtin/s mdmin/s 01:00:00 0 0 0 0 0 0 02:00:02 0 0 0 0 0 0 03:00:00 0 0 0 0 0 0 04:00:00 0 0 0 0 0 0 05:00:01 0 0 0 0 0 0 06:00:00 0 0 0 0 0 0 07:00:00 0 0 0 0 0 0 08:00:01 0 0 0 0 0 0 08:20:00 0 0 0 0 0 0 08:40:00 0 0 0 0 0 0 09:00:00 0 0 0 0 0 0 09:20:00 0 0 0 0 0 0 09:40:00 0 0 0 0 0 0 10:00:00 0 0 0 0 0 0 10:20:00 0 0 0 0 0 0 10:40:01 0 0 20 0 0 0 Average 0 0 3 0 0 0 |
sar -A コマンドを使用すると、すべてのオプションを指定した場合と同じように、システム全体を示す統計情報が表示されます。
このコマンドを使用すると、全体像を把握できます。複数のタイムセグメントからのデータが表示される場合は、レポートに平均値が含まれます。
システム動作データを自動的に収集するには、sadc、sa1、sa2 という3 つのコマンドを使用します。
sadc データ収集ユーティリティは、システム動作に関するデータを定期的に収集し、24 時間ごとに 1 つのファイルに 2 進形式で保存します。sadc コマンドを定期的に (通常は 1 時間ごとに) 実行したり、システムがマルチユーザーモードでブートするときにも実行するように設定できます。データファイルは、/var/adm/sa ディレクトリに格納されます。各ファイルには sadd という名前が与えられます。この場合、dd は現在の日付です。このコマンドの書式は次のとおりです。
/usr/lib/sa/sadc [t n] [ofile] |
このコマンドは、t 秒 (t は 5 秒より長くする必要があります) 間隔でサンプルデータを n 回収集します。次に、2 進形式 ofile ファイルまたは標準出力に書き込みます。
カウンタが 0 にリセットされるときから統計情報を記録するために、sadc コマンドをシステムのブート時に実行する必要があります。sadc をブート時に確実に実行するために、日ごとのデータファイルにレコードを書き込むコマンド行が /etc/init.d/perf ファイルに含まれます。
/usr/bin/su sys -c "/usr/lib/sa/sadc /var/adm/sa/sa`date +%d`" |
定期的にレコードを生成するには、sadc コマンドを定期的に実行する必要があります。そのためには、/var/spool/cron/crontabs/sys ファイルの次の行をコメント解除するのが最も簡単な方法です。
# 0 * * * 0-6 /usr/lib/sa/sa1 # 20,40 8-17 * * 1-5 /usr/lib/sa/sa1 # 5 18 * * 1-5 /usr/lib/sa/sa2 -s 8:00 -e 18:01 -i 1200 -A |
sys の crontab エントリによって、次のように動作します。
最初の 2 つの crontab エントリによって、月曜から金曜までは午前 8 時から午後 5 時まで 20 分ごとに、それ以外の曜日は 1 時間ごとに、レコードが /var/adm/sa/sadd に書き込まれます。
3 番目のエントリは、月曜から金曜までは 1 時間ごとに、レコードを /var/adm/sa/sardd ファイルに書き込み、すべての sar オプションが含まれます。
もう 1 つのシェルスクリプト sa2 は、2 進データファイルではなくレポートを生成します。sa2 コマンドは sar コマンドを呼び出して、レポートファイルに ASCII 出力を書き込みます。
sar コマンドを使用すると、システム動作データそのものを収集するか、sadc コマンドで作成された日ごとの動作ファイルに収集された情報をレポートできます。
sar コマンドの書式は次のとおりです。
sar [-aAbcdgkmpqruvwy] [-o file] t [n] |
sar [-aAbcdgkmpqruvwy] [-s time] [-e time] [-i sec] [-f file] |
次の sar コマンドは、オペレーティングシステム内の累積動作カウンタから t 秒間 隔で n 回データを収集します。t は、5 秒以上の値にします。それ以外の値にすると、コマンドそのものがサンプルに影響を与えることがあります。また、サンプルの収集間隔を指定する必要があります。 指定しないと、このコマンドは第 2 の書式に従って動作します。n のデフォルト値は 1 です。次の例では、10 秒間隔で 2 つのサンプルが収集されます。-o オプションを指定すると、サンプルは 2 進形式でファイルに保存されます。
$ sar -u 10 2 |
その他に、sar では次の点に注意する必要があります。
サンプル間隔またはサンプル数を指定しなければ、sar コマンドはデータを以前に記録されたファイルから抽出します。その場合は、-f オプションで指定したファイル、またはデフォルトでは最新日付分の標準の日ごとの動作ファイル /var/adm/sa/sadd から抽出されます。
-s オプションと -e オプションでは、レポートの開始時刻と終了時刻を定義します。開始時刻と終了時刻の書式は hh[:mm[:ss]] です (この場合、h、m、s は、それぞれ時間、分、秒を表します)。
次の表に sar コマンドのオプションとその動作を示します。
表 24-21 sar コマンドのオプション
オプション |
動作 |
---|---|
-a |
ファイルアクセスをチェックする |
-b |
バッファー動作をチェックする |
-c |
システムコールをチェックする |
-d |
各ブロックデバイスの動作をチェックする |
-g |
ページアウトとメモリーの解放をチェックする |
-k |
カーネルメモリーの割り当てをチェックする |
-m |
プロセス間通信をチェックする |
-p |
スワップとディスパッチ動作をチェックする |
-p |
待ち行列動作をチェックする |
-r |
未使用メモリーをチェックする |
-u |
CPU の使用率をチェックする |
-nv |
システムテーブルの状態をチェックする |
-w |
ボリュームのスワッピングと切り替えをチェックする |
-y |
端末動作をチェックする |
-A |
システム全体のパフォーマンスをリポートする (すべてのオプションを入力した場合と同じです) |
オプションを使用しなければ、-u オプションを指定してコマンドを呼び出すのと同じです。
/etc/init.d/perf ファイルを編集して次の行をコメント解除します。
# if [ -z "$_INIT_RUN_LEVEL" ]; then # set -- `/usr/bin/who -r` # _INIT_RUN_LEVEL="$7" # _INIT_RUN_NPREV="$8" # _INIT_PREV_LEVEL="$9" # fi # # if [ $_INIT_RUN_LEVEL -ge 2 -a $_INIT_RUN_LEVEL -le 4 -a \ # $_INIT_RUN_NPREV -eq 0 -a \( $_INIT_PREV_LEVEL = 1 -o \ # $_INIT_PREV_LEVEL = S \) ]; then # # /usr/bin/su sys -c "/usr/lib/sa/sadc /var/adm/sa/sa`date +%d`" # fi |
このバージョンの sadc コマンドは、カウンタが 0 にリセットされる時間 (ブート時) を示す特殊なレコードを書き込みます。
crontab ファイル /var/spool/cron/crontabs/sys の次の行をコメント解除します。
# 0 * * * 0-6 /usr/lib/sa/sa1 # 20,40 8-17 * * 1-5 /usr/lib/sa/sa1 # 5 18 * * 1-5 /usr/lib/sa/sa2 -s 8:00 -e 18:01 -i 1200 -A |