IP ネットワークマルチパスの管理

アプリケーションによる検査用 IP アドレス使用の防止

検査用 IP アドレスを構成したあと、このアドレスが通常のアプリケーションで使用されないようにする必要があります。検査用 IP アドレスに対して障害経路の迂回処理が行われないため、アプリケーションから検査用 IP アドレスを使用できるようにすると、検査用 IP アドレスを使用したアプリケーションは障害迂回の処理時に異常終了します。検査用 IP アドレスが通常のアプリケーションに使用されるのを防ぐには、ifconfig コマンドを使って検査用 IP アドレスを deprecated と指定します。このオプションは次の構文により指定します。


ifconfig interface-name deprecated

deprecated (推奨されない) と指定したアドレスは、アプリケーションで明示的に指定されていない限り、通信のソースアドレスとしては選択されません。このようなアドレスを明示的に指定するのは in.mpathd だけです。2 つのインタフェースでマルチパスインタフェースグループを構成する方法を参照してください。

リンクローカルアドレスはネームサービス (DNS、NIS、NIS+) に登録されないため、アプリケーションがこれを通信に使用することはありません。したがって、IPv6 検査用 IP アドレスを deprecated と指定する必要はありません。


注 –

IPv6 リンクローカルアドレスは deprecated と指定しないでください。


アドレスの deprecated 属性を無効にするには、-deprecated オプションを使用します。


注 –

IPv4 検査用 IP アドレスは、ネームサービスデータベース (DNS、NIS、NIS+) に追加しないでください。IPv6 では、リンクローカルアドレスが検査用 IP アドレスとして使用されます。通常はネームサービステーブルには追加されません。


自動的に構成された IPv6 アドレスは、システムをリブートすると保持されません。リブートするときに IP アドレスを保持する必要がある場合には、アプリケーションで静的 IP アドレスを使用します。