Solaris 9 インストールガイド

CD イメージを使用してネットワークからインストールするシステムを追加する

インストールサーバーとブートサーバー (必要な場合) を作成した後、ネットワークからインストールする各システムを設定する必要があります。インストールする各システムは、次の情報にアクセスできる必要があります。

インストールサーバーとクライアントの設定には、add_install_client を使用して以下の作業を行なってください。次の手順の例も参照してください。

このコマンドで使用できるオプションについての詳細は、add_install_client(1M) のマニュアルページを参照してください。

サーバーから add_install_client を実行してネットワークからインストールするシステムを追加する方法

ブートサーバーが存在する場合は、インストールサーバーのインストールイメージを共有しているか確認してください。手順 6 を参照してください。

  1. インストールサーバーまたはブートサーバー上でスーパーユーザーになります。

  2. NIS、NIS+、DNS、または LDAP ネームサービスを使用する場合は、インストール対象のシステムに関する次の情報がネームサービスに追加されているか確認します。

    • ホスト名

    • IP アドレス

    • Ethernet アドレス

    ネームサービスの詳細は、『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)』を参照してください。

  3. インストールサーバー上の Solaris 9 CD イメージの Tools ディレクトリに移動します。


    # cd /install_dir_path/Solaris_9/Tools
    

    install_dir_path

    Tools ディレクトリのパスを指定します。

  4. ネットワークでインストールするためのシステムを設定します。


    # ./add_install_client [[-d]] [[-s install_server:install_dir_path]] \
    [[-c jumpstart_server:jumpstart_dir_path]]   [[-p server:path]] \
      [[-t boot_image_path]] client_name platform_group 
    

    -d

    クライアントが DHCP を使用してネットワークインストールパラメータを取得することを指定します。 

    IA クライアントの場合、このオプションを指定し、PXE ネットワークブートを使用してネットワークからシステムをブートしてください。 

    -s install_server:install_dir_path

    インストールサーバーの名前とパスを指定します。 

    • install_server は、インストールサーバーのホスト名です。

    • install_dir_path は、Solaris 9 CD イメージの絶対パスです。

    -c jumpstart_server:jumpstart_dir_path

    カスタム JumpStart インストールの JumpStart ディレクトリを指定します。jumpstart_server には JumpStart ディレクトリがあるサーバーのホスト名を指定します。jumpstart_dir_path は、JumpStart ディレクトリへの絶対パスです。

    -p sysid_server:path

    システムの構成情報を事前設定するための sysidcfg ファイルのパスを指定します。sysid_server は、このファイルを持っているサーバーの有効なホスト名または IP アドレスです。path は、sysidcfg ファイルが入っているディレクトリへの絶対パスです。

    -t boot_image_path

    Solaris 9 ネットインストールイメージ、CD、または DVD 上の Tools ディレクトリ内のものとは別のブートイメージを使用したい場合は、代わりとなるブートイメージのパスを指定します。 

    client_name

    ネットワークからインストールするシステムのホスト名を指定します。この名前はインストールサーバーのホスト名ではありません。 

    platform_group

    インストールするシステムのプラットフォームグループを指定します。プラットフォームグループの詳細は、第 39 章「プラットフォーム名とプラットフォームグループに関するリファレンス情報」を参照してください。


例 12–6 SPARC: DHCP を使用している場合の SPARC インストールサーバー上の SPARC インストールクライアントの追加方法 (CD)

次の例に、DHCP を使用してネットワーク上でインストールパラメータを設定しているときに、インストールクライアントを追加する方法を示します。インストールクライアントは、basil という名前の UltraTM 5 システムです。 ファイルシステム /export/home/s9cdsparc/Solaris_9/Tools には、add_install_client コマンドが入っています。


sparc_install_server# cd /export/home/s9cdsparc/Solaris_9/Tools
sparc_install_server# ./add_install_client -d basil sun4u


例 12–7 サーバーと同じサブネット上にあるインストールクライアントの追加方法 (CD)

次の例に、インストールサーバーと同じサブネット上にあるインストールクライアントを追加する方法を示します。インストールクライアントは、basil という名前の UltraTM 5 システムです。 ファイルシステム /export/home/s9cdsparc/Solaris_9/Tools には、add_install_client コマンドが入っています。


install_server# cd /export/home/s9cdsparc/Solaris_9/Tools
install_server# ./add_install_client basil sun4u


例 12–8 ブートサーバーへのインストールクライアントの追加方法 (CD)

次の例に、ブートサーバーにインストールクライアントを追加する方法を示します。インストールクライアントは、rose という名前の UltraTM 5 システムです。 次のコマンドはブートサーバー上で実行します。-s オプションには、/export/home/s9cdsparc に Solaris 9 CD イメージを持っている rosemary という名前のインストールサーバーを指定しています。


boot_server# cd /export/home/s9cdsparc/Solaris_9/Tools
boot_server# ./add_install_client -s rosemary:/export/home/s9cdsparc rose sun4u


例 12–9 IA: DHCP を使用している場合の IA インストールサーバー上の IA インストールクライアントの追加方法 (CD)

次の例に、DHCP を使用してネットワークのインストールパラメータを設定している場合に、IA インストールクライアントをインストールサーバーに追加する方法を示します。-d オプションは、クライアントが構成に DHCP プロトコルを使用することを指定するために使用されます。PXE ネットワークブートを使用する場合は、DHCP プロトコルを使用する必要があります。DHCP クラス名 SUNW.i86pc は、このコマンドが単一のクライアントだけでなく、Solaris IA ネットワークのブートクライアントすべてに適用されることを意味します。-s オプションを使用して、rosemary という名前のインストールサーバーからクライアントをインストールすることを指定します。このサーバーは、/export/home/s9cdia に Solaris 9 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel 版) イメージを保持しています。


install server# cd /export/boot/Solaris_9/Tools
install server# ./add_install_client -d -s rosemary:/export/home/s9cdia SUNW.\ 
i86pc i86pc

