Solaris 9 インストールガイド

finish スクリプトによるパッケージとパッチの追加

finish スクリプトを作成すると、Solaris ソフトウェアをシステムにインストールした後に、パッケージやパッチを自動的に追加できます。finish スクリプトを使用してパッケージを追加すると時間を節約できるだけでなく、サイトのさまざまなシステムにパッケージおよびパッチをインストールする上での整合性を維持できます。

pkgadd(1M) コマンドや patchadd(1M) コマンドを finish スクリプトで使用するときは、-R オプションを使用して、/a をルートパスとして指定する必要があります。

例 24–2 はパッケージを追加する finish スクリプトの例を示します。


例 24–2 finish スクリプトでパッケージを追加する

  #!/bin/sh
 
  BASE=/a
  MNT=/a/mnt
  ADMIN_FILE=/a/tmp/admin
 
  mkdir ${MNT}
  mount -f nfs sherlock:/export/package ${MNT}1
  cat>${ADMIN_FILE} <<DONT_ASK2
  mail=root
  instance=overwrite
  partial=nocheck
  runlevel=nocheck
  idepend=nocheck
  rdepend=nocheck
  space=ask
  setuid=nocheck
  conflict=nocheck
  action=nocheck
  basedir=default
  DONT_ASK
 
  /usr/sbin/pkgadd -a ${ADMIN_FILE} -d ${MNT} -R ${BASE} SUNWxyz3 
  umount ${MNT}
  rmdir ${MNT}
  1. インストールするパッケージを含むサーバー上にディレクトリをマウントします。

  2. 一時的なパッケージ管理ファイル admin を作成し、パッケージのインストール時に pkgadd(1M) コマンドがチェックも質問の表示も行わないようにします。この一時的なパッケージ管理ファイルは、パッケージの追加時に自動インストールを実施するために使用してください。

  3. -a オプション (パッケージ管理ファイルを指定) と -R オプション (ルートパスを指定) を使用してパッケージを追加します。



注 –

以前は finish スクリプト環境では、pkgadd コマンドや patchadd コマンドとともに chroot(1M) コマンドが使用されていました。しかし、一部のパッケージやパッチには -R オプションが正しく動作しないものがあります。このような状況では、chroot コマンドを実行する前に /a ルートパスにダミーの /etc/mnttab ファイルを作成する必要があります。

/etc/mnttab ダミーファイルを作成するには、次の行を finish スクリプトに追加します。/etc/mnttab ダミーファイルを作成するには、次の行を finish スクリプトに追加します。

cp /etc/mnttab /a/etc/mnttab