IP ネットワークマルチパスの管理

障害が発生した物理インタフェースの交換または物理インタフェースの DR 切り離しと DR 接続

この節の手順は、ifconfig(1M) を使用して構成される IP 層だけに適用されます。 ATM または他のサービスなど、IP 層よりも上位または下位の層が自動化されていない場合には、手動による特別な手順が必要です。この特別な手順は、事前切り離し時の構成解除および事後接続後の構成を行うために実行します。障害または DR の対処方法については、該当する層およびアプリケーションのマニュアルを参照してください。

障害が発生した物理インタフェースを交換する場合は、まず次の各手順を手作業で行う必要があります。次の手順の例では、物理インタフェースとして hme0hme1 を使用します。両インタフェースとも同じマルチパスグループに属し、hme0 に障害が発生したとします。さらに、論理インタフェース hme0:1 が検査用 IP アドレスを持っているとします。


注 –

次の手順の例では、障害のあるインタフェースを同じ名前の別の物理インタフェースで置き換えます。hme0 の置き換えを例にとります。


障害が発生した物理インタフェースを取り外す方法


注 –

検査用 IP アドレスが /etc/hostname.hme0 ファイルを使用して結合されている場合は、手順 1 を省略することができます。


  1. 次のコマンドを実行して、検査用 IP アドレスの構成情報を入手します。


    # ifconfig hme0:1
    
    hme0:1:
    flags=9040842<BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,DEPRECATED,IPv4,NOFAILOVER>
    mtu 1500 index 3
    inet 129.146.233.250 netmask ffffff00 broadcast 129.146.233.255

    この情報は、物理インタフェースを交換する時に、検査用 IP アドレスを再結合するために必要です。

    検査用 IP アドレスの hostname ファイルを使用した構成方法についての詳細は、 hostname ファイルによるグループと検査用 IP アドレスの構成を参照してください。

  2. 物理インタフェースの取り外し方については、cfgadm(1M) のマニュアルページ、『Sun Enterprise 6x00, 5x00, 4x00, 3x00 システム Dynamic Reconfiguration ユーザーマニュアル』、または『Sun Enterprise 10000 DR 構成マニュアル』を参照してください。

障害が発生した物理インタフェースを交換する方法

  1. 物理インタフェースの交換方法については、cfgadm(1M) のマニュアルページ、『Sun Enterprise 6x00, 5x00, 4x00, 3x00 システム Dynamic Reconfiguration ユーザーマニュアル』、『Sun Enterprise 10000 DR 構成マニュアル』、または『Sun Fire 880 Dynamic Reconfiguration ユーザーマニュアル』を参照してください。

  2. 次のコマンドを実行して、検査用 IP アドレスを結合し、有効にします。


    # ifconfig hme0 <検査用 IP アドレス構成>
    

    注 –

    この検査用 IP アドレス構成は、/etc/hostname.hme0 ファイルに構成されたものと同じです。障害が発生した物理インタフェースを取り外す方法の手順 1 に従った場合は、検査用 IP の構成は同手順で表示された構成と同じにします。


    この構成によって、in.mpathd デーモンが検査を再開します。 検査の結果、in.mpathd は回復を検出します。その後、in.mpathd により、障害経路の迂回が行われた元の IP アドレスが hme1 から回復した経路へ戻されます。

    検査用 IP アドレスの構成方法についての詳細は、検査用 IP アドレスの構成 を参照してください。


    注 –

    障害が発生した物理インタフェースの回復時における、IP アドレスの回復した経路への復帰には 3 分ほどかかります。ネットワークトラフィックに応じて、この所要時間は異なります。また、所要時間は in.mpathd によって障害経路を迂回し回復した着信インタフェースの安定性によっても異なります。