パスワード作成後の変更禁止期間を設定するには、引数 min を使用します。変更禁止期間が終了しないうちにパスワードを変更しようとすると、「Sorry less than N days since the last change」というメッセージが表示されます。
引数 min は以下の形式で使用します。
passwd -x max -n min username |
引数の意味は、それぞれ以下のとおりです。
username は、ユーザーのログイン ID
max は、パスワードの有効期間 (前のセクションを参照)
min は、パスワード作成後の変更禁止期間
たとえば、ユーザー eponine のパスワードの有効期間を 45 日間、変更禁止期間を 7 日間に設定する場合は、以下のように入力します。
station1% passwd -x 45 -n 7 eponine |
min 引数には以下の規則があります。
min 引数は必ずしも使用しなくて良い (つまり、パスワード変更禁止期間は必ずしも指定しなくて良い)
min 引数は、必ず -max 引数と組み合わせて使用する。つまり、変更禁止期間を設定するには、有効期間も設定する必要がある
min に max より大きい値を設定すると (例:passwd -x 7 -n 8)、ユーザーはパスワードを変更できなくなる。変更しようとすると、「You may not change this password」というメッセージが表示される。min に max より大きな値を設定すると、次の 2 つの効果が得られる
ユーザーによるパスワードの変更を禁止する。つまり、管理特権を有する一部の人物以外は、パスワードを変更できなくなる。たとえば、複数のユーザーに共通のグループパスワードを割り当て、そのパスワードに対して min 値より大きな max 値を設定すると、グループ内のユーザーは誰一人としてパスワードを変更できなくなる
パスワードは max 値で設定される期限内のみ有効となる。しかも、min 値が max 値より大きいため、ユーザーはパスワードを変更できない。つまり、max 値の示す有効期限が満了する前にパスワードの期限延長を図る手だては、ユーザーには一切与えられない。実際、有効期限が満了した後は、管理者の介在なしにユーザーはログインできなくなる