Solaris のシステム管理 (基本編)

実行レベル

システムの「実行レベル」 (「init 状態」ともいう) は、ユーザーが使用できるサービスとリソースを定義します。システムが 1 度に持つことのできる実行レベルは 1 つだけです。

Solaris 環境には 8 つの実行レベルがあります (次の表を参照)。デフォルトの実行レベル 3 は、/etc/inittab ファイルに指定されています。

表 11–1 Solaris 実行レベル

実行レベル 

init 状態 

種類 

目的 

電源切断状態 

電源切断 

 

オペレーティングシステムをシャットダウンしてシステムの電源を安全に落とせるようにする。

s または S

シングルユーザー状態

シングルユーザー 

一部のファイルシステムがマウントされ使用可能な状態で、シングルユーザーとして動作する。 

システム管理状態 

シングルユーザー 

すべての使用可能なファイルシステムにアクセスする。ユーザーログインは使用不可である。

マルチユーザー状態 

マルチユーザー 

通常の運用に使用する。複数のユーザーがシステムとすべてのファイルシステムにアクセスできる。NFS サーバーデーモンを除く、すべてのデーモンが動作する。

NFS リソースを共有したマルチユーザーレベル

マルチユーザー 

NFS リソースを共有する通常の運用に使用する。Solaris 環境におけるデフォルトの実行レベル。

マルチユーザー状態 (予備) 

 

現在は使用できない。 

電源切断状態 

電源切断 

オペレーティングシステムをシャットダウンしてシステムの電源を安全に落とせるようにする。可能であれば、この機能をサポートしているシステムでは電源を自動的に切断する。 

リブート状態 

リブート 

システムをシャットダウンして実行レベル 0 にした後、NFS リソースを共有するマルチユーザーレベル (または、inittabファイルに指定されたデフォルト のレベル) でリブートする。

システムの実行レベルを確認する方法

who -r コマンドを使用すると、実行レベルに関する情報が表示されます。


$ who -r

who -r コマンドを使用して、システムの現在の実行レベルを調べます (ただし、実行レベル 0 を除く)。

例 — システムの実行レベルを確認する

次の例では、システムの現在の実行レベルと以前の実行レベルに関する情報を表示します。


$ who -r
 .    run-level 31  Dec 13 10:102   33   04 S5
$
  1. 現在の実行レベル

  2. 実行レベルが最後に変更された日時

  3. 現在の実行レベル

  4. 最後にリブートしてからシステムがこの実行レベルになった回数

  5. 以前の実行レベル