マルチスレッドのプログラミング

軽量プロセス (LPW)

スレッドライブラリは、カーネルによってサポートされる軽量プロセス (LWP) と呼ばれる制御スレッドを基礎としています。 LWP は、コードまたはシステムコールを実行する仮想 CPU と見なすことができます。

通常、スレッドを使用するプログラミングで LWP を意識する必要はありません。以下に述べる LWP の説明は、プロセススコープ (非結合スレッド)で述べるスケジューリングスコープの違いを理解する際の参考にしてください。

fopen()fread() などの stdio ライブラリルーチンが open()read() などのシステムコールを使用するのと同じように、スレッドインタフェースも LWP インタフェースを使用します。

軽量プロセス (LWP) はユーザーレベルとカーネルレベルの橋渡しをします。各プロセスは、1 つ以上の LWP で構成されます。各 LWP は、1 つ以上のユーザースレッドを実行します (図 1–1 を参照)。

図 1–1 ユーザーレベルスレッドと軽量プロセス

軽量プロセス (LWP)、ユーザレベル、およびカーネルレベルの関係を示しています。

各 LWP はカーネルプールの中のカーネルリソースであり、スレッドに割り当てられ たり、割り当てを解除されたりします。