Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : FNS、NIS+ 編)

電子メール環境

NIS が平坦なドメイン空間を持つのに対して、NIS+ はドメイン階層を持つことができるため、NIS+ への移行はメール環境にも影響があります。NIS では、必要なメールホストは 1 つだけです。NIS+ でドメイン階層を使用すると、名前空間の各ドメインごとに 1 つのメールホストが必要になります。これは、各ドメインの名前が一意ではなくなるためです。

したがって、ルートドメインにないクライアントの電子メールアドレスが変更される場合があります。一般的に、クライアントの電子メールアドレスは、ドメイン名が変更されるか、または階層に新しいレベルが追加されると変更されます。

以前の Solaris のリリースでは、これらの変更に非常に手間がかかりました。このリリースでは、sendmail の拡張機能がいくつか追加され、作業が簡単になっています。さらに、NIS+ には、sendmailvars テーブルが追加されています。sendmail プログラムは、まず sendmailvars テーブル (図 26–7 を参照) を見てから、ローカルな sendmail.cf ファイルを調べます。


注 –

メールサーバーが、そのサポート対象となるクライアントの NIS+ ドメイン内にあることを確認してください。また、パフォーマンス上の理由から、 メールサーバーに対して他のドメイン内のテーブルへのパスを指定しないでください。


DNS での新しいメールアドレスの影響について検討してください。DNS の MX レコードを修正しなければならない場合があります。