Solaris のシステム管理 (上級編)

日次コマンド要約

このレポートはコマンド別のシステム資源の利用状況を示します。このレポートでは、最も使用率の高いコマンドがわかり、それらコマンドがどのようにシステム資源を利用しているかに基づいて、どのようにしたらシステムの最適チューニングが可能かを知ることができます。

これらのレポートは TOTAL KCOREMIN によってソートされます。TOTAL KCOREMIN は任意の基準ですが、システムでのドレーンの計算にはすぐれた指標です。

日次コマンド要約の例を、次に示します。


                   TOTAL COMMAND SUMMARY
COMMAND   NUMBER      TOTAL   TOTAL     TOTAL   MEAN    MEAN     HOG   CHARS     BLOCKS
NAME        CMDS    KCOREMIN CPU-MIN REAL-MIN  SIZE-K  CPU-MIN  FACTOR TRNSFD    READ

TOTALS      2150  1334999.75  219.59 724258.50 6079.48   0.10   0.00   397338982 419448

netscape      43  2456898.50   92.03  54503.12 26695.51  2.14   0.00   947774912 225568
adeptedi       7    88328.22    4.03    404.12 21914.95  0.58   0.01    93155160   8774
dtmail         1    54919.17    5.33  17716.57 10308.94  5.33   0.00   213843968  40192
acroread       8    31218.02    2.67  17744.57 11682.66  0.33   0.00   331454464  11260
dtwm           1    16252.93    2.53  17716.57 6416.05   2.53   0.00   158662656  12848
dtterm         5     4762.71    1.30  76300.29 3658.93   0.26   0.00    33828352  11604
dtaction      23     1389.72    0.33      0.60 4196.43   0.01   0.55    18653184    539
dtsessio       1     1174.87    0.24  17716.57 4932.97   0.24   0.00    23535616   5421
dtcm           1      866.30    0.18  17716.57 4826.21   0.18   0.00     3012096   6490

次の表は、日次コマンド要約のデータを説明したものです。

表 20–5 日次コマンド要約レポート

列 

説明 

COMMAND NAME

コマンド名。プロセスアカウンティングシステムではオブジェクトモジュールしか報告されないので、シェルプロシージャはすべて sh という名前で取り扱われる。a.out または core と呼ばれるプログラム、またはその他の、適切とは思われない名前のプログラムの使用頻度を監視すると良い。acctcom プログラムを使用して、名前に疑問があるコマンドを誰が実行したか、スーパーユーザー特権が使用されたかどうかを知ることができる

NUMBER CMDS

プライムタイム時間帯に、このコマンドが呼び出された回数 

TOTAL KCOREMIN

実行時の毎分当たりにプロセスが使用した K バイトメモリーセグメント数という計量値の累積合計 

TOTAL CPU-MIN

このプログラムのプライムタイム時間帯の累積合計処理時間 

TOTAL REAL-MIN

このプログラムのプライムタイム時間帯の累積合計実時間 (壁掛け時計)。分単位 

MEAN SIZE-K

NUMBER CMDS で表される呼び出し回数に対する TOTAL KCOREMIN の平均

MEAN CPU-MIN

NUMBER CMDS に対する TOTAL CPU-MIN の平均

HOG FACTOR

合計 CPU 時間を経過時間で割った値。システム利用可能時間とシステム使用時間との比であり、プロセスがその実行中に消費する合計利用可能 CPU 時間の相対値を示す 

CHARS TRNSFD

読み取りおよび書き込みシステムコールによってプッシュされた文字の合計数。オーバフローのために負の値になることがある 

BLOCKS READ

プロセスが実行した物理ブロックの読み取りおよび書き込みの合計数