Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : FNS、NIS+ 編)

FNS ネーミングポリシー

FNS は、ネーミングポリシーを定義して、ユーザーとアプリケーションが共有名前空間に依存し、それを使用できるようにします。

エンタープライズ内には、組識単位、サイト、ホスト、ユーザー、ファイルとサービスごとの名前空間があり orgunitsitehostuserfs (ファイルシステムを示す)、および service という名前で呼ばれます。これらの名前空間は、各名前の前に下線 (_) を付けることもできます。たとえば、host_host は同じものと見なされます。

表 25–1 は、エンタープライズレベルの名前空間に関する FNS ポリシーを要約しています。

表 25–1 FNS ポリシーの要約

コンテキストタイプ 

従属コンテキスト 

親コンテキスト 

orgunit _orgunit

site user host fs service

enterprise root

site _site

user host fs service

enterprise root

orgunit

user _user

service fs

enterprise root

orgunit

host _host

service fs

enterprise root

orgunit

service _service

プリンタなどのアプリケーション 

enterprise root

orgunit site user host

fs _fs (ファイルシステム)

(なし) 

enterprise rootorgunit site user host

組識名

FNS orgunit の割り当ては、基本となるネームサービスによって決まります。

組識単位名に対応して命名されるオブジェクトのタイプは、userhostservicefssite です。次に例を示します。

サイト名

サイト名は、必要に応じて作成されます。サイト名に対応して指定されるオブジェクトのタイプは、userhostservicefs です。次に例を示します。

ユーザー名

ユーザー名は、NIS+ の対応する passwd テーブル、NIS の passwd マップ、またはファイルの /etc/passwd ファイルにある名前に対応します。ユーザーのファイルコンテキストは、そのユーザーの passwd エントリから獲得されます。

ユーザー名に対応して指定されるオブジェクトのタイプは、 servicefs です。 次に例を示します。

ホスト名

ホスト名は、NIS+ の対応する hosts、NIS の hosts マップ、またはファイルの /etc/hosts ファイルにある名前に対応します。ホストのファイルコンテキストは、ホストによってエクスポートされるファイルシステムに対応します。

ホスト名に対応して指定されるオブジェクトのタイプは、servicefs です。 次に例を示します。

サービス名

サービス名は、サービスアプリケーションに対応し、それによって決定されます。service コンテキストは、組識、ユーザー、ホスト、またはサイトコンテキストに対応して指定する必要があります。次に例を示します。

ファイル名

ファイルシステム名は、ファイル名に対応します。次に例を示します。