Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : FNS、NIS+ 編)

パス

他のドメインのクライアントが、特定の NIS+ テーブル内の情報を頻繁に要求する場合は、そのローカル NIS+ テーブルから他のドメインのテーブルへのパスを設定することを検討してみてください。次の図を参照してください。

図 26–8 上位ドメイン内のテーブルへのパスを設定する

この図は、上位ドメインへの設定されたパスを示しています。

このようなパスがもたらす主な利点は 2 つあります。まず、下位ドメインのクライアントが、別のテーブルを明示的に検索しなくてもすみます。さらに、上位ドメインの管理者があるテーブルで変更を行い、その変更を他のドメインのクライアントに見えるようにすることができます。ただし、このようなパスを設定すると、パフォーマンスが低下します。特に検索がうまくいかないと、パフォーマンスに影響が出ます。これは、NIS+ サービスで、1 つのテーブルではなく 2 つのテーブルを検索しなければならないためです。パスを使用すると、テーブル検索も、他のドメインの利用状況に依存することになります。この依存によって、ドメインの実質の利用度が低下する可能性があります。このような理由から、パスは、他に問題を解決する手段がない場合に限って使用するようにしてください。

mailhost は、別名として使用されることが多いため、特定の mailhost に関する情報を検索する必要がある時は、検索パスに完全指定名 (たとえば、 mailhost.sales.com. など) を使用する必要があることに注意してください。 そうしないと、 NIS+ は、検索したすべてのドメインで見つかった mailhost をすべて返します。

パスをローカルテーブルに設定するには、nistbladm コマンドに -p オプションを付けて使用します。テーブルのパスを変更するには、テーブルオブジェクトへの変更アクセス権がなければなりません。テーブルの検索パスを調べるには、niscat -o コマンドを使用してください (テーブルへの読み取りアクセス権が必要です)。