Solaris のシステム管理 (資源管理とネットワークサービス)

新しい ClientPortOptions オプション

新しく追加された ClientPortOptions オプションは発信接続に使用します。このオプションは、DaemonPortOptions オプションに似ています。このオプションにより、クライアントの SMTP オプションが設定されます。クライアントの SMTP オプションは、一連の key=value ペアです。 このオプションを宣言するには、次の構文のどれかを使用します。 フォーマットのために、これらの例には 2 組のペアが含まれています。 ただし、1 組以上のペアを適用できます。


O ClientPortOptions=pair,pair              # 構成ファイル
-OClientPortOptions=pair,pair              # コマンド行
define(`confCLIENT_OPTIONS',`pair,pair')   # m4 を使った構成記述

新しい sendmail.cf ファイルを構築する必要がある場合は、第 25 章「メールサービス (手順)」sendmail.cf 構成ファイルの構築 (手順) を参照してください。

次の表では、このオプションの新しいキーについて説明しています。

表 27–4 ClientPortOptions の新しいキー

キー 

説明 

Addr

アドレスマスクを指定する。 この値は、ドット表記した数値のアドレスにすることも、ネットワーク名にすることもできる。このペアが省略されると、デフォルトは INADDR_ANY となり、どのネットワークからの接続も受け入れる

Family

アドレスファミリーを指定する。 AF_INET のキーのデフォルトは inet。 他の値は、AF_INET6 には inet6AF_ISO には isoAF_NS には nsAF_CCITT には x.25 である

Listen

待機キューのサイズを指定する。 キーのデフォルトは 10。 Solaris オペレーティング環境のデフォルトを変更する必要はない

Port

待機ポートの名前および番号を指定する。 キーのデフォルトは smtp

RcvBufSize

TCP/IP 送信バッファーのサイズを指定する。キーにはデフォルト値がないため、サイズが自動的に設定されることはない。このオプションを 0 より大きな値に設定すると、その値が使用される。Solaris オペレーティング環境では、このバッファーのサイズを制限する必要はない 

Modifier

次のような sendmail のフラグを指定する

h フラグは、HELO または EHLO コマンドに、送信インタフェースアドレスに対応する名前を使用する。これは、その名前が接続パラメータで選択されたものであっても、デフォルトのものであっても同様である

A フラグは、AUTH を無効にする。このフラグは、DaemonPortOptionsModifier キーに使用できる。DaemonPortOptions オプションの変更点 を参照

S フラグは、電子メールの配信中または受信中に、STARTTLS を使用できないようにしたり、それを提供したりしないようにする