レルムとはドメインのようなもので、同じ「マスター KDC」の下にあるシステムをグループとして定義する論理ネットワークです。図 7–3 では、レルム間の関係を示します。階層構造のレルムでは、1 つのレルムがほかのレルムの上位集合になります。階層ではない (直接接続の) レルムでは、2 つのレルム間の割り当てを定義する必要があります。SEAM では、レルム間で共通の認証が可能です。その場合、各レルムの KDC に、他のレルムの主体エントリだけが必要になります。この機能は、レルム間認証と呼ばれます。
各レルムには、主体データベースのマスターコピーを保守するサーバーが含まれる必要があります。このサーバーを「マスター KDC サーバー」と呼びます。また各レルムには、主体データベースの重複コピーを保持する「スレーブ KDC サーバー」が少なくとも 1 つ必要です。マスター KDC サーバーおよびスレーブ KDC サーバーは、認証の確立に使用されるチケットを作成します。
レルムには、「NFS サーバー」も含まれます。NFS サーバーは Kerberos 認証を使用する NFS サービスを提供します。SEAM 1.0 または SEAM 1.0.1 をインストールすると、レルムには、Kerberos アプリケーション (ftp、telnet、rsh など) からアクセスされる SEAM ネットワークのアプリケーションサーバーもインストールされます。
次の図では、レルムの構成例を示します。