「役割」は、特権付きアプリケーションを実行できる特別な種類のユーザーアカウントです。役割は、ユーザーアカウントと同じ方法で作成され、ホームディレクトリ、グループ、パスワードなどを持ちます。役割は、権利プロファイルとそれに割り当てられている承認により機能します。役割には継承はありません。
ユーザーが役割を引き受けると、その役割の属性がすべてのユーザー属性を置き換えます。役割の情報は、passwd、shadow、user_attr、および audit_user データベースに格納されます。役割の設定の詳細については、「推奨される役割の構成」、「役割の作成」、および 「役割プロパティの変更」 を参照してください。
同じ役割になるすべてのユーザーは、同じ役割のホームディレクトリを持ち、同じ環境で動作し、同じファイルへのアクセス権を持ちます。ユーザーは、コマンド行から su を実行し、役割名とパスワードを指定して役割を引き受けることができます。Solaris 管理コンソールツールを開いて、役割を引き受けることもできます。
役割に直接ログインすることはできません。これは、root 役割を作成して、匿名による root ログインをできないようにするためです。「root を役割にする」 を参照してください。ユーザーは、最初に通常のユーザーアカウントにログインする必要があります。ほかの役割から直接役割になることはできません。ユーザーの実 UID は常に監査されます。
Solaris 9 には、事前定義の役割は用意されていません。この章の前述のとおり、3 つの推奨される役割は簡単に構成できます。