IPv6 の管理

ローカルアドレス

ローカル用アドレスは、ローカルにルーティング可能な範囲のみを対象とするユニキャストアドレスです。使用できるのは、サブネット内または加入者ネットワーク内に限定されます。ローカル用アドレスは、プラグアンドプレイのローカル通信を行うために、サイト内で使用します。また、グローバルアドレスを使用するためのブートストラップ操作を行うために使用されます。

ローカル用のユニキャストアドレスには、リンクローカルとサイトローカルの 2 種類があります。リンクローカル用は単一リンクで使用します。サイトローカル用は単一サイトで使用します。次の表は、リンクローカル用アドレスフォーマットを示したものです。

表 1-3 リンクローカル用アドレスフォーマット

10 ビット 

54 ビット 

64 ビット 

1111111010 

Interface ID 

リンクローカル用アドレスは自動アドレス設定などの目的で 1 つのリンク上のアドレス指定に使用します。

表 1–4 は、サイトローカル用アドレスフォーマットです。

表 1-4 サイトローカル用アドレス

10 ビット 

38 ビット 

16 ビット 

64 ビット 

1111111011 

Subnet ID 

Interface ID  

どちらのタイプのローカルアドレスでも、インタフェース ID はそれを使用するドメインで一意な識別子である必要があります。通常は、識別子としてノードの IEEE-802 48 ビットアドレスを使用します。Subnet ID は、サイト内の特定のサブネットを識別します。Subnet ID と Interface ID を組み合わせてローカルアドレスを作成します。これで大規模なプライベートインターネットを構築することができ、その他のアドレス割り当てを行う必要はありません。

現在グローバルインターネットに接続していない組織はローカルアドレスを使用できます。ローカルアドレスを使うだけでグローバルインターネットアドレス領域からのアドレスプレフィックスを要求する必要はありません。この組織が将来インターネットに接続する場合、Subnet ID と Interface ID をグローバルプレフィックスと組み合わせてグローバルアドレスを作成することができます。たとえば、Registry ID、Provider ID、Subscriber ID の組み合わせでグローバルアドレスを作成できます。この拡張機能は IPv4 に対する大幅な改善点です。IPv4 では、プライベート (非グローバル) な IPv4 アドレスを使うサイトは、インターネットに接続する場合に手動で番号を指定し直す必要があります。IPv6 の場合、番号は自動的に指定し直されます。