Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : FNS、NIS+ 編)

NIS+ のシステムリソースの問題

この節では、メモリーやディスク容量のようなシステムリソースが不足したときの問題を取り上げます。

リソースの問題

処理内容に関係する次の表現が含まれているエラーメッセージが表示されます。

メモリーの不足

システムのメモリーやスワップ空間が不足すると、NIS+ の様々な問題やエラーメッセージに遭遇します。一時的な解決策として、不必要なウィンドウやプロセスを終了させることが考えられます。必要に応じて、ウィンドウシステムを終了し、端末のコマンド行を使用します。それでもメモリー不足を知らせるメッセージが表示されるときは、スワップ空間やメモリーを追加するか、十分なスワップ空間やメモリーを持つシステムに切り替えます。

特定の状況では、アプリケーションやプロセスがメモリーを無駄に消費し、使用メモリーサイズが極端に大きくなることがあります。次のコマンドを実行すると、アプリケーションやプロセスの現在のサイズを知ることができます。


ps -el

sz (サイズ) の列には、各プロセスの現在のメモリーサイズが表示されています。必要に応じて、サイズが同程度と思われるアプリケーションやプロセスを比較し、メモリーサイズが極端に大きいものが存在しないかどうか調べます。

ディスク容量の不足

ディスク容量が不足すると、様々なエラーメッセージが表示されます。ディスク領域の不足に共通する原因は、定期的に行われている tmp ファイルの削除やログファイルの切り捨てをしていないことです。切り捨てを行わないと、ログファイルと tmp ファイルは常時増加します。これらのファイルの増大速度はシステムごとに異なり、同じシステムでも状態によって変化します。非効率的なシステムや、名前空間に問題を抱えているシステムでは、ログファイルは非常に急速に増大します。


注 –

多くの問題が発生しているときは、ログファイルと /tmp のファイルを頻繁にチェックします。ディスク容量が不足して他の問題が発生する前に、ログファイルを切り捨て、/tmp ファイルを削除します。また、ルートディレクトリとホームディレクトリで core ファイルを探して削除します。


ログファイルを切り捨てるには、システムのチェックポイントを設けます。チェックポイントのプロセスがある程度の時間を要し、完了するまではシステムの速度を低下させることに注意してください。

システムのチェックポイントを実行するには、nisping -C を実行します。

プロセス数の不足

過度に負荷の大きいマシンでは、マシンの構成の中で指定されている、同時に実行できる最大のプロセス数に達する可能性があります。この結果、「unable to fork」のようなメッセージが表示されます。この問題を解決するために推奨されている方法は、不必要なプロセスを終了させることです。それでも問題が持続する場合は、システムの管理マニュアルの説明に従って、より多くのプロセスを扱えるようにシステムを構成し直してください。