Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : FNS、NIS+ 編)

入力ファイルを使って、ファイルコンテキストを作成する

入力ファイルには、composite_name のコンテキストで割り当てられる名前や値が入っています。この形式は、間接自動マウントマップの形式に基づいてはいますが、全く同じではありません。入力ファイルには、以下のような形式のエントリが 1 つあるいは複数含まれています。


name [options] [location...]

引数の意味は、それぞれ以下のとおりです。

各エントリについて、マウントの位置や対応するマウントのオプションのリファレンスは、composite_name/name に割り当てられます。

optionslocation の両方が省略されると、リファレンスは composite_name/name に割り当てられません。既存のリファレンスもすべて割り当てられません。

たとえば、kuanda のファイルシステムを図 25–3 に示すように、ホスト altair からディレクトリ /export/home/kuanda を NFS マウントするとしましょう。コマンドは以下のように実行されます。


% fncreate_fs -f infile user/kuanda/fs

ここでは、以下を含む infile を使用します。


. altair:/export/home/kuanda

図 25–4 に示されるような、複数のサーバーに分散された複雑なファイルシステムを設定する場合、以下のコマンドを実行します。


% fncreate_fs -f infile org/sales/fs

ここでは、以下を含む infile を使用します。


tools/db	 	altair:/export/db
project		 	altair:/export/proj
project/lib             altair:/export/lib
project/src	 	deneb:/export/src 

プロジェクトやそのサブコンテキストの srclib の NFS マウントを、読み取り専用に変更する場合、infile を以下のように変更します。


tools/db 	 			svr1:/export/db
project	      -ro			svr1:/export/projproject/lib 
altair:/export/lib
project/src	 			svr2:/export/src

-ro は、3 行目と 4 行目では必要ありません。なぜならば、src および lib は、project のサブコンテキストであり、これらは、上から -ro マウントオプションを継承するからです。

以下の入力ファイルは、org/sales/fs/project/src を除いて、すべてのマウントを読み取り専用にします。


.       -ro
tools/db    svr1:/export/db
project     svr1:/export/proj
project/lib altair:/export/lib
project/src      -rw      svr2:/export/src