Solaris のシステム管理 (上級編)

サービスアクセス機能の管理 (リファレンス)

SAF の関連ファイル

SAF は構成ファイルを使用しますが、このファイルは sacadm および pmadm コマンドを使用して変更できます。構成ファイルを手作業で編集する必要はありません。

ファイル名 

説明 

/etc/saf/_sysconfig

システムごとの構成スクリプト 

/etc/saf/_sactab

SAC の管理ファイル。SACが制御するポートモニターの構成データが入っている 

/etc/saf/ pmtag

ポートモニター pmtag のホームディレクトリ

/etc/saf/ pmtag/_config

存在する場合、ポートモニター pmtag のポートモニターごとの構成スクリプト

/etc/saf/ pmtag/_pmtab

ポートモニター pmtag の管理ファイル。pmtag が提供するサービスのポートモニター固有の構成データが入っている

/etc/saf/ pmtag/svctag

サービス svctag のサービスごとの構成スクリプト

/var/saf/log

SAC のログファイル 

/var/saf/ pmtag

pmtag によって作成されるファイルのディレクトリ。たとえば、ログファイルのディレクトリなど

/etc/saf/_sactab ファイル

/etc/saf/_sactabは次のようになります。


# VERSION=1
zsmon:ttymon::0:/usr/lib/saf/ttymon     #

# VERSION=1

サービスアクセス機能のバージョン番号を示す 

zsmon

ポートモニター名 

ttymon

ポートモニターのタイプ 

::

次の 2 つのフラグが設定されているかどうかを示す。 

d — ポートモニターを有効にしない

x — ポートモニターを起動しない。この例では、どちらのフラグも設定されていない

0

戻りコード値を示す。0 の戻りカウントは、ポートモニターが失敗した場合でも再起動しないことを示す

/usr/lib/saf/ttymon

ポートモニターのパス名を示す 

/etc/saf/pmtab/_pmtab ファイル

/etc/saf/pmtab/_pmtab ファイル (/etc/saf/zsmon/_pmtab など) は、次のようになります。


# VERSION=1
ttya:u:root:reserved:reserved:reserved:/dev/term/a:I::/usr/bin/login::9600:
ldterm,ttcompat:ttya login\: ::tvi925:y:# 

# VERSION=1

サービスアクセス機能のバージョン番号を示す 

ttya

サービスタグを示す 

x,u

次のフラグが設定されているかどうかを指定する。 

x — サービスを有効にしないことを意味する

u — サービス用の utmpx エントリを作成することを意味する。

root

サービスタグに割り当てられた ID を示す 

reserved

このフィールドは予約されている 

reserved

このフィールドは予約されている 

reserved

このフィールドは予約されている 

/dev/term/a

TTY ポートパス名を示す 

/usr/bin/login

接続を受信したときに呼び出されるサービスのフルパス名を指定する 

:c,b,h,I,r:

次のフラグが設定されているかどうかを示す。 

c — ポート用のキャリアフラグに接続を設定する

b — ポートが双方向性である (着信トラフィックと発信トラフィックの両方を許可する) と設定する

h — 着呼が受信された直後の自動ハングアップを抑制する

I — ポートを初期化する

r — ポートから文字を受信するまで、ttymonlogin: メッセージを出力しないよう待機させる

9600

/etc/ttydefs ファイルに定義されている TTY 名を指定する

ldterm,ttcompat

プッシュする STREAMS モジュールを指定する。 

ttya login\:

表示するプロンプトを指定する 

:y/n:

 

message

任意のアクティブでない (無効な) 応答メッセージを指定する 

tvi925

端末タイプを指定する 

y

ソフトウェアキャリアが設定されているかどうかを示す (y/n)

サービスの状態

sacadm コマンドはサービスの状態を制御します。次の表は、サービスの起こりうる状態について説明したものです。

状態 

説明 

有効 

デフォルト状態 – ポートモニターを追加したとき、サービスが有効になる 

無効 

デフォルト状態 – ポートモニターを削除したとき、サービスは停止する 

特定のサービスの状態を確認するには、次のように入力します。


# pmadm -l -p portmon_name -s svctag

ポートモニターの状態

sacadm コマンドは、 ttymon および listen ポートモニターの状態を制御します。次の表は、起こりうるポートモニターの状態について説明したものです。

状態 

説明 

起動 

デフォルト状態 – ポートモニターは追加されると自動的に起動される 

有効 

デフォルト状態 – ポートは追加されると自動的にサービス要求を受け付け可能になる 

停止 

デフォルト状態 – ポートモニターは削除されると自動的に停止する 

無効 

デフォルト状態 – ポートモニターは削除されると自動的に提供中であったサービスを続行し、新しいサービスの追加を拒否する 

起動中 

中間状態 – ポートモニターの起動が進行中 

停止中 

中間状態 – ポートモニターは手作業で終了過程に入っているが、まだシャットダウン手続きは完了していない。ポートモニターが停止状態になるまでの途中の状態 

非動作中 

アクティブではない状態 – ポートモニターが強制終了された状態。前の動作状態のときに監視していたすべてのポートがアクセス不可になる。外部のユーザーからはポートが無効なのか、非動作状態なのか区別できない 

障害 

アクティブではない状態 – ポートモニターを起動して動作状態を維持できない 

特定のポートモニターの状態を確認するには、次のように入力します。


# sacadm -l -p portmon_name

ポートの状態

ポートは、ポートを制御するポートモニターの状態によって、有効または無効にできます。

状態 

説明 

シリアル (ttymon) ポートの状態

 

有効 

ttymon ポートモニターはポートにプロンプトメッセージを送り、ログインサービスを提供する

 

無効 

ttymon が強制終了されているか、無効の場合のすべてのポートのデフォルト状態。このように指定した場合、接続要求を受け取ると、 ttymon は「disabled」メッセージを送信する