以下に、メールシステムを計画するときに考慮すべき点を挙げます。
必要に応じてメール構成のタイプを決定します。この節では、メール構成の基本の 2 タイプについて説明し、各構成を設定するために必要なことがらについて簡単に説明します。新しいメールシステムを設定する必要がある場合、あるいは既存のメールシステムを拡張する場合は、この節の内容が役立つでしょう。「ローカルメール専用」 では、1 番目の構成タイプについて、「ローカルメールとリモート接続」 では 2 番目の構成タイプについて説明します。
必要に応じてメールサーバー、メールホスト、およびメールゲートウェイとして動作するシステムを選択します。
サービスを提供するすべてのメールクライアントのリストを作成し、メールボックスの場所も含めます。このリストは、ユーザーのメール別名を作成するときに役立ちます。
別名の更新方法とメールメッセージの転送方法を決めます。ユーザーがメールの転送要求やデフォルトのメール別名の変更要求を送る場所として、aliases メールボックスを設定できます。 システムで NIS または NIS+ を使用する場合、メール転送の管理は、ユーザー自身ではなく、管理者が行うことができます。「メール別名ファイルの管理 (作業マップ)」 に、別名に関連する作業の一覧があります。「.forward ファイルの管理 (作業マップ)」 に、.forward ファイルの管理に関連する作業の一覧があります。
メールシステムの計画を立てたら、サイトにシステムを設定し、「メールサービスの設定 (作業マップ)」 で説明する機能を実行します。他の作業については、「メールサービス (作業マップ)」 を参照してください。
図 25-1 に示すように、もっとも単純なメール構成は、1 台のメールホストに 2 台以上のワークステーションが接続されている場合です。すべてのクライアントがローカルのディスクにメールを格納し、メールサーバーとして機能します。メールアドレスは /etc/mail/aliases ファイルを使って構文解析されます。
この種類のメール構成を設定するには、以下が必要です。
メールホストとして指定されたサーバー。 メールホストを指定するには、メールホストの /etc/hosts ファイルに mailhost.domain_name を追加。また、NIS や NIS+ を実行していない場合は、すべてのメールクライアントの /etc/hosts ファイルにメールホスト IP アドレス行を追加
ローカルメールボックスを持つ任意のシステム上にある同じ内容の /etc/mail/aliases ファイル (NIS や NIS+ を実行していない場合)
各メールクライアントシステムの /var/mail に、メールボックスを格納できるだけの十分な領域
メールサービスの設定の詳細については、「メールサービスの設定 (作業)」 を参照してください。 メールサービスの設定に関する特定の手順については、「メールサービスの設定 (作業マップ)」 を参照してください。
小規模なネットワークにおけるもっとも一般的なメール構成を 図 25-2 に示します。 1 つのシステムが、メールサーバー、メールホスト、および外部へのメールゲートウェイを兼ねます。メールは、メールゲートウェイ上の /etc/mail/aliases ファイルを使って配布されます。ネームサービスは必要ありません。
この構成では、メールクライアントがメールホスト上の /var/mail からメールファイルをマウントすると想定できます。この種類のメール構成を設定するには、以下が必要です。
各メールクライアントシステムに、デフォルトの /etc/mail/sendmail.cf ファイル (編集は不要)
メールホストとして指定されたサーバー。 メールホストを指定するには、メールホストの /etc/hosts ファイルに mailhost.domain_name を追加。また、NIS や NIS+ を実行していない場合は、すべてのメールクライアントの /etc/hosts ファイルにメールホストの IP アドレス行を追加
ローカルメールボックスを持つ任意のシステム上にある同じ内容の /etc/mail/aliases ファイル (NIS や NIS+ を実行していない場合)
メールサーバーの /var/mail に、クライアントのメールボックスを格納できるだけの十分な領域
メールサービスの設定の詳細については、「メールサービスの設定 (作業)」 を参照してください。 メールサービスの設定に関する特定の手順については、「メールサービスの設定 (作業マップ)」 を参照してください。