相対的優先転送 (AF) では、4 つのクラスの転送動作をマーカーに指示できます。次の表に、クラス、各クラスに指定できる 3 つのドロップ優先度、および各優先度に対応する推奨 DSCP を示します。各 DSCP は、AF 値 (10 進数値およびバイナリ値) で表されます。
表 6–2 相対的優先転送のコードポイント
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クラス 1 |
クラス 2 |
クラス 3 |
クラス 4 |
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低ドロップ優先度 |
AF11 = 10 (001010) |
AF21 = 18 (010010) |
AF31 = 26 (011010) |
AF41 = 34 (100010) |
中ドロップ優先度 |
AF12 = 12 (001100) |
AF22 = 20 (010100) |
AF32 = 28 (011100) |
AF42 = 36 (100100) |
高ドロップ優先度 |
AF13 = 14 (001110) |
AF23 = 22 (010110) |
AF33 = 30 (011110) |
AF43 = 38 (100110) |
AF コードポイントは、各トラフィッククラスに差別化転送動作を提供する際のガイドとして、すべての diffserv 対応システム上で使用できます。
たとえば、QoS ポリシーにより 2 つのトラフィッククラスに対してそれぞれ AF31 と AF13 の DSCP を割り当てるとします。AF31 (011010) の付いたパケットは、IPQoS システムからの送信時に、AF13 (001110) の付いたパケットよりも低い転送優先順位が与えられます。
これらのパケットが diffserv ルーターに達すると、ルーターはパケットのコードポイントを、キュー内のほかのトラフィックの DS コードポイントとともに評価します。次にルーターは、利用可能な帯域幅、およびパケットの DS コードポイントにより割り当てられた優先順位に応じて、パケットを転送またはドロップします。EF PHB の付いたパケットは、どの AF PHB の付いたパケットよりも広い帯域幅の使用が保証されます。
ネットワーク上の IPQoS システムと diffserv ルーターとの間でパケットのマーキングを合致させて、パケットが意図したとおりに転送されるようにしてください。たとえば、ネットワーク上の IPQoS システムがパケットにコードポイント AF21 (010010)、AF13 (001110)、AF43 (100110)、および EF (101110) を付けるとします。この場合、AF21、AF13、AF43、および EF DS コードポイントを、diffserv ルーターの適切なファイルに追加する必要があります。
AF コードポイント表に関する技術情報については、RFC 2597 を参照してください。ルーター製造元の Cisco Systems 社および Juniper Networks 社は、それぞれ自社の Web サイトで AF PHB の設定に関する詳細な情報を提供しています。この情報を使用して、IPQoS システムおよびルーター用の AF PHB を定義できます。また、ルーター製造元のマニュアルには、自社製品での DS コードポイントの設定方法が記載されています。