Solaris 9、Solaris 9 9/02、または Solaris 9 12/02 オペレーティング環境から Solaris 9 4/03 リリースにアップグレードする場合、pkgchk コマンドに -n オプションを使用すると、次のエラーメッセージが表示されます。
ERROR: /usr/dt/appconfig/types/cs_CZ.ISO8859-2/datatypes.dt pathname does not exist ERROR: /usr/dt/appconfig/types/cs_CZ.ISO8859-2/develop.dt pathname does not exist ERROR: /usr/dt/appconfig/types/cs_CZ.ISO8859-2/dtfile.dt pathname does not exist ERROR: /usr/dt/appconfig/types/cs_CZ.ISO8859-2/dtmail.dt pathname does not exist ERROR: /usr/dt/appconfig/types/cs_CZ.ISO8859-2/dtpad.dt pathname does not exist ERROR: /usr/dt/appconfig/types/cs_CZ.ISO8859-2/print.dt pathname does not exist ERROR: /usr/dt/appconfig/types/cs_CZ.ISO8859-2/uxstd.dt pathname does not exist |
回避方法: Solaris 9 4/03 DVD または Solaris 9 4/03 Software 1 of 2 CD を使用して、SUNWceudt パッケージを追加し直します。次の手順に従います。
スーパーユーザーになります。
SUNWceudt パッケージを削除します。
# pkgrm SUNWceudt |
製品ディレクトリに移動します。
# cd path_to_Solaris_9/Product |
SUNWceudt パッケージを追加し直します。
# pkgadd -d `pwd` SUNWceudt |
アップグレード以前にシステムにパッチ 114711-01 (SPARC 版) または 114712-01 (x86 版) を適用していた場合、 Solaris 9 4/03 オペレーティング環境にアップグレードした後で、これらのパッチに同梱された VDiskMgr.jar ファイルを手動で登録する必要があります。パッチに同梱された VDiskMgr.jar ファイルを手動で登録しないと、既存の VDiskMgr.jar ファイルがシステムに残ります。また、パッチがその問題を完全には解決しません。
システムにこれらのパッチがインストールされているかを調べるには、次のいずれかのコマンドを入力します。
SPARC システムの場合
# patchadd -p | grep '114711-01' |
x86 システムの場合
# patchadd -p | grep '114712-01' |
回避方法: Solaris 9 4/03 オペレーティング環境にアップグレードした後で、指定された 2 つのパッチに同梱された VDiskMgr.jar ファイルを手動で登録します。次の手順に従います。
スーパーユーザーになります。
既存の VDiskMgr.jar ファイルを、パッチに同梱された .jar ファイルで置き換えます。
# /usr/sadm/bin/smcregister tool -n \ com.sun.admin.diskmgr/VDiskMgr.jar \ /usr/sadm/lib/diskmgr/VDiskMgr.jar \ /usr/sadm/lib/dismgr/VDiskMgr_classlist.txt \ /usr/sadm/lib/diskmgr/VDiskMgrInfo.xml > /dev/null 2>$1 |
ツールボックスにある既存の VDiskMgr を、パッチに同梱された VDiskMgr ツールで置き換えます。
# /usr/sadm/bin/smcregister toolbox add -f tool \ com.sun.admin.diskmgr.client.VDiskMgr \ -F "/Storage/" >/dev/null 2>&1 |
WBEM サーバーを停止します。
# /etc/init.d/init.wbem stop |
WBEM サーバーを再起動します。
# /etc/init.d/init.wbem start |
Solaris 9 オペレーティング環境から Solaris 9 9/02、Solaris 9 12/02、または Solaris 9 4/03 リリースにアップグレードすると、既存の Managed Object Format (MOF) ファイルは再登録されません。アップグレード時に、以前の /var/sadm/wbem/logr ディレクトリは /var/sadm/wbem/logru3 ディレクトリとして保存されます。登録されている MOF ファイルはアップグレード後に再登録されません。その結果、MOF ファイルに依存する Solaris 管理コンソールアプリケーションが失敗することがあります。
コンソールの「マウント」ツールおよび「ディスク」ツールを使用すると、次のエラーメッセージが表示されます。
CIM_ERR_NOT_FOUND |
回避方法: 不足する MOF ファイルを手動で登録します。MOF ファイルは /var/sadm/wbem/logru3 ディレクトリにあります。次の手順を完了してください。
