Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)

パスワード情報の管理

ユーザーはシステムにログインするときに、ユーザー名とパスワードの両方を入力する必要があります。ログイン名は公開されますが、パスワードは秘密にして各ユーザー以外には知られないようにします。また、ユーザーが各自のパスワードを慎重に選択し、頻繁に変更するようにしなければなりません。

パスワードは、最初にユーザーアカウントを設定するときに作成されます。ユーザーアカウントのセキュリティを管理するために、パスワード有効期限を設定し、パスワードを定期的に強制変更することができます。また、ユーザーアカウントを無効にして、パスワードをロックすることもできます。パスワードの設定および管理の詳細については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「ユーザーアカウントとグループの管理 (概要)」および passwd(1) のマニュアルページを参照してください。

NIS+ パスワードファイル

ネットワークで NIS+ を使用している場合、パスワード情報は NIS+ データベースに保持されます。NIS+ データベース内の情報は、アクセス権を許可されたユーザーを制限することによって保護できます。passwd コマンドを使用すると、ユーザーの NIS+ パスワードを変更できます。

NIS パスワードファイル

ネットワークで NIS を使用する場合、パスワードは NIS パスワードマップに保持されます。NIS では、パスワードの有効期間を指定できません。passwd コマンドを使用すると、ユーザーの NIS パスワードを変更できます。

/etc ファイル

ネットワークで /etc 内のファイルを使用している場合、パスワード情報はシステムの /etc/passwd ファイルと /etc/shadow ファイルに保持されます。ユーザー名などの情報は、パスワードファイル /etc/passwd に保持されます。暗号化されたパスワードは、/etc/shadow という「シャドウファイル」 に保持されます。このセキュリティ方式によって、暗号化されたパスワードにアクセスされることを防ぎます。/etc/passwd ファイルは、マシンにログインするユーザーであれば誰でも使用できますが、/etc/shadow ファイルを読み取ることができるのはスーパーユーザーだけです。passwd コマンドを使用すると、ローカルシステム上のユーザーのパスワードを変更できます。

LDAP パスワード情報

ネットワーク上で LDAP が使用されている場合、パスワードとシャドウ情報は LDAP ディレクトリツリーの ou=people コンテナに格納されます。password -r ldap コマンドを使用すると、ユーザーの LDAP パスワードを変更できます。