IPv6 の管理

同じフローに所属するパケット

同じフローに所属するパケットは、同じソースアドレス、同じ宛先アドレス、同じゼロ以外のフローラベルで送信します。これらのパケットのどれかにホップバイホップオプションヘッダーが含まれる場合、パケットを同じホップバイホップオプションヘッダーの内容で生成する必要があります。ただし、ホップバイホップオプションヘッダーの次のヘッダーフィールドは除かれます。これらのパケットのどれかにルーティングヘッダーが含まれる場合、パケットの拡張ヘッダーを同じ内容で生成する必要があります。この同じ内容には、ルーティングヘッダーより前のすべての拡張ヘッダーと、ルーティングヘッダーが含まれます。ただし、ルーティングヘッダーの次のヘッダーフィールドは除かれます。ルーターや宛先では、場合によってはこれらの条件が満たされているかを確認できます。違反を検出した場合、そのことを送信元に報告する必要があります。違反を報告するには、ICMP パラメータ問題メッセージ、コード 0 を使用します。違反は、フローラベルフィールドの上位オクテットで表されます。この上位オクテットは、IPv6 パケット内のオフセット 1 オクテットです。

ルーターは、任意のフローのフロー処理状態を自由にセットアップできます。この場合ルーターは、制御プロトコル、ホップバイホップオプション、その他の手段による、明示的なフロー確立情報を必要としません。たとえば、未知のゼロ以外に設定されたフローラベルを持つパケットを特定のソースから受信した場合、ルーターではその IPv6 ヘッダーを処理できます。ルーターは、フローラベルがゼロに設定されている拡張ヘッダーを処理する場合と同じ方法で、必要な拡張ヘッダーを処理できます。ルーターは、次中継点のインタフェースの判別を行います。場合によってはホップバイホップオプションの更新、ルーティングヘッダーのポインタとアドレスの加算、あるいはパケットのキューイングの方法の決定なども行います。パケットのキューイングの方法の決定は、パケットのトラフィッククラスフィールドに基づいて行われます。ルーターは、この処理手順の結果を記憶することを選択できます。そして、記憶した後でその情報をキャッシュに保存できます。始点アドレスとフローラベルがキャッシュキーとして使用されます。同じ始点アドレスとフローラベルを持つ後続のパケット については、キャッシュされた情報を参照することにより処理できます。これらのパケットの始点アドレスとフローラベルをすべて調べる必要はありません。ルーターは、フローの最初のパケットは確認しますが、その後はフィールドの内容は変更されないと仮定することができます。