スーパーユーザーになります。
MOF ファイルを手動で登録します。
# /usr/sadm/bin/mofreg -r tag mof-file |
ここで、tag は /var/sadm/wbem/logru3/unregDir/ ディレクトリにあるディレクトリ名で、mof–file は、tag ディレクトリにある MOF ファイル名です。
たとえば、次のようにします。
# /usr/sadm/bin/mofreg -r svm \ /var/sadm/wbem/logru3/unregDir/svm/svm/Solaris_Vm1.0.mof |
WBEM サーバーを停止します。
# /etc/init.d/init.wbem stop |
WBEM サーバーを再起動します。
# /etc/init.d/init.wbem start |
Solaris Live Upgrade で luupgrade(1M) コマンドに -i オプションを指定して、アクティブでないブート環境をアップグレードした場合、言語によってはインストールプログラムが表示するテキストが判読不能になります。これは、現在のブート環境にはあるが古いリリースには存在しないフォントを、インストールプログラムが要求した場合に発生します。
回避方法: 次のいずれかを実行してください。
SOFTWARE 1 of 2 CD、2 of 2 CD、および LANGUAGES CD を統合したネットワークインストールイメージを使用してインストールします。
システムの環境変数を設定し、C ロケールを有効にします。
-s オプション付きで luupgrade コマンドを使用し、ディレクトリとパッチリストファイルを指定してパッチを追加する場合、パッチが追加されません。このとき、たとえば次のようなメッセージが表示されます。
/usr/sbin/luupgrade [52]: 3 patch-list-file: bad number |
上記のメッセージで、patch-list-file は、パッチを追加するために luupgrade コマンドに指定したパッチリストファイルです。
回避方法: パッチリストファイルを指定してパッチを追加するには、次の手順を実行します。
スーパーユーザーになります。
パッチを当てたいブート環境をマウントします。
# lumount boot-envir-name mount-point |
ブート環境にパッチを追加します。
# /usr/sbin/patchadd -R mount-point -M patch-path patch-list-file-name |
上記のコマンドで、patch-path には、追加するパッチの入ったディレクトリのパス名を指定します。patch-list-file-name には、追加するパッチのリストの入ったファイルを指定します。
ブート環境をアンマウントします。
# luumount boot-envir-name |
Solaris 8 オペレーティング環境から Solaris 9 またはそれ以降のオペレーティング環境へのアップグレードの際、SUNWjxcft パッケージが削除されるときに、次のようなエラーメッセージが upgrade_log ファイルに記録されます。
Removing package SUNWjxcft: Can't open /a/usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TTbitmaps/fonts.upr Can't open /a/usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TTbitmaps/fonts.scale Can't open /a/usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TTbitmaps/fonts.alias Can't open /a/usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TT/fonts.upr Can't open /a/usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TT/fonts.scale Can't open /a/usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TT/fonts.alias Removal of <SUNWjxcft> was successful |
回避方法: このエラーメッセージは無視してください。アップグレード後の環境で問題は発生しません。
Solaris 9 4/03 オペレーティング環境では、Kerberos Version 5 グローバル機構はプライバシサポートを含んでおり、Kerberos ドメスティック機構は必要ありません。Kerberos ドメスティック機構 (/usr/lib/gss/do/mech_krb.so.1 にある) を Solaris 8 システムにインストールしている場合、Kerberos ドメスティック機構を削除してからシステムを Solaris 9 4/03 オペレーティング環境にアップグレードしてください。
回避方法: Solaris 9 4/03 オペレーティング環境にアップグレードする前に、次の手順に従ってください。
次のコマンドを入力して、Kerberos ドメスティック機構がシステムにインストールされているかどうかを確認します。
% pkginfo | fgrep ' SUNWk5' |
