Solaris WBEM Services の管理

マスターエージェントが要求を転送する方法: WBEM 用 SNMP アダプタと Sun SNMP Agent の比較

WBEM 用 SNMP アダプタがリリースされるまでは、SNMP Manager が SNMP MIB-2 変数のための Get 要求を Solstice Enterprise Agents のマスターエージェントに送信すると、マスターエージェントはその要求を Sun SNMP MIB-2 エージェント ( mibiisa) に転送していました。アダプタが SNMP MIB-2 要求も処理することから考えると、Sun SNMP エージェントと WBEM 用 SNMP アダプタが両方同時に実行されている場合には、どうなるのでしょうか。マスターエージェントは要求をどのように転送するのでしょうか。

マスターエージェントは、各サブエージェント登録ファイルで定義されているサブツリーに基づいてノードテーブルを構築します。mibiisa サブエージェントは、MIB-2 サブツリー全体と、Sun Microsystems MIB サブツリーを登録します。アダプタは、MIB-2.system サブツリーと hostRsrc サブツリーを登録します。マスターエージェントは、2 つのエージェントが同じサブツリーを登録することを許可しません。

Sun SNMP MIB-2 エージェントについては、mibiisa(1M) のマニュアルページを参照してください。マスターエージェントについては、『Solstice Enterprise Agents 1.0 ユーザーズガイド』を参照してください。

初期化の際に、マスターエージェントは、登録されている各サブツリーを含むノードテーブルを作成します。マスターエージェントは、各 Get 要求を、その要求に含まれている OID が最も適しているサブツリーのエージェントに転送します。たとえば、mib-2.system.5.0 に対する要求は、アダプタに転送されます。一方、mib-2.interfaces.1.0 に対する要求は、mibiisa サブエージェントに転送されます。マスターエージェントによって登録されたどのサブツリー内にも定義されていない OID の場合は、マスターエージェントは Get 応答でエラーを返します。

WBEM 用 SNMP アダプタは、SNMP V1 の要求だけをサポートしています。