構成前の作業は、トンネルをクライアント側に構成するかサーバー側に構成するかによって異なります。どちらの場合も、電話会社と契約を結ぶ必要があります。電話会社では、クライアントには DSL 回線を提供し、アクセスサーバーにはある形式のブリッジと ATM パイプを提供します。ほとんどの契約では、電話会社はユーザーのサイトに機器を設置します。
PPPoE クライアントの実装は、通常、次の機器から構成されます。
個人が使用するパーソナルコンピュータまたはシステム
DSL モデム。通常は、電話会社かインターネットのアクセスプロバイダが設置する
(任意) ハブ。複数のクライアントが関係するような会社の DSL 消費者向け
(任意) スプリッタ。通常はプロバイダが設置する
多くの異なる DSL 構成が可能です。DSL 構成は、ユーザーや会社のニーズ、プロバイダが提供するサービスによって異なります。
表 30-6 PPPoE クライアントの計画
情報 |
作業 |
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個人や自分自身のために自宅の PPPoE クライアントを設定する場合に、PPPoE の領域外の設定情報を入手する |
設定の手続きが必要なら、電話会社や ISP に問い合わせる |
会社のサイトに PPPoE クライアントを設定する場合に、PPPoE クライアントシステムの情報を得るためにユーザーの名前を入手する。PPPoE リモートクライアントを構成する場合は、DSL 機器を自宅に設置するための情報をユーザーに提供する必要がある |
認可されたユーザーのリストを会社の管理者に問い合わせる |
PPPoE クライアント上で使用できるインタフェースを探す |
各マシン上で ifconfig -a コマンドを実行し、インタフェース名を探す |
(任意) PPPoE クライアントのパスワードを入手する |
ユーザーに、パスワードの希望を問い合わせる。または、ユーザーにパスワードを割り当てる。このパスワードは UNIX のログイン用ではなく、リンクの認証用に使用する |
PPPoE アクセスサーバーの計画は、データサービスネットワークへの接続を提供する電話会社と共同で行います。電話会社はユーザーのサイトに回線 (通常は ATM パイプ) を設置し、ユーザーのアクセスサーバーに、ある形式のブリッジを提供します。会社が提供するサービスにアクセスする Ethernet インタフェースを構成する必要があります。たとえば、インターネットにアクセスするためのインタフェースのほか、電話会社のブリッジが提供する Ethernet インタフェースも構成します。
表 30-7 PPPoE アクセスサーバーの計画
情報 |
作業 |
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データサービスネットワークの回線に使用するインタフェース |
ifconfig -a コマンドを実行して、インタフェースを特定する |
PPPoE サーバーが提供するサービスの種類 |
管理者やネットワーク計画者に要件やヒントを問い合わせる |
(任意) 消費者に提供するサービスの種類 |
管理者やネットワーク計画者に要件やヒントを問い合わせる |
(任意) リモートクライアントのホスト名とパスワード |
ネットワーク計画者や契約交渉の担当者に問い合わせる。ホスト名とパスワードは UNIX のログインではなく、PAP 認証や CHAP 認証に使用する |