このコマンドの出力に SUNWk5 で始まるパッケージ名が含まれる場合、Kerberos ドメスティック機構はシステムにインストールされています。手順 2 に進んでください。
このコマンドの出力に SUNWk5 で始まるパッケージ名が含まれていない場合、Kerberos ドメスティック機構はインストールされていません。残りの手順を省略します。システムをアップグレードしてください。
次のコマンドを入力して、/etc/nfssec.conf と /etc/gss/qop ファイルをバックアップします。
% tar -cf /var/tmp/krb_config_files.tar /etc/nfssec.conf /etc/gss/qop |
次のコマンドを入力して、ファイルがバックアップされていることを確認します。
% tar -tf /var/tmp/krb_config_files.tar |
手順 1 の出力に含まれていた各パッケージを削除します。
% pkgrm package-name package-name package-name |
Solaris 9 4/03 オペレーティング環境にアップグレードします。
アップグレードプログラムは Kerberos グローバル機構コードを更新して、Kerberos プライバシサポートを有効にします。
テキストエディタで、/etc/gss/mech ファイルの次の行を変更します。
次の行のコメントを解除します。
kerberos_v5 1.2.840.113554.1.2.2 gl/mech_krb5.so gl_kmech_krb5 |
必要であれば、上記行を /etc/gss/mech ファイルに追加します。
次の行を削除します。
kerberos_v5 1.2.840.113554.1.2.2 do/mech_krb5.so do_kmech_krb5 |
次のコマンドを入力して、/etc/nfssec.conf ファイルと /etc/gss/qop ファイルを復元します。
% tar -xf /var/tmp/krb_config_files.tar |
/etc/init.d/sshd デーモンから他社の Secure Shell (OpenSSH など) を実行しているシステムの場合、Solaris 9 4/03 オペレーティング環境にアップグレードすると、既存の Secure Shell デーモンが使用できなくなります。アップグレード時に、Solaris 9 4/03 のアップグレードソフトウェアが、Solaris 9 4/03 の sshd で /etc/init.d/sshd の内容を上書きし、既存の sshd が失われます。
回避方法 : 次のいずれかを実行してください。
システムに Secure Shell プロトコルサーバープログラムが不要な場合は、アップグレード時に SUNWsshdr パッケージと SUNWsshdu パッケージをインストールしない。
システムに Secure Shell プロトコルサーバープログラムまたはクライアントプログラムが不要な場合は、アップグレード時に Secure Shell Cluster (SUNWCssh) をインストールしない。
/export ディレクトリの空き容量がゼロに近い状態で、システムを Solaris 9 4/03 オペレーティング環境にアップグレードしようとすると、/export ディレクトリ容量の必要条件の計算に誤りが発生し、アップグレードに失敗します。この問題は、ディスクレスクライアントがインストールされているか、/export ディレクトリに他社製のソフトウェアがインストールされている場合によく発生します。次のエラーメッセージが表示されます。
WARNING: Insufficient space for the upgrade. |
回避方法 : アップグレードの前に、次のいずれかを実行してください。
アップグレードが完了するまで、一時的に /export ディレクトリの名前を変更する
アップグレードが完了するまで、/etc/vfstab ファイル内の /export の行を一時的にコメントアウトする
/export が別のファイルシステムである場合は、アップグレードを実行する前に /export のマウントを解除する
現在のシステムが、Solstice AdminSuiteTM 2.3 の Diskless Client ツールによってインストールされたディスクレスクライアントをサポートしている場合、2 つの手順を実行する必要があります。まず、既存のディスクレスクライアントのうち、サーバーと同じ Solaris バージョンで同じアーキテクチャのものをすべて削除します。そのあとで、Solaris 9 4/03 オペレーティング環境をインストールするか、または Solaris 9 4/03 オペレーティング環境にアップグレードします。具体的な手順については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』 を参照してください。
ディスクレスクライアントを削除せずに Solaris 9 4/03 をインストールしようとすると、次のようなエラーメッセージが表示されます。
スライス <xxxxxxxx> 上の Solaris のバージョン (version-number) が アップグレードできません。ディスク上にインストールされたソフトウェア構成に 未知の問題があります。 |
このエラー メッセージの version-number は、現在、システムで稼働している Solaris のバージョンを表します。<xxxxxxxx> は、このバージョンの Solaris オペレーティング環境を実行しているスライスです。