Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)

監査パーティションの作成方法

次の手順では、監査用のパーティションの作成方法、および監査に対応するファイルシステムとディレクトリの作成方法について説明します。すでに空のパーティションがある場合、またはすでに空のファイルシステムをマウントしている場合は、必要に応じて手順を省略してください。

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

  2. 必要なディスク容量を決定します。

    ホストごとに 200M バイト以上を割り当てます。ただし、ディスク容量の要件は、実行する監査のボリュームによって異なります。つまり、ディスク容量の要件が割り当てる数値を超えることがあります。予備ディレクトリのパーティション領域も含めてください。

  3. 必要に応じて、監査パーティションを作成します。

    この手順は、サーバーのインストール時に実行するのが最も簡単です。サーバーにマウントされていないディスク上にパーティションを作成することもできます。パーティション作成方法の詳細については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「UFS ファイルシステムの作成」を参照してください。


    # newfs /dev/rdsk/cwtxdysz
    

    /dev/rdsk/cwtxdysz は、パーティションの raw デバイス名です。

    ローカルホストを監査する場合は、予備の監査ディレクトリも作成します。

  4. 新しいパーティションのマウント先を作成します。


    # mkdir /var/audit/server-name.n
    

    server-name.n は、サーバー名と、各パーティションの識別番号です。この識別番号は省略できますが、多数の監査ディレクトリを作成する場合はこの番号を使用すると便利です。

  5. 新しいパーティションを自動的にマウントするエントリを追加します。

    /etc/vfstab ファイルに次のような行を追加します。


    /dev/dsk/cwtxdysz /dev/rdsk/cwtxdysz /var/audit/server-name.n   ufs  2  yes
  6. (省略可能) 各パーティションの最小空き容量のしきい値を削除します。

    デフォルトの構成を使用した場合、ディレクトリの 80% がいっぱいになったときに警告が生成されます。このため、パーティション上に空き容量を予約する必要はありません。


    # tunefs -m 0 /var/audit/server-name.n
    
  7. 新しい監査パーティションをマウントします。


    # mount /var/audit/server-name.n
    
  8. 新しいパーティションに監査ディレクトリを作成します。


    # mkdir /var/audit/server-name.n/files
    
  9. マウント先と新しいディレクトリへのアクセス権を訂正します。


    # chmod -R 750 /var/audit/server-name.n/files
    
  10. (省略可能) ファイルサーバー上で、ほかのホストからアクセスできるファイルシステムを定義します。

    通常は、監査レコードを格納するために、ディスクファームをインストールします。監査ディレクトリを複数のシステムで使用する場合は、そのディレクトリを NFS サービスを通して共有する必要があります。/etc/dfs/dfstab ファイルに対して、次のようなエントリをディレクトリごとに追加します。


    share -F nfs /var/audit/server-name.n/files
  11. (省略可能) ファイルサーバー上で、NFS サービスを起動し直します。

    share コマンドまたは share コマンドセットを初めて実行する場合、NFS デーモンが動作していないことがあります。次のコマンドでデーモンを終了し、再起動してください。NFS サービスの詳細については、『Solaris のシステム管理 (資源管理とネットワークサービス)』の「NFS サービスの設定」 を参照してください。


    # /etc/init.d/nfs.server stop
    # /etc/init.d/nfs.server start
    

例 — 予備の監査ディレクトリを作成する

監査サービスを実行するすべてのシステムには、利用できるファイルシステムがほかにない場合に使用するローカルファイルシステムが必要です。この例では、ファイルシステムが egret という名前のシステムに追加されます。このファイルシステムは、ローカルシステムだけで使用されるため、続いてファイルサーバーの手順は必要ありません。


# newfs /dev/rdsk/c0t2d0
# mkdir /var/audit/egret
# grep egret /etc/vfstab
/dev/dsk/c0t2d0s1  /dev/rdsk/c0t2d0s1  /var/audit/egret ufs  2  yes  -
# tunefs -m 0 /var/audit/egret
# mount /var/audit/egret
# mkdir /var/audit/egret/files
# chmod -R 750 /var/audit/egret/files

例 — 新しい監査パーティションを作成する

この例では、新しいファイルシステムが、2 つの新しいディスクに作成されます。この 2 つのディスクは、ネットワーク上のほかのシステムと共有します。


# newfs /dev/rdsk/c0t2d0
# newfs /dev/rdsk/c0t2d1
# mkdir /var/audit/egret.1
# mkdir /var/audit/egret.2
# grep egret /etc/vfstab
/dev/dsk/c0t2d0s1  /dev/rdsk/c0t2d0s1  /var/audit/egret.1 ufs  2  yes  -
/dev/dsk/c0t2d1s1  /dev/rdsk/c0t2d1s1  /var/audit/egret.2 ufs  2  yes  -
# tunefs -m 0 /var/audit/egret.1
# tunefs -m 0 /var/audit/egret.2
# mount /var/audit/egret.1
# mount /var/audit/egret.2
# mkdir /var/audit/egret.1/files
# mkdir /var/audit/egret.2/files
# chmod -R 750 /var/audit/egret.1/files /var/audit/egret.2/files
# grep egret /etc/dfs/dfstab
 share -F nfs /var/audit/egret.1/files
 share -F nfs /var/audit/egret.2/files
# /etc/init.d/nfs.server stop
# /etc/init.d/nfs.server start