Solaris のシステム管理 (資源管理とネットワークサービス)

NIS+ mail_aliases テーブルの別名エントリを管理する方法

NIS+ テーブルでエントリを管理するために、aliasadm コマンドを使用できます。aliasadm コマンドを使ってテーブルエントリを表示、追加、変更、または削除するには、次の手順に従います。

  1. テーブルを所有する NIS+ グループのメンバーになるか、メールサーバーのスーパーユーザーになるか、同等の役割になります。

    役割については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』の「特権付きアプリケーションの使用」を参照してください。

  2. 必要に応じて、次に挙げる例のいずれかの手順に従って作業します。

場合によっては、最初にメールクライアント、クライアントのメールボックスの位置、およびメールサーバーシステム名のそれぞれのリストをコンパイルする必要があります。

NIS+ mail_aliases テーブルを作成する例

テーブルを作成するには、次の手順に従います。

  1. テーブルを所有する NIS+ グループのメンバーになるか、メールサーバーのスーパーユーザーになるか、同等の役割になります。

    役割については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』の「特権付きアプリケーションの使用」を参照してください。

  2. NIS+ テーブルを作成します。


    # aliasadm -I
    
  3. テーブルにエントリを追加します。

詳細は、aliasadm(1M) のマニュアルページを参照してください。

NIS+ mail_aliases テーブルの全内容を表示する例

テーブルの全内容を表示するには、次の手順に従います。

  1. テーブルを所有する NIS+ グループのメンバーになるか、メールサーバーのスーパーユーザーになるか、同等の役割になります。

    役割については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』の「特権付きアプリケーションの使用」を参照してください。

  2. 別名のアルファベット順に全エントリを表示します。


    # aliasadm -1
    

詳細は、aliasadm(1M) のマニュアルページを参照してください。

NIS+ mail_aliases テーブルの個々のエントリを表示する例

テーブルの個々のエントリを表示するには、次の手順に従います。

  1. テーブルを所有する NIS+ グループのメンバーになるか、メールサーバーのスーパーユーザーになるか、同等の役割になります。

    役割については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』の「特権付きアプリケーションの使用」を参照してください。

  2. 個々のエントリを表示します。


    # aliasadm -m ignatz
    ignatz: ignatz@saturn # Alias for Iggy Ignatz

    このコマンドは、完全に一致する別名のみ表示し、部分的に一致するエントリは表示しません。aliasadm -m オプションでは、メタキャラクタ (*? など) は使用できません。

詳細は、aliasadm(1M) のマニュアルページを参照してください。

NIS+ mail_aliases テーブル内の部分一致エントリを表示する例

テーブルの部分一致エントリを表示するには、次の手順に従います。

  1. テーブルを所有する NIS+ グループのメンバーになるか、メールサーバーのスーパーユーザーになるか、同等の役割になります。

    役割については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』の「特権付きアプリケーションの使用」を参照してください。

  2. テーブル内の部分一致エントリを表示します。


    # aliasadm -l | grep partial_string
    

    partial_string

    検索に使用する文字列を指定 

詳細は、aliasadm(1M) のマニュアルページを参照してください。

例 — コマンド行から NIS+ mail_aliases テーブルへ別名を追加する

2 つまたは 3 つの別名をテーブルに追加するには、次の手順に従います。

  1. メールクライアント、メールボックスの場所、およびメールサーバーシステムの名前の各リストをコンパイルします。

  2. テーブルを所有する NIS+ グループのメンバーになるか、メールサーバーのスーパーユーザーになるか、同等の役割になります。

    役割については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』の「特権付きアプリケーションの使用」を参照してください。

  3. (省略可能) 必要な場合は、NIS+ テーブルを作成します。

    まったく新しい NIS+ mail_aliases テーブルを作成する場合は、最初に NIS+ テーブルを初期設定しなければなりません。 テーブルの作成方法については、NIS+ mail_aliases テーブルを作成する例 を参照してください。

  4. テーブルに別名を追加します。

    次に、一般的なエントリの例を示します。


    # aliasadm -a iggy iggy.ignatz@saturn "Iggy Ignatz"
    

    上記の例の入力内容を次に説明します。

    -a

    別名を追加するためのオプション 

    iggy

    簡略別名 

    iggy.ignatz@saturn

    拡張別名 

    "Iggy Ignatz"

    引用符で囲んだ別名 

  5. 作成したエントリを表示し、エントリに間違いがないことを確認します。


    # aliasadm -m alias
    

    alias

    作成したエントリ 

詳細は、aliasadm(1M) のマニュアルページを参照してください。

例 — NIS+ mail_aliases テーブルを編集してエントリを追加する

多数の別名をテーブルに追加するには、次の手順に従います。

  1. メールクライアント、メールボックスの場所、およびメールサーバーシステムの名前の各リストをコンパイルします。

  2. テーブルを所有する NIS+ グループのメンバーになるか、メールサーバーのスーパーユーザーになるか、同等の役割になります。

    役割については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』の「特権付きアプリケーションの使用」を参照してください。

  3. 別名テーブルを表示して編集します。


    # aliasadm -e
    

    このコマンドは、テーブルを表示し、テーブルの編集を可能にします。使用するエディタは、$EDITOR 環境変数で設定されています。この変数が設定されていない場合、vi がデフォルトのエディタになります。

  4. 次の形式で、1 行に 1 別名ずつ入力します。


    alias: expanded_alias # ["option" # "comments"]

    alias

    この列には、簡略別名を入力 

    expanded_alias

    この列には、拡張別名を入力 

    option

    この列は、将来の拡張のために予約されている 

    comments

    この列は、別名など、個々の別名に関するコメントに使用 

    オプション列をブランクにする場合は、空の引用符 2 つ ("") を入力し、その後にコメントを追加します。

    NIS+ mail_aliases テーブルでは、エントリの順序は重要ではありません。aliasadm -l コマンドがリストをソートし、エントリをアルファベット順に表示します。

    詳細は、メール別名ファイル および aliasadm(1M) のマニュアルページを参照してください。

例 — NIS+ mail_aliases テーブル内のエントリを編集する

テーブル内のエントリを編集するには、次の手順に従います。

  1. テーブルを所有する NIS+ グループのメンバーになるか、メールサーバーのスーパーユーザーになるか、同等の役割になります。

    役割については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』の「特権付きアプリケーションの使用」を参照してください。

  2. 別名エントリを表示します。


    # aliasadm -m alias
    

    alias

    割り当てられている別名を指定 

  3. 必要に応じて別名エントリを編集します。


    # aliasadm -c alias expanded_alias [options comments]
    

    alias

    必要な場合は、別名を編集 

    expanded_alias

    必要な場合は、拡張別名を編集 

    options

    必要な場合は、オプションを編集 

    comments

    必要な場合は、このエントリのコメントを編集 

    詳細は、aliasadm(1M) のマニュアルページおよび メール別名ファイルを参照してください。

  4. 編集したエントリを表示し、エントリに間違いがないことを確認します。


    # aliasadm -m alias
    

詳細は、aliasadm(1M) のマニュアルページを参照してください。

例 — NIS+ mail_aliases テーブルからエントリを削除する

テーブルからエントリを削除するには、次の手順に従います。

  1. テーブルを所有する NIS+ グループのメンバーになるか、メールサーバーのスーパーユーザーになるか、同等の役割になります。

    役割については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』の「特権付きアプリケーションの使用」を参照してください。

  2. テーブルからエントリを削除します。


    # aliasadm -d alias
    

    alias

    削除するエントリの別名を指定 

詳細は、aliasadm(1M) のマニュアルページを参照してください。