サーバーから add_install_client を実行してネットワークからインストールするシステムを追加する方法

ブートサーバーが存在する場合は、インストールサーバーのインストールイメージを共有しているか確認してください。手順 6 を参照してください。

  1. インストールサーバーまたはブートサーバー上でスーパーユーザーになります。

  2. NIS、NIS+、DNS、または LDAP ネームサービスを使用する場合は、インストール対象のシステムに関する次の情報がネームサービスに追加されているか確認します。

    • ホスト名

    • IP アドレス

    • Ethernet アドレス

    ネームサービスの詳細は、『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)』を参照してください。

  3. インストールサーバー上の Solaris 9 CD イメージの Tools ディレクトリに移動します。


    # cd /install_dir_path/Solaris_9/Tools
    

    install_dir_path

    Tools ディレクトリのパスを指定します。

  4. ネットワークでインストールするためのシステムを設定します。


    # ./add_install_client [[-d]] [[-s install_server:install_dir_path]] \
    [[-c jumpstart_server:jumpstart_dir_path]]   [[-p server:path]] \
      [[-t boot_image_path]] client_name platform_group 
    

    -d

    クライアントが DHCP を使用してネットワークインストールパラメータを取得することを指定します。 

    IA クライアントの場合、このオプションを指定し、PXE ネットワークブートを使用してネットワークからシステムをブートしてください。 

    -s install_server:install_dir_path

    インストールサーバーの名前とパスを指定します。 

    • install_server は、インストールサーバーのホスト名です。

    • install_dir_path は、Solaris 9 CD イメージの絶対パスです。

    -c jumpstart_server:jumpstart_dir_path

    カスタム JumpStart インストールの JumpStart ディレクトリを指定します。jumpstart_server には JumpStart ディレクトリがあるサーバーのホスト名を指定します。jumpstart_dir_path は、JumpStart ディレクトリへの絶対パスです。

    -p sysid_server:path

    システムの構成情報を事前設定するための sysidcfg ファイルのパスを指定します。sysid_server は、このファイルを持っているサーバーの有効なホスト名または IP アドレスです。path は、sysidcfg ファイルが入っているディレクトリへの絶対パスです。

    -t boot_image_path

    Solaris 9 ネットインストールイメージ、CD、または DVD 上の Tools ディレクトリ内のものとは別のブートイメージを使用したい場合は、代わりとなるブートイメージのパスを指定します。 

    client_name

    ネットワークからインストールするシステムのホスト名を指定します。この名前はインストールサーバーのホスト名ではありません。 

    platform_group

    インストールするシステムのプラットフォームグループを指定します。プラットフォームグループの詳細は、第 39 章「プラットフォーム名とプラットフォームグループに関するリファレンス情報」を参照してください。


例 12–6 SPARC: DHCP を使用している場合の SPARC インストールサーバー上の SPARC インストールクライアントの追加方法 (CD)

次の例に、DHCP を使用してネットワーク上でインストールパラメータを設定しているときに、インストールクライアントを追加する方法を示します。インストールクライアントは、basil という名前の UltraTM 5 システムです。 ファイルシステム /export/home/s9cdsparc/Solaris_9/Tools には、add_install_client コマンドが入っています。


sparc_install_server# cd /export/home/s9cdsparc/Solaris_9/Tools
sparc_install_server# ./add_install_client -d basil sun4u


例 12–7 サーバーと同じサブネット上にあるインストールクライアントの追加方法 (CD)

次の例に、インストールサーバーと同じサブネット上にあるインストールクライアントを追加する方法を示します。インストールクライアントは、basil という名前の UltraTM 5 システムです。 ファイルシステム /export/home/s9cdsparc/Solaris_9/Tools には、add_install_client コマンドが入っています。


install_server# cd /export/home/s9cdsparc/Solaris_9/Tools
install_server# ./add_install_client basil sun4u


例 12–8 ブートサーバーへのインストールクライアントの追加方法 (CD)

次の例に、ブートサーバーにインストールクライアントを追加する方法を示します。インストールクライアントは、rose という名前の UltraTM 5 システムです。 次のコマンドはブートサーバー上で実行します。-s オプションには、/export/home/s9cdsparc に Solaris 9 CD イメージを持っている rosemary という名前のインストールサーバーを指定しています。


boot_server# cd /export/home/s9cdsparc/Solaris_9/Tools
boot_server# ./add_install_client -s rosemary:/export/home/s9cdsparc rose sun4u


例 12–9 IA: DHCP を使用している場合の IA インストールサーバー上の IA インストールクライアントの追加方法 (CD)

次の例に、DHCP を使用してネットワークのインストールパラメータを設定している場合に、IA インストールクライアントをインストールサーバーに追加する方法を示します。-d オプションは、クライアントが構成に DHCP プロトコルを使用することを指定するために使用されます。PXE ネットワークブートを使用する場合は、DHCP プロトコルを使用する必要があります。DHCP クラス名 SUNW.i86pc は、このコマンドが単一のクライアントだけでなく、Solaris IA ネットワークのブートクライアントすべてに適用されることを意味します。-s オプションを使用して、rosemary という名前のインストールサーバーからクライアントをインストールすることを指定します。このサーバーは、/export/home/s9cdia に Solaris 9 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel 版) イメージを保持しています。


install server# cd /export/boot/Solaris_9/Tools
install server# ./add_install_client -d -s rosemary:/export/home/s9cdia SUNW.\ 
i86pc i86pc