以下に、NCA を使用するために必要なシステム要件と、サービスを有効または無効にするための手順を示します。
NCA をサポートするには、システムは次の要件を満たす必要があります。
256M バイトの RAM がインストールされている
Solaris 9 リリース、または Solaris 8 アップグレードリリースのいずれかがインストールされている
Apache がサポートされている。Solaris 9 と Solaris 8 アップグレードリリースでは、Apache がサポートされている
この製品は、専用の Web サーバー上で実行するようにします。NCA を実行しているサーバー上で別の大きいプロセスを実行すると、問題が生じることがあります。
スーパーユーザーになります。
インタフェースを登録します。
/etc/nca/nca.if ファイルに各物理インタフェースの名前を指定します。詳細は、nca.if(4) のマニュアルページを参照してください。
# cat /etc/nca/nca.if hme0 hme1 |
インタフェースごとに、対応する hostname.interface-name ファイルが必要です。また、/etc/hosts ファイル内に hostname.interface-name の内容と一致するエントリが必要です。すべてのインタフェースで NCA 機能を使用可能にするには、nca.if ファイル内でアスタリスク (*) を指定します。
ncakmod カーネルモジュールを有効にします。
/etc/nca/ncakmod.conf 内の status エントリを enabled に変更します。
# cat /etc/nca/ncakmod.conf # # NCA Kernel Module Configuration File # status=enabled httpd_door_path=/var/run/nca_httpd_1.door nca_active=disabled |
NCA ロギングを有効にします。
/etc/nca/ncalogd.conf 内の status エントリを enabled に変更します。
# cat /etc/nca/ncalogd.conf # # NCA Logging Configuration File # status=enabled logd_path_name="/var/nca/log" logd_file_size=1000000 |
logd_path_name エントリに示されているパスを変更すると、ログファイルの格納場所を変更できます。ログファイルには raw デバイスとファイルのどちらでも指定できます。構成ファイルの詳細は、ncalogd.conf(4) のマニュアルページを参照してください。
IA のみ: 仮想メモリーサイズを増やします。
eeprom コマンドを使用して、システムの kernelbase を設定します。
# eeprom kernelbase=0x90000000 # eeprom kernelbase kernelbase=0x90000000 |
2 行目の eeprom コマンドを実行すると、パラメータが設定済みかどうかを確認できます。
システムの kernelbase を設定すると、ユーザープロセスが使用できる仮想メモリー領域が 3G バイト未満に減少します。このため、システムは ABI に準拠しなくなります。システムをブートすると、そのことを警告するメッセージが表示されます。ほとんどのプログラムは、実際には 3G バイトの仮想アドレス空間を必要としません。3G バイト以上の仮想アドレス空間を必要とするプログラムは、NCA を無効に設定したシステム上で実行する必要があります。
サーバーを再起動します。
ncalogd.conf ファイル内の logd_path_name 文字列で、NCA ログファイルの格納先として raw デバイスを指定できます。raw デバイスを使用する利点としては、アクセス時のオーバーヘッドが小さいため、サービスを高速に実行できることが挙げられます。
NCA サービスはファイル内に記述されているすべての raw デバイスに対して、対応するファイルシステムがないことを確認します。このテストは、アクティブなファイルシステムを誤って上書きしてしまわないように実行されます。
このテストで正しいファイルシステムが検出されないようにするには、以下のコマンドを実行して、当初ファイルシステムとして構成されたすべてのディスクパーティション上のファイルシステム部分を破棄します。この例では、/dev/rdsk/c0t0d0s7 が古いファイルシステムを持つ raw デバイスです。
# dd if=/dev/zero of=/dev/rdsk/c0t0d0s7 bs=1024 count=1 |
dd コマンドを実行すると、ncalogd.conf ファイルに raw デバイスを追加できるようになります。
# cat /etc/nca/ncalogd.conf # # NCA Logging Configuration File # status=enabled logd_path_name="/dev/rdsk/c0t0d0s7" logd_file_size=1000000 |
ncalogd.conf ファイル内の logd_path_name 文字列で、NCA ログファイルの格納先として複数のファイルを指定できます。 最初のファイルが満杯になると、2 番目のファイルが使用されます。以下の例では、最初に /var/nca/log ファイルを書き込みに使用し、次に raw パーティションを使用する方法を示します。
# cat /etc/nca/ncalogd.conf # # NCA Logging Configuration File # status=enabled logd_path_name="/var/nca/log /dev/rdsk/c0t0d0s7" logd_file_size=1000000 |
スーパーユーザーになります。
ncakmod カーネルモジュールを無効にします。
/etc/nca/ncakmod.conf 内の status エントリを disabled に変更します。
# cat /etc/nca/ncakmod.conf # NCA Kernel Module Configuration File # status=disabled httpd_door_path=/var/run/nca_httpd_1.door nca_active=disabled |
NCA ロギングを無効にします。
/etc/nca/ncalogd.conf 内の status エントリを disabled に変更します。
# cat /etc/nca/ncalogd.conf # # NCA Logging Configuration File # status=disabled logd_path_name="/var/nca/log" logd_file_size=1000000 |
サーバーを再起動します。
NCA が有効になっていると必要に応じて NCA のログ処理のオン/オフを切り換えることができます。詳細は 「Web ページのキャッシングを有効にする方法」 を参照してください。
スーパーユーザーになります。
NCA ロギングのオン/オフを切り換えます。
ロギングを恒久的に無効にする場合は、/etc/nca/ncalogd.conf 内の status を disabled に変更し、システムをリブートする必要があります。詳細は、ncalogd.conf(4) のマニュアルページを参照してください。
この手順は、AF_NCA ソケットを直接にサポートしていない Web サーバーに対してのみ使用します。
Web サーバーの起動スクリプトに、ライブラリをプリロードするための 1 行を追加します。次のような行を追加します。
LD_PRELOAD=/usr/lib/ncad_addr.so /usr/bin/httpd |