Solaris のシステム管理 (資源管理とネットワークサービス)

Solaris PPP 4.0 の基本

Solaris PPP 4.0 は、TCP/IP プロトコル群に含まれるデータリンクプロトコルとしてポイントツーポイントプロトコル (PPP) を実装しています。PPP は、2 つの端点にあるマシン間でデータを電話回線などの通信媒体を介して転送する方法について記述しています。

PPP は、1990 年代の初期から、通信リンクを介してデータグラムを送信するために幅広く使用されてきたインターネット標準です。PPP 標準は、Internet Engineering Task Force (IETF) のポイントツーポイントワーキンググループによって RFC 1661 に定義されています。PPP は一般に、リモートコンピュータがインターネットサービスプロバイダ (ISP) を呼び出したり、着呼を受信するように構成されている企業サーバーを呼び出したりするときに使用されます。

Solaris PPP 4.0 は、広く普及している Australian National University (ANU) PPP–2.4 に基づいて PPP 標準を実装しています。PPP リンクは非同期と同期の両方をサポートしています。

Solaris PPP 4.0 の互換性

さまざまなバージョンの PPP 標準がインターネットコミュニティで広く使用されています。ANU PPP-2.4 は、Linux、Tru64 UNIX、および次の BSD 系統の主要 OS で採用されています。

Solaris PPP 4.0 は、Solaris オペレーティング環境で実行されているマシンに ANU PPP-2.4 の高度な構成機能を提供します。Solaris PPP 4.0 が実行されているマシンでは、PPP 標準が実行されているマシンに PPP リンクを簡単に設定できます。

ANU ベースの PPP 以外で Solaris PPP 4.0 と正常に相互運用できるものは、次のとおりです。

使用する Solaris PPP のバージョン

Solaris PPP 4.0 は、Solaris 9 オペレーティング環境がサポートする PPP です。Solaris 9 オペレーティング環境には、 以前の非同期 PPP (asppp) ソフトウェアは組み込まれていません。非同期 PPP の構成については、Solaris 8 System Administrator Collection – Japanese (http://docs.sun.com) を参照してください。

Solaris PPP 4.0 を使用する理由

現在 asppp を使用しているユーザーには、Solaris PPP 4.0 への移行をお勧めします。2 つの Solaris PPP 間の技術的な相違点は次のとおりです。

Solaris PPP 4.0 のアップグレードパス

既存の asppp 構成を Solaris PPP 4.0 に変換する場合は、このリリースが提供する変換スクリプトを使用できます。詳細は、asppp から Solaris PPP 4.0 に変換する方法を参照してください。

PPP の詳細情報

PPP に関する多くの情報は印刷物やオンラインで入手可能です。参考資料のいくつかを以降で示します。

PPP に関する専門技術者向けのリファレンスブック

ANU PPP など、幅広く使用されている PPP については、次の図書を参照してください。

PPP に関する Web サイト

PPP の一般的な情報については、次の Web サイトを参照してください。

PPP に関する RFC (Requests for Comments)

PPP に関する有用な Internet RFC は次のとおりです。

PPP RFC のコピーを入手するには、IETF RFC の Web ページ ( http://www.ietf.org/rfc.html) で RFC の番号を指定してください。

PPP に関するマニュアルページ

Solaris PPP 4.0 の実装については、次のマニュアルページを参照してください。

PPP のマニュアルページについては、http://docs.sun.com を参照するか、man コマンドを使用してください。