Solaris ボリュームマネージャの管理

例 — RAID 5 ボリュームの連結 (拡張)

次の図に、4 つのディスク (コンポーネント) から構成される RAID5 ボリュームに 5 つ目のディスクを動的に連結して拡張した例を示します。

図 13-2 RAID 5 ボリュームの拡張例

追加のコンポーネントを RAID 5 ボリュームに連結することによって、冗長性のある大型のボリュームが提供されています。

パリティ領域は、RAID5 ボリュームの作成時に割り当てられます。パリティには 1 つのコンポーネントに相当する領域が割り当てられますが、実際のパリティブロックは、入出力を分散するためにすべてのオリジナルコンポーネントに分散されます。RAID 5 ボリュームにコンポーネントを連結すると、新しい領域はデータにのみ使用され、新しいパリティブロックは割り当てられません。ただし、連結されたコンポーネントのデータはパリティ計算の対象になるため、単一のデバイス障害からは保護されます。

連結した RAID 5 ボリュームは長期間の使用には適しません。このような RAID 5 ボリュームは、これよりも大規模な RAID 5 ボリュームを再構成し、そのボリュームにデータをコピーできるようになるまでの一時的な手段として使用します。


注 -

RAID 5 ボリュームに新しいコンポーネントを追加すると、Solaris ボリュームマネージャは、そのコンポーネントのすべてのデータブロックを「ゼロ」にします。この処理は、パリティ情報によって新しいデータを保護するために実行されます。つまり、データが新しい領域に書き込まれると、Solaris ボリュームマネージャはそのデータをパリティ計算の対象とします。