次の表では、SLP エージェントについて説明します。ここで使用する用語の詳細な定義は、用語集を参照してください。
表 18-1 SLP エージェント
SLP エージェント |
説明 |
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ディレクトリエージェント (DA) |
サービスエージェント (SA) が登録する SLP 通知をキャッシュするプロセス。DA は、要求に応じて、サービス通知をユーザーエージェント (UA) に転送する |
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サービスエージェント (SA) |
サービス通知を配信するためやサービスをディレクトリエージェント (DA) に登録するために、サービスの代理として動作する SLP エージェント |
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ユーザーエージェント (UA) |
サービス通知情報を取得するために、ユーザーやアプリケーションの代理として動作する SLP エージェント |
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スコープ |
サービスに対する管理上または論理上のグループ |
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次の図は、SLP アーキテクチャを実装する、基本的なエージェントおよびプロセスを示しています。図は、SLP のデフォルトの配置を表しています。特別な構成はまったく行われていません。UA と SA の 2 つのエージェントだけが必要です。SLP フレームワークでは、UA がサービス要求を SA にマルチキャストすることを許可しています。SA は、UA に対して応答をユニキャストします。たとえば、UA がサービス要求メッセージを送信すると、SA はサービス応答メッセージを返します。サービス応答には、クライアントの要求と一致するサービスの場所が含まれています。属性やサービスタイプに関する要求や応答も可能です。詳細は、第 22 章「SLP (リファレンス)」を参照してください。
以下の図は、フレームワークに DA が配置された場合の、SLP アーキテクチャを実装する基本的なエージェントとプロセスを示しています。
DA を配置すると、ネットワークにはより少ないメッセージが送られるので、UA は情報をすばやく受け取ることができます。DA は、ネットワークのサイズが増大する場合やマルチキャストルーティングがサポートされていない場合に必要です。DA は登録されたサービス通知のキャッシュの役割を果たします。SA は DA に対して、通知するすべてのサービスをリストした登録メッセージ (SrvReg) を送り、その応答として確認応答 (SrvAck) を受け取ります。サービス通知は DA によって更新されるか、通知に設定された有効期限に従って期限切れになります。UA が DA を検出すると、UA は要求を SA にマルチキャストするのではなく、DA にユニキャストします。
Solaris SLP メッセージについての詳細は、第 22 章「SLP (リファレンス)」を参照